コーチの名和です。
WBCが盛り上がっていますね。
ブラジル戦の代打阿部選手の勝ち越し打、台湾戦の井端選手の土壇場の同点タイムリーと中田選手の勝ち越し犠打。
見ている側にするとドキドキして見応えある試合だったと思います。
それぞれの選手が役割を果たし、掴んだ勝利だと言えます。
もし負けていたら
「あそこで1本出ていたら・・・」
と悔やまれる試合だったと思います。
この3人はヒーローになったわけですが、試合後のインタビューで共通して言っているのが、
「あの打席のことは全く憶えていません。」
という感想です。
普段の何でもない打席と今回の大舞台での勝敗を左右する重要な打席では、プレッシャーがかかり方が全く違います。
先日のブログではプレッシャーがかかる場面で、自分やチームが望む結果を出すためには、普段からプレッシャーがかかる場面を想定して練習する必要があると書きました。
プレッシャーがかかる場面、緊張する場面で望む結果を出すためには、もう一つ重要なことがあります。
一振りで勝敗が決まってしまう場面で打席に立っているとき、
「変化球かなストレートかな・・・」
「中かな外かな・・・」
「もし変化球だったら・・・」
なんて、こんなことは全く考えていられません。
投げられたボールに対して無意識に対応することが必要になってきます。
この無意識の反応になると、どんなボールだったか、どんなコースだったか、どのようにバットを振ったのかということなど、全く記憶がありません。
打ったボールが変化球だったら無意識に変化球の打ち方になっていた、外のストレートだったらそのコースの打ち方になっていたから打てたのです。
ピッチャーが投げたボールは140km/hだったら約0.4秒でバッターの手元に来ます。
0.4秒の間にストレートか変化球か、外か内かなどタイミングを合わせて打つ必要がありますが、それを頭で考えて判断してバットを振っていたのでは間違いなく打てません。
無意識に反応できなければ、バッティングは上手くできないのです。
では、無意識に反応できるようになるにはどうしたらいいのか。
数やることです。
普段の素振りの練習からピッチャーをイメージしてストレートなのか変化球なのか、コースは外か内か、スピードがどれくらいなのかということを一振り一振りイメージして素振りの練習をすることです。
また、フリーバッティングなどもたくさん打ちまくって練習することが必要です。
数をこなすことでその動き、動作を身体が記憶するようになり、必要なときにその動作を意識しないでも自然にできるようになります。
これをわかりやすく説明すると、あなたが自転車に乗っている時をイメージしてください。
始めて自転車に乗ったときは身体でバランス感覚を意識し、ペダルを左右交互に踏むことも意識的にしていたはずです。
しかし、何度も乗っているとそのバランス感覚などを身体が覚えてしまい、ペダルを踏むことすら無意識に足が動くはずです。
そしてバランス感覚も身体が覚えてしまうと、ケータイをいじりながらでも自転車に乗れるようになるはずです。
また、横の道から人が突然飛び出してきたとしてもとっさにハンドルを切ったりブレーキをかけたりして衝突を避けることができるはずです。
これが無意識の反応になります。
自転車に乗るという動作も繰り返し乗ることで身体がそのバランス感覚を覚えてしまいます。
バットも毎日振り続けることで身体が無意識に反応するようになります。
では、どれだけ振ったらそのようになれるのか。
それはわかりません。
無意識で反応できるようになったとしても、それを維持するために何年、何十年も振り続ける必要があります。
一流のバッターになるためには数やることが必要です。
イチローなんかそうですよね。
狂ったように練習しています。
WBCで活躍している井端選手、阿部選手、中田選手も小さい頃から毎日アホみたいに練習してきたはずです。
プロ野球選手になりたい、チームで活躍できる選手になりたいと思うのであれば、毎日練習するという覚悟が必要です。
あなたのお子さんはそんな覚悟はありますか。
これは厳しいことではありません。
実力がある選手になりたいなら普通のことです。
練習への取り組む姿勢を身につけたいならこれです。
http://count23.jp/cou_advance_batting/index.html