さて、前置きが長くなってしまいましたが、ここから具体的な手順を紹介します。自分の使用機種はISW16SHですが、まぁ多分たいていのAndroidならできると思います。事前に用意するものは以下の通りです。

 ・Gmailのアカウント
  →auoneメールを使用しても可。ここではhoge@gmail.comを取得したものとします。
 ・UserAgentを偽装できるブラウザ
  →自分はSleipnirを使用しました。
 ・キャリアの絵文字が使えるメールアプリ
  →自分はK-9Mail日本語版を使用しました。

 すみません、画像とか用意できればわかりやすかったんですけどね。そこまでちょっと用意できませんでしたので、心の眼で画像を妄想してください。

A.メールアカウント情報を取得する

 まず最初にメールアカウントの情報を取得します。実際のところこれが一番めんどくさいのですが、これがないと始まらないので頑張ります。

 1. Cメールアプリを立ち上げ、以下の通りに送信します
  送信先(電話番号):#5000
  メッセージ内容(本文):1234
 2. すぐにURLが記載されたCメールが届きます
 3. wi-fiやWiMAXなどを使っている場合は切ってください(3G回線を使用する)
 4. 2.のリンクを開き、ブラウザのUserAgentを「iPhone」にします(Sleipnirの場合、アドレスバーを長押しして出てくるメニューから「ページの表示モードを変更」を選び、「UserAgentを変更」を「iPhone」にしてOKボタンをタップ)
 5. ページ下のほうにある「その他設定」を開き、「メールアカウント手動設定」を選びます
 6. 「設定情報送信」を選びます。

 これでメールアドレスと自分のユーザーID、パスワードがCメールで送られてきます。ちなみに3G回線以外で接続すると「ページが見つかりません」というエラーが表示されます。iPhone以外のUserAgentで接続すると、ページは開くものの「機種変更設定」しかメニューが出てきません。

B.K-9Mail(日本語版)をインストールする

 先述したとおり標準のメールアプリは受信・送信サーバとも設定の変更ができないため、別のアプリを使わざるを得ません。当初はISW16SHにプリインストールされている「PCメール」アプリを使おうかと思いましたが、どうやらプッシュ通知に対応してないっぽい。プッシュ通知に対応したメールアプリを調べてみたところ、K-9Mailというアプリがよさげです。ただし、GooglePlayストアからダウンロードできるものはauだと絵文字の表示がほぼ全滅らしいので、有志が開発している日本語版のほうを入れます。絵文字は個人的には使わないのですが、送ってくる人はそうとは限りませんからね。K-9Mail日本語版は以下のURLからダウンロードできます。

 https://github.com/jca02266/k-9/downloads

 なお、Playストア以外からのファイルをインストールするには、設定で提供元不明のアプリのインストールを許可してやる必要があります。ISW16SHの場合は、端末の設定から「ロックとセキュリティ」を開き、「提供元不明のアプリ」の「サードパーティ製アプリのインストールを許可する」にチェックを入れます。

