さて、コロナ感染者ですが、いつ頃から感染性のウイルスを排出しているのでしょうか?

 

答えは厚生省のHPから抜粋してみましょう。

 

~~抜粋部分~~

 

「新型コロナウイルス感染症では、鼻やのどからのウイルスの排出期間の長さに個人差がありますが、発症2日前から発症後7~10日間は感染性のウイルスを排出しているとい われています 。 

 

発症後3日間は、感染性のウイルスの平均的な排出量が非常に多く、5日間経過後は大 きく減少することから、特に発症後5日間が他人に感染させるリスクが高いことに注意してください。 

 

また、排出されるウイルス量は発熱やせきなどの症状が軽快するとともに減少しますが、 症状軽快後も一定期間ウイルスを排出するといわれています」 

 

~~抜粋終了~~

 

じゃあ、実際発症後5日目に復帰した人がいた場合、何パーセントの人がまだウイルスを排出しているのでしょうか。

(国立感染症研究所のサイトから引用)

中央値というのは簡単にわかりやすく言うと、例えばとある試験で、10点の人が10人、50点の人が50人、100点の人が3人いるとします。中央値は、一番数が多い人の値を取りますので、この場合の中央値は50点。一番、数が多い人は何点だったかという意味になります。

 

感染後に出すウイルス量も人によっては、多かったり少なかったりと色々あるので、最も数が多い人のウイルス量を中央値として表しています。

 

では下の表を見てみましょう。発症日から5日目で復帰した場合、中央値でいうと感染者全体の46.5%の人がまだウイルスを排出していることになります。今厚生省では5日間の療養が推奨しているので6日目に復帰した場合は、感染者の三分の一くらいの人(34.1%)が感染性のウイルスを出しながら、学校なり職場なりに戻ってくることになりますこの人たちがマスクをしなければ会社や学校はどうなるかというと、延々の感染の連鎖が続くことになります

 

なお、これはBA.1株で検証したデータです。変異株によってはこの数字は変わると思われます。

(参照元:000987065.pdf (mhlw.go.jp)

 

画像

 

上の表を見ると、感染後10日目まではまだ感染者の6.2%が感染性のウイルスを排出しています。ですから10日過ぎても、高齢者、ハイリスク者と接する人はマスクを着用するべきで、実際は14日目まではマスクを継続してほしいのです。

 

では厚生省の通達に戻りましょう。そこからの抜粋になります。

 

~~抜粋部分~~

 

「(2)周りの方への配慮 

 

10日間が経過するまでは、ウイルス排出の可能性があることから、不織布マスクを着用したり、高齢者等ハイリスク者と接触は控える等、周りの方へうつさないよう配慮しましょう。発症後10日を過 ぎても咳やくしゃみ等の症状が続いている場合には、マスクの着用など咳エチケットを心がけましょう」

 

~~抜粋終了~~

 

感染してから10日目まではマスク着用。感染後10日目までは高齢者、ハイリスク者との接触は控える。10日過ぎても咳やくしゃみがあればマスクを着用とあります。

001088931.pdf (mhlw.go.jp)

 

実は、これ一つの目安でしかないんです。10日過ぎたらウイルスがすべて消える訳でもなく、感染性のウイルスを出し続けている人がごく少数います。だから、10日過ぎたらもう終わりだぜ! という訳でもないのが、コロナウイルス感染症の厄介な所です。

 

そして、もっと厄介な側面がコロナウイルス感染症にはあります。それは無症状感染者の存在。そして、発症前二日から感染者は感染性のウイルスを排出していきます。つまり、なんの症状もないのに、コロナウイルスを排出して周りの人を感染させるという側面があります。

 

よく症状が出たらマスクをつけるという人がいますが、それでは手遅れになってしまいます。症状が出た時にはすでに周りに感染させた後っていうことが多く、家庭内感染がこのケースに当てはまります。

 

子供のノーマスクについて

 

例えば、子供が通う学校でもコロナ感染後は他の子供にうつす可能性があるので14日目まではマスクをつけてほしい。学校に来る子には色々な家庭環境の子供がいます。子供だって小児がんとか喘息とか基礎疾患を持つ子供も多い。そこにコロナ感染後6日目でノーマスクで来れば当然、他の子にも感染します。色々な家庭の事情で同居している両親、兄弟、祖父祖母などに基礎疾患がある場合、家庭内感染で一気に同居家族を危険にさらすことにもなります。

 

排出するウイルス量は変異株によってどうもピークがことなるらしい

 

もXBBやオミクロン以降の感染者の検査を行っている医療機関では、症状が出てから4日目とか5日目にようやくPCR検査陽性が出てくることがよくあり、体内でのウイルスの増殖が遅く4日目にウイルス排出量がピークとなるケースも最近、ちらほらと聞くようになりました。4日目にウイルス量がピークであれば、学校や会社に復帰する6日目でもかなり高いウイルス量を排出している可能性があります。コロナ療養期間終了した人にはぜひ周囲からマスク着用を強く進めてください。

 

症状(鼻水、喉痛など)が出た日に検査してもコロナ陰性となり、油断して飲み会に行って会社クラスターを発生させたなどというケースも考えられる訳で。喉が痛い、鼻水が出る。ちょっとでもおかしいと思った場合は、14日程度はマスク着用して過ごしてほしい所です。

 

また、症状が出てから数日以内の検査でコロナ陰性が出ても、数日後に再度、検査しなおすこともおすすめします。