Hi Okeiです
今回はまたまた本の紹介です。
以前このブログでご紹介しました「匂いの人類学」という本のなかで紹介されていた
「ラパチーニの娘」という作品が気になって読んでみました~
この本買おうと思ったら大型書店でもお取り寄せネットでは高額
仕方がないので図書館で借りてきたぜ…
では早速この物語のあらすじおば。
ジョバンニという若者が下宿先の窓下に見える奇妙な庭園に現れた美しい女性に恋をすることから始まります。しかしその庭園の持ち主のラパチーニという科学者は毒物を作り、実験をしているといういわくつきの人物!
ジョバンニの先生バリオーニ博士はラパチーニの娘ベアトリーチェに近づくなと警告をするが、彼女の美しさに魅せられたジョバンニは彼女との逢瀬を重ねていってしまう。
そして彼は自分の体の異変に気付いて大混乱!!バリオーニ博士は彼のために解毒薬を用意するが…そこには悲劇が待っていた。。
ナサニエル・ホーソンの物語を初めて読みましたが、そこにいる人々はとても人間味あふれる部分をお持ちなのに、なぜか異世界のような寓話のような現実からかけ離れた感が凄かったです。
この物語も最初は若者が偶然見かけた美しい女性に恋をするナンテ鉄板のラブストーリーぽく始まるのだが、彼女の住む世界の描写になるといきなり世界が異空間になる。
以下庭園の描写ですが…
『植物の外観はどれもこれもジョバンニを不快にするものだった。植物のきらびやかさは猛々しく、強烈で、不自然な感じさえする。(中略)もはや神が創り給うたものとは言えず、人間の堕落した空想の奇怪な申し子で、邪悪なまがい物の美しさで輝いているに過ぎないのだ。』
コワ!
行きたくない…こんな庭園…
行きたくない…こんな庭園…
いきなりまだ見ぬ宇宙空間に放り出された気持ちになりましたわ!
しかし恋とは盲目なのですな。ジョバンニ君は彼女が正体不明の怪しい女とわかっていても会いに行ってしまうんですよね~
しかし恋とは盲目なのですな。ジョバンニ君は彼女が正体不明の怪しい女とわかっていても会いに行ってしまうんですよね~
さて、前置きが長くなりましたが、本題の香りの描写部分についてのお話に入ります。
この物語の香りは庭園の中心にある潅木に咲く紫の宝石ような花と彼女の息の2つ。
この物語の香りは庭園の中心にある潅木に咲く紫の宝石ような花と彼女の息の2つ。
「彼女が話している間、周りの大気に香しい香りが漂ったのだ。かすかとはいえ、芳醇で、うっとりするような香りだが、それでいて若者が何となくためらい、肺に吸い込むのをたじろぐものだった。」
なにこれ…
なにこれ…
そんなにかぐわしいのに…吸い込むのをたじろぐ??????
なにこれ…
そんなにかぐわしいのに…吸い込むのをたじろぐ??????
ちょ…どんな?どんな?
理屈ではわかる。本能が「危険だよ~」と言っているんだろう。うん。
理屈ではわかる。本能が「危険だよ~」と言っているんだろう。うん。
でもどんな香りなんだろう??
きっと聖女のような清らかな香りの奥底に毒をはらんだ香りが住みついているような、、
香水で言う所のベースノートに強烈な香りがほんの少し入っているような、、
そうほんの少し。。最初は気づかなくて思い切り吸い込んでしまって、だんだん「ん?」て
なるような感じだろうか…
香水で言う所のベースノートに強烈な香りがほんの少し入っているような、、
そうほんの少し。。最初は気づかなくて思い切り吸い込んでしまって、だんだん「ん?」て
なるような感じだろうか…
気になる、、、
「ラパチーニの娘」という香水を作ったらどんな香りなんだろうか。
イメージでいうと明るさや日の光を感じないのでチュベローズやジャスミンが使われるのかな…とか考えるのだけど、決定的な「毒」は何なのかわからない。
有名な香水「プワゾン」にだって本物の毒は入ってない。もし入っていたら凄い人数が犠牲になっていただろうしね
それを感じさせる香水は作れるのだろうけど、それなら余計にジョバンニが嗅いでいた「ラパチーニの娘」本物の香りが気になって仕方なくなる。
「毒にふれる勇気があるのか?」と聞かれたら「全くありません!ごめんなさい!」と言いますが…ひと嗅ぎなら大丈夫とかあれば…嗅いでみたい、、(アカン人や)
もともとホーソンさんは毒薬に興味を持っていたらしい。
彼ならベアトリーチェの息がどんな香りなのか頭の中にあったのかもしれない。
彼ならベアトリーチェの息がどんな香りなのか頭の中にあったのかもしれない。
みなさんのご想像どうりにこの物語はハッピーエンドではありません。
「人間て自分の身が危険に晒された時はまあこうなるよね。」と妙に納得して理想との距離って遠いなあ、、、とか思ったりしたのですが、やはり気になるのは生命の危険さえ感じるという香しい香りなんだよな~(コラ)