坂東玉三郎さん | 小林香オフィシャルブログ「Caori Covayashi」Powered by Ameba

坂東玉三郎さん

4/12、NHKホールにて「坂東玉三郎 越路吹雪を歌う〜愛の讃歌」が無事に終わりました。

ご来場いただきました皆様、本当にありがとうございました。

満員の客席から時々吐息が漏れ聞こえる瞬間を孕んだ、とても素晴らしいステージでした。

 

昨年11月に初めて玉三郎さんにお会いしてから5ヶ月の準備期間で、玉三郎さんから学んだことはとても新しく、だけど身近なことで、それを確実に自分のものにしたいと強く思いました。お目にかかってお話を伺ったこともさることながら、よくお電話をくださって打ち合わせをさせていただいたその二人きりでの会話はもっと本質に踏み込んで語ってくださいました。NHKホール公演のその日、いずれ会場でお目にかかるのに、その前にわざわざお電話をくださって話し合ったことは演劇の大先輩からの貴重な言葉で、私はそれをノートに書き留めました。準備、リハーサル、そして公演までの玉三郎さんの言葉をいくつかノートに書き留めて来ましたが、努力や気づきでこの言葉に追いつくことができれば、このノートは私の財産になることでしょう。

 

今回の仕事は、私が最初にお話を頂戴した時よりもどんどん任せていただくことが大きくなり、時間に追われる日々でしたが、玉三郎さんのスタッフの手綱の引き方が実に見事で、それもまた大きな学びとなりました。

 

ゲストの7人の皆さんはどなたも実に素晴らしく、特に、最上級生にあたる真琴つばささんのお仕事ぶりは表に裏に及び、その心遣いはまさにプロ中のプロのお姿。真琴さんの今回の「パダム・パダム」は秀逸でした。真琴さんは全国ツアーにも出演されるので、あの「パダム・パダム」をお客様に聴いていただく機会がまだあることが嬉しいです。

 

「TENTH」でご一緒したばかりの海宝直人さんは唯一の男性ゲストとして男声の魅力を充満させ、凰稀かなめさんは「1789」公演中でありながらアントワネット役とは全く違う声帯を使うナンバーを歌いこなしてくださいました。来年「グレート・コメット」でご一緒する霧矢大夢さんは明るいナンバーと荘厳なナンバーを2つの美声で届けてくれました。以前「TATTOO14」という作品を共に作り上げた水夏希さんは、また新たな魅力を完全に自分のものにしてらっしゃいました。大空ゆうひさんには「さくらんぼの実る頃」を選曲しましたが、それはそれはしっかりと掘り下げてくださり、まるで4分間の短編映画を見ているようでした。

 

そしてサプライズゲストとして急遽出演してくださった姿月あさとさん。こちらの準備が間に合わず1曲だけ歌っていただいたのですが、玉三郎さんのNHKホール公演に大きな花を添えてくださいました。大きな劇場が本当によくお似合いですが、どんな劇場でも空間ごとの届け方をなさるそのさじ加減の妙に、姿月さんの素晴らしいキャリアを感じました。

 

宝塚歌劇は越路さんの故郷ですので、今回「宝塚巴里メドレー」というものを作りました。出演者の皆さんが水を得た魚のように歌い踊り、お客様も高揚していく様から、宝塚歌劇が越路さんの時代から今日に到るまで日本の舞台芸術を引っ張って来たことを、理屈じゃなくて体で感じさせていただいた気がします。

 

 

「坂東玉三郎 越路吹雪を歌う〜愛の讃歌」

 

山口、広島、大阪、神奈川、福井、宮城・・・とまだまだ続きます。

坂東玉三郎さんの”内容のある歌”をぜひたくさんの方に聴いていただけたら、と思います。

玉三郎さんのMCは決して長くないです。でも、心に残る言葉を一つ、ステージに置いて、すっと去って行かれます。

どうぞ遊びにいらしてください。

 

 

 

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