新社会人が入社して1ヶ月を満たない内に、続々と退職代行サービスに依頼をしているというのだ。

 

 

 

 

GW直後が何と仕事のかき入れ時だというのである。そのようなビジネスを展開している会社は既に複数あるようなのだ。勿論、新社会人以外にも依頼者はいるという。企業がハラスメントなどで退職させない場合には有用だと思うが、新社会人で速攻で登録というのは、老人にして氷河期世代の我が身としては、驚愕している。その時期は一心不乱に研修に励む時期なのだ。退職を考える余裕がないのである。それくらいなら、心身尽き果てて死んだほうが納得できる、と思っていたくらいなのである。

しかし、実情は根性で片付けられる話でもなさそうである。正社員のはずが派遣だった、などという論外の事例もあるようなのだ。それに、今時の大学生は勉学や恋愛・セックスよりも、インターンや課外活動などガクチカ形成に必死ということである。勉学に関しても、留学をすることも一種のガクチカになるようで、渡航費・生活費は完全自費のはずだが、行っている学生もいる。従って、彼等が甘えていると言い切るのはどうかと思う。そして、氷河期を散々生ごみ扱いしてきた企業の面々は、人手不足ということで、採用したい基準範囲から外れていても無理矢理採用していることがないともいえないだろう。言い換えれば、四半世紀前は不採用だった内容で採用していることがあるだろうという、私の推測である。であればミスマッチなど当たり前である。多様性とか人権とかSDGsとか格好良いことをぬかしながら、退職代行サービスが活躍するこの現状は、我が国の人倫が腐敗していることの証左だといえるだろう。少なくとも、この腐敗は氷河期世代の責任ではないと思う。