C.取得したメールアカウント情報を設定する

 K-9Mailをインストールした起動すると、初回はセットアップウィザードが立ち上がります。

 1. 最初に「このアカウントで使用するメールアドレスを入力してください」という画面が表示されます。実のところここでの入力はあまり意味はないのですが、ひとまずここは「転送先GMailのメールアドレスとパスワード」を入力してください。
  メールアドレス:hoge@gmail.com
  パスワード:xxxxxxxxx
 2. 「手動設定」ボタンを押します。
 3. 受信メールサーバを選択する画面が表示されますので、「IMAPサーバ」を選択します。
 4. 受信メールサーバの設定画面になりますので、以下の情報を設定します。
  アカウント名:hoge@gmail.com
  パスワード:xxxxxxxxx
  IMAPサーバ:imap.gmail.com
  保護された接続:SSLを使用する
  認証タイプ:PLAIN
  ポート:993
 5. 「次へ」ボタンを押すと、情報に間違いがなければ送信メールサーバの設定画面になります。以下の情報を設定してください。
  SMTPサーバ:smtp.ezweb.ne.jp
  保護された接続:SSLを使用する
  ポート:465
  「このサーバには認証が必要」にチェック
  セキュリティ設定:AUTOMATIC
  アカウント名:[A.で取得したユーザーID]
  パスワード:[A.で取得したパスワード]
 6. 「次へ」ボタンを押すと、同じく情報に間違いがなければアカウントオプションの設定画面となります。設定項目は特にこだわりがなければそのままでいいと思いますが、「このアカウントにプッシュメールを有効化」はチェックしておいてください。
 7. 「次へ」ボタンを押すと、アカウントの名前の設定画面となります。こちらも好きなものを設定してください。

D.メールの転送設定と標準アプリの無効化

 メール設定が終わったら、キャリアメールをhoge@gmail.comに転送する設定を行います。転送先としてauoneメールを使う場合、「auoneメールへ自動保存」機能を使って転送するとうまくスパムフィルタが作動なかったので、単純な転送のほうがいいと思います。
 また、標準のアプリが生きた状態だと、通知をオフにしていてもなぜか標準アプリも通知しやがるので、無効化しておきます(アンインストールはできないみたいなので)。

 1. 標準のメールアプリ(Eメール)を起動します
 2. 「設定」メニューから「Eメール設定」を選択します
 3. 「アドレス変更・その他の設定」を選択します
 4. 「自動転送先」を選択します
 5. 暗証番号入力を求められますので、入力して「送信」ボタンをクリックします
 6. 自動転送先に「hoge@gmail.com」を入力して「送信」ボタンをクリックします

 メールフィルターを設定している場合は、ここで全解除しておくといいでしょう。全解除してもGmailがしっかりはじいてくれるので問題ありません。

 最後に、標準アプリの無効化を行います。

 1. 「端末設定」を開き、「アプリ」を検索します。
 2. 「Eメール」を探して開き、「無効にする」ボタンをクリックします。

 以上で全ての準備は整いました。試しにPCなどから自分のキャリアメール宛にテストメールを送ってみましょう。無事にK-9Mailが通知してくれればOKです。あとはK-9Mailからメールを送ってみて、無事に送れるかも試して見るといいでしょう。

 設定手順がけっこうめんどくさいのは確かですし、外部サービスへの依存度が高まることに懸念がないわけでもないですが、キャリア側のメールフィルタを全解除してもまったく迷惑メールが届かなくなり、悩みの種だった迷惑メールから解放されたのは最高の気分です。たとえていうなら、マッドアングラー隊に左遷された早々に木馬を発見したシャアの気分。
 もっとも、いくらGmailのフィルタは優秀とはいえども100%ではないので、もしかしたらたまに迷惑メールがすり抜けてきたり、必要なメールが引っかかったりする場合があると思います。前者の場合は速やかに迷惑メール報告を行うとしても、後者の場合は気づかないと困ることもあるので、迷惑メールフォルダを定期的にチェックすることをオススメします。迷惑メールはアダルトサイトや出会い系サイトの下品なものが多いので、あまり見たくないという方も多いでしょうが、迷惑メールフォルダに粛々とたまっていくスパムメールを見て「業者乙!」とニヤニヤするつもりでチェックするのがいいでしょう。少なくとも、昼夜問わず携帯が鳴る、というのからは解放されたことについては心穏やかでいられるでしょう。

 また、これによってスパム対策のみならず「(お世辞にも使いやすいとはいいがたい)純正アプリを使わなくて済む」とか、「PCでezwebメールを送受信できる」という副産物もありました。迷惑メールにお悩みのauユーザーのかただけでなく、好きなメールアプリを使いたいとか、自分のような「スマートフォンやケータイの入力が苦手」な方も、これを試してみるのもいいかも知れません。