まもなく開場100年の劇場 | 小林香オフィシャルブログ「Caori Covayashi」Powered by Ameba

まもなく開場100年の劇場

帝劇にて、ミュージカル「ダンス・オブ・ヴァンパイア」を拝見。


原作映画の監督はあのロマン・ポランスキー。

脚本・作詞ミヒャエル・クンツェ、音楽ジム・スタインマン。


クンツェさんは2006年の「マリー・アントワネット」で御一緒しましたが、あのシニカルだけどどこか妖しい魅力のある言葉は、竜真知子さんの素晴らしい訳詞のなかに健在でした。B級ホラーの体裁だけど、哲学的ながっちりしたメッセージが台詞よりも歌詞に紛れ込んでいます。


そしてやっぱりかっこいいなー、ジム・スタインマン。


セリーヌの「It's all coming back to me now」や日本でもカバーされている「ヒーロー」の作曲家といえば分かるでしょうか。いまも彼のアルバム「BAD FOR GOOD」を聴きながら書いてます。ブロードウェイでマイケル・クロフォード主演のプロダクションを観てるけど、日本版のほうがスタインマンらしさを感じたのは、ロックづかいが上手いミュージカルは日本のほうが目立つからかな。


スタインマンは演劇畑出身みたいだし、なにせワグネリアンだし、音楽がドラマティック。ドラマティックでないと。ミュージカルは。


山口さん(山口祐一郎さん・クロロック伯爵)と開次さん(森山開次さん・伯爵の化身)の「抑えがたい欲望」というナンバーのシーン、素晴らしかったです。もう一度観たい。



秋に時間があるので、ロック・オペラ/ロック・ミュージカルのことを考える時期に充てたいと思います。



それと、まだ東宝に在籍していてこういうのもなんですが、帝国劇場ってやっぱりいい劇場です。東宝演劇部で私ぐらいじゃないかなあ、『帝国劇場』という本を所有しているのは。66ページで800円もする代物です。。。


ちなみに言うと、卒業時の論文は法学部政治学科のくせに小林一三さんでした。相当面白い人ですし。ぶっとんでますし。大学図書館に小林一三全集を買ってもらって、読破しましたから。ほかにも一三著作のレア本とか何冊も購入してもらった思い出あり。読み漁りましたねえ、日本のレビューやショウの黎明期の文献ならなんでも取り寄せて読みました。


その黎明期を作り上げてきた、小林一三さんの作った東宝で舞台を作り、菊田一夫先生の意志を継いだクリエをやらせていただき、岩谷時子さんと僅かでも一緒に仕事させていただきました。人生ってわからないものですね、本当に。