こんにちは
コート・スマイル ブログ担当です!
今月は、河村病院より歯科医の先生を招いて歯科研修を行いました。
口腔ケアは毎日欠かせないことですし、利用者様の口腔内を清潔に保つためにも改めて手順から説明していただきました。
~手順~
声かけして覚醒を促す→口唇を湿潤→義歯を外す→口腔内を湿潤→歯ブラシで汚れを取る→粘膜に付着した喀痰が柔らかくなったら除去するという流れで行ってなっていきます。
★ポイント★
①口唇が乾いている人はいきなり口を開けるとひび割れする可能性があるので必ずジェルなどを使って緩ませる。
②汚れを除去しやすくするために保湿剤などを使い加湿する。
③義歯をはめたまま口腔ケアを行うのはNG!歯も綺麗に磨けないし、義歯の内側も汚い…。
④歯がある人には必ず歯ブラシを使う。スポンジブラシだけでは汚れは取り除けません。
⑤口腔内を潤すことによって、汚れが柔らかくなり取り除きやすくなります。
⑥口唇や口腔粘膜を保湿する。
大事なことは、
■口腔内をよく観察する。
自分と同じ口の中ではありません。どんな口の中をしているのかしっかり観察する。
■出血はないか。
何が原因で出血しているのか。わからなければ歯科医にも相談する。
■口内炎はできていないか。
義歯によるものだったり、慢性的なものだったりといろいろ原因があります。何が原因かを考える。
■痛みを訴えていないか。
痛みがあり何かを訴えたり、嫌がったりする方もみえます。しっかり様子を見る。
~患者の体位(ベッド上の場合)~
★ポイント★
①軽くベッドアップor側臥位
上を向いて顎が上がってしまうと、誤嚥する危険性もあります。少し起こしてあげるか、横向きにケアすることが大事です。
②麻痺があれば麻痺側を上に
③腰や首に負担のない姿勢(顎を少し引いた状態)
クッションや枕を使って、腰や首に負担がかからないようにします。
~うがい~
うがいはとても重要です!自分でブクブクできなくても水を少し含ませて吐き出させてあげましょう。
ブクブクとぶくとうがいをすることで汚れはかなり落ちます。なんとリハビリにもなります!
汚れを回収する目的で、しっかりうがいをすることが大事です。
(ガラガラうがいもできると喉の細菌やウイルスも除去できて良し)
~義歯~
義歯の表面には細かい傷があり、目に見えない細菌がたくさん付着しています。
流水下でブラシを用いて汚れを取り除き、義歯洗浄剤に浸けます。
以上の話を踏まえ、職員より質問がありました。
Q:うがいの時、水を飲んでしまう人がいます。どうしたらいいですか?
A:飲んでしまう人は最初にある程度汚れを回収してから飲ませるのは良いかと思います。
その他、質問として上がった項目について先生より回答をいただきました。
Q:夜間義歯洗浄剤を使用しています。何時間使用することが妥当でしょうか。
A:時間は特に決まっていません。就寝時から朝まで浸けても大丈夫です。
Q:歯根の汚れがある方には、どのようなケアを行うことが適切でしょうか。
A:歯茎がかぶっている場合は柔らかい歯ブラシを使ってあげましょう。利用者様ひとりひとりの口腔内の様子で判断する。触らないのは汚れが残ってしまうので、歯ブラシを使って取り除いてあげましょう。
Q:むせ込みがある方(トロミが必要な方)のうがい方法について知りたいです。
A:今まで口腔ケア時にトロミの水を使うということを考えたことがなかったのですが、必要であれば最後に水を飲むのと同じようにトロミの水を使うのは良いと思います。人によって違うとは思うので無理にさせなくても良いかなとは思います。
Q:歯みがきをすると出血をする方の対応の仕方について知りたいです。
A:出血をするということは歯肉が腫れてて炎症があるということです。そこに汚れを置いたままにするのは良くないので、多少の出血ならやさしく汚れを取ってあげるのが大切です。出血があるからとそのままにしずに、綺麗に歯みがきをしてあげてください。
Q:舌の汚れは専用のブラシまたは歯ブラシ、どちらで行うことが良いですか。
A:専用のブラシでも良いですし、普通の歯ブラシなら奥から手前に一方向に動かして汚れを取ってください。
Q:口腔ケア時に歯を食いしばってしまう方の対応方法が知りたいです。
A:開口器具を使うか、歯ブラシの柄を噛ませてその隙に汚れを取り除くのが良いかと思います。
汚れがたまっているときに有効的なのは「歯間ブラシ」です。
歯と歯の間の汚れはどうしても歯ブラシで取り除くことが難しいので、ご利用者様にも歯間ブラシを使ってケアをしてあげることはとても大切になります。
日頃から利用者様の口腔内の状態を把握し適切なケアをしてあげることで、利用者様の口腔衛生、あと気分もスッキリしていただけることに繋がることを改めて勉強できました。
貴重な時間をいただき、歯科医の先生には感謝です。
今回もここまでお読みいただきありがとうございました