彼女は
平日のみならず
平日深夜や休日にも
電話を
掛けるようになった

平日深夜はまだ良い
深夜0時ぐらいなら
当時、会社で働いていた
時間帯だから
妻の目を
気にすることはない
でも休日となると話が違う

電話があっても
当然、出ない
出られる訳がない

また来る

やっぱり出ない

着信拒否はしなかった
いや出来なかった

当然ながら
妻が着信の多さに気付く

貴方、何で電話に出ないの?
まさか…
不倫でもしてるんじゃないの?

妻はいつでも単刀直入だ

妻は
ボクが不倫なんて
出来っこないと
たかを括っていた

平凡で

ブサイクで

つまらない男

昔から
妻の目には
ボクがそう映っていた

だから

貴方が不倫なんて
出来っこないのは
わかっているから
気にするだけ無駄だわ

ボクを蔑んで
その時はそれで済んだ
ところが
妻は
内心、怪しんでいたことが
後で痛いほど
分かることになる

妻は
ボクが入浴中に
携帯を
盗み見たのだ

ボクがお風呂から上がると

ちょっとこっち来なさいよ❗️

怒声が響く

いつか見た風景だ
デジャブ感が半端ない

ボクは

怯えながら
彼女の元に向かった