熱海に着いたのは、ちょうどお昼前。
春の風がまだ少し冷たくて、でもそれがなんだか嬉しくて、ふたりしてマフラーをゆるめながら歩いてた。
「お腹すいたね」って言いながら、駅前の商店街をぶらぶら。
目的は決めてなかったけど、お店の前に貼られていた“生シラスあります”の文字につられて、海鮮丼のお店に吸い込まれるように入った。
🍚 生シラス丼と、黙ってうなずく時間
テーブルに運ばれてきた丼は、想像よりも大きくて、生シラスがきらきらしていた。
その上にほんの少しだけの卵黄と、海苔。
見た目もきれいで、ついふたりで「わあ…」と声が出た。
ひと口目のとき、彼が黙って目を見開いて、しばらく何も言わずにうなずいていたのがちょっと面白くて、
笑いながら「そんなに?」って聞いたら、「これはうまい」って、まるで職人のような一言。
🐙 商店街の食べ歩き、温泉まんじゅう
お腹が満たされたあとも、私たちはそのままゆっくり歩いて、
干物のいい香りがするお店や、駄菓子屋さん、熱海サイダーを売ってる屋台なんかをのぞきながら時間を過ごした。
途中で買った温泉まんじゅうは、彼がつぶあん、私はこしあん。
ほんとはひとつずつ買えばよかったのに、結局「ひと口ちょうだい」って交換して、
それを渡す瞬間にちょっとだけ指が触れて、なぜか心の中で「春だなあ」って思った。
📷 坂道と、ふたり旅のはじまり
熱海は坂が多くて、ちょっと歩くだけでも息が上がる。
でも、その坂の上から見える景色は、ちゃんと“旅に来たな”って思わせてくれるから、嫌じゃない。
私たちのふたり旅、まだ始まったばかり。
このあと何を食べようか、どこに行こうか、それを話す時間もまた楽しい。
次の記事では、海が一望できるカフェで食べた、春のデザートの話を。




