コーチの名和です。
現役選手の頃、チームでは皆同じ練習をしているにも
関わらず、「どうしてあいつに出来て自分には出来ないのか?」
と、悩んだことがありました。
例えば、足が速い、遅いというは体力や筋肉の付き方、走り方で
決まるのかなと思ったらそうではないそうです。
あるトレーナーの話しでは、おぎゃーと生まれたときに
その子の筋肉の質が決まっていて、その時に足が速い、遅いが
決まってくるそうです。
いわゆる速筋、遅筋の量です。
それ以外にも打つ、投げるという技術もあり、
身体の小さい選手は短打で出塁してチャンスを作り、
身体の大きな選手は長打でランナーを返すという
イメージが一般的だと思います。
ヒットを打つことも持って生まれた素質によって決まるのかなと
思いがちですが、私はそうじゃないと思います。
イチローがメジャーで10年連続200本安打を
達成し、11年連続を逃したことはご存知だと思います。
マスコミはイチローは天才と報道していますが、
それをイチローはどう思っているのか、
本人に聞いてみたことがあります。
彼は自分は天才だとは思わないそうで、
「事を成し遂げた人に対して特別視するための
言葉じゃないでしょうか。」
ということです。
イチローに言わせれば、自分が望む結果を出すために、
惜しむことなく努力と準備をしているということです。
イチローがい言いたいのは、
才能で記録を残しているのではなく、
記録を出すだけの努力をしていると言うことです。
イチローが通っていた、
豊山町の空港バッティングセンターを経営している
前田社長には、私も以前からお世話になっていて、
イチローについて話しを聞いたことがあります。
イチローが子供の頃に空港バッティングセンターを
練習場にしていたと報道されてから、
親子でバッティング練習する人たちが増えたそうです。
イチロー親子はバッティングセンターが休みの
元日以外は、小3から毎日欠かさず通っていたそうですが、
イチローを真似て練習に来る親子は、
長くても3ヶ月が限界だそうです。
イチロー親子にしてみれば、
毎日バッティングセンターにい行くことは、
私たちが朝起きたときに歯を磨くのと同じ、
習慣になっていたようです。
朝の歯磨きは、寝坊したとか
おなかが痛いからといって
磨かない日はないと思います。
イチロー親子もそんな毎日の歯磨きの習慣の
ように、バッティングセンターに通って練習をしていたようです。
小学3年生から中学を卒業するまで、元旦の1日を除いて
7年間毎日です。
当時のイチローはプロ野球選手になるという夢があり
その夢を実現する(自分が望む結果)ために毎日練習を
していました。
その夢を綴ったイチローの卒業文集は有名ですね。
先日達成した、前人未踏の10年連続200本安打の
記録も、その記録を達成する(自分が望む結果)ために
イチローは毎日努力をしています。
イチローとしては、記録を達成するために毎日の努力を
しているわけで、それを「天才だから」という言葉で
記録の達成を言われるのは気分がいいものではないようです。(2年前にイチローと話したとき。)
愛工大名電野球部の元監督、中村監督がよく話すエピソードが
あります。
愛工大名電野球部合宿所の幽霊騒動です。
名電グランドは野球場と隣に陸上やサッカーが出来る
サブグランドがあります。
夜、合宿所の消灯時間を過ぎて
ある選手がサブグランドにバットを振りに出たところ、
遠くの木の陰で幽霊のような白い人影が動いている
を見つけたそうです。
その話を他の選手に話し、次の夜は数人で
それを見に行ったら、やはり遠くの木の陰で幽霊のような
白い人影が動いていたそうで、見に行った者たちは
腰を抜かさんばかりに合宿所に帰ったそうです。
それからサブグラウンドに幽霊が出るという噂は
野球部の中で騒ぎになり、ある夜、中村監督がその
幽霊のような人影を見に行ったら、
そこにはイチローがバットを振っていたというオチです。
イチローはみんなの前では練習をしていない振りをしていて、
実はみんなが寝てから一人黙々とバットを振っていたようです。
「天才」と言われても、実は見えないところでものすごい
努力をしているのです。
私が思うには、イチローは200本安打を続けるだけの天才的な
バッティングの才能があるのではなく、
200本安打を続けるための努力をし続ける才能があるのだと
思います。
私たちが持っていなくてイチローが持っている才能は「毎日、
自分で決めたことをやり続ける」ことではないでしょうか。
イチローには表には出ていない話しはたくさんあり、
それらには「気が狂ってるんじゃないか?」
と思うくらいの努力を感じます。
イチローはバッティングの天才ではなく、
努力の天才だと私は思います。
前出のイチローの卒業文集ですが、よく考えれば
小学校6年生だったら「プロ野球の選手になる」と
文集に書いても珍しくないですよね。
愛工大名電野球部元監督の中村監督の家にはもっと
すごいお宝があります。
愛工大名電高校入学前にイチローが中村監督宛に
送った手紙です。
その内容はとんでもなく感心します。
「だから、世界で活躍できる選手になれるのだな」と、納得できる
内容です。
また明日。
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