自分の能力を否定してしまう、人に利用されたり搾取されてしまう
こんにちは。カウンセラーの池内秀行です。人は傷つくとどうなるのか?人は傷つくと、その痛みを和らげたり無くそうとしたり、痛みを感じないようにしようと、いろいろな行動をとって痛みに対処しようとします。その対処行動は、傷ついたその時は役立ったