外資系日本法人については、私が生命科学関連業界にまだいたころ、このようにささやかれていた。「日本企業の悪い所(規則が堅い、異様な年功序列、体育会系、など)、と外資系の悪い所(すぐ解雇、教育しない、猛烈な成果主義、助けてくれない、など)が全て合体したのが外資系日本法人だ」というのだ。これは会社によるものであり、一般的な外資系日本法人のあり方を的確に表現したものとはいえない、というのが私の感想だが、悲しいことに、この言葉が的中する件があったのである。メドエルジャパンという会社については、私は知らないが、我が国では外資系日本法人、それも医療系は膨大な数の企業があるのである。

 

 

和解が成立したということだが、内容は外資とか内資という次元ではなく、企業ですらない。拉致監禁を楽しむ犯罪者集団の次元である。以下に一部を抜き出す。私自身も、異様な経験をし、また経験談を聞いてきた身なのだが、このレベルは聞いたことがない。驚愕した箇所は太字とした。ハラスメントという行為は、企業が追求すべき利潤に注ぐべきエネルギーを、個人への暴力に傾注することで犠牲にする行為である。だから、愚の骨頂なのである。この会社は、個人へのパワーハラスメントの10年で企業が生産性を棒に振ったと言いきって良い。当然ながら、(記事はクリスマスの時期ではないのだが)被害者にとっては最強のメリークリスマスとなったであろうと思う。

 

2010年にマーケティング担当として入社した女性は、2012年以降に元社長らから14回の退職強要や基本給の減額のほか、元の業務から外されて仕事を与えられず、他の従業員から隔離されるなどのパワハラが長年続いているとして、2020年9月に提訴した。 和解の詳細は明らかにされなかったが、弁護士ドットコムニュースの取材に答えた女性は「この度、和解の申し出があり、内容として満足できるものでしたので、応じることにしました」と評価した。 「長い年月、辛かったこともたくさんありましたが、裁判で圧勝できて嬉しく感じています」 「聴覚障がい者向け医療機器メーカーとして、失われた企業としての信頼を早く回復し、パワハラのない職場を実現されることを期待しております」 メドエルジャパンも弁護士ドットコムニュースの取材に対して、裁判が和解で終了したことは「事実」と認めた。 東京地裁は以下の行為を違法と認定していた。 (1)約半年のうちに11回の退職勧奨 (2)マーケティング部から掃除担当への配置転換 (3)基本給を1年間、半額に賃下げ(約53万円から約26万円に) (4)約5年間、仕事を与えず、ほかの従業員から切り離し