うちの店の隣の店の店長は、やたらとイケメンだ。

おそらく、フロアで一番格好良い。

大きな目にちょっと生やした無精ひげがなんともセクシーだったりする。

女性のお客さんも接客されてると、心なしか嬉しそう・・・。


「かすみさんも、絶対好みでしょ?彼みたいなタイプ」

と、同僚。

「確かにイケメンだし、タイプではあるけれど・・・・・・」





ばかやろう!!

 てめぇ、何やってんだ!?

 ああ!!?


イケメン君の閉店後の姿を見ると、ドン引きしてしまうのだった。

仕事熱心で、情熱溢れる姿は見習わなければいけない部分でもあるが・・・・・・

「す、すみませんっ」

じゃぁ、あの場面ではどうすんだ、言ってみろ!!

いくら閉店しているとはいえ、売り場の中で怒鳴り散らすのは、どうかと思う訳ですよ・・・。

もっと理路整然と教えてあげるとか

怒鳴るなら、人目につかないようにとか

配慮があっても、良いよね。

なんていうか、これだと・・・公開処刑・・・。


「全っ然、ダメ!

お前、ち〇こついてんのかよ、なよなよしやがって!!」

「ついてますっ!」

「じゃぁもっとしっかりしろっつーんだよ、この童〇野郎!!!」

「童〇じゃありませんっ!!!」

下っ端のスタッフ君、かわいそう過ぎて目も当てられません・・・(T_T)

毎日これじゃぁ、ストレスも溜まってるだろうなぁ。



そんなある日のこと。

下っ端君は、長い長い接客をしていた。

その若い男性のお客様は、決断力がないけれど、全部を知りたいタイプ。

決められないお客様には、販売員がいろいろと質問をして取捨選択をして絞り込んでおススメしてあげるものなのだが・・・

中には、そうしてでも決められない人もいたりする。

数時間経った時、何を考えたんだか下っ端君はこう言ってしまった。


お客さん、めっちゃ迷いますよね~w

もしかして、童〇なんじゃないですか~?ww

「!!!」


翌日から、下っ端君は消えました。

私は、彼が不憫で仕方ないと思います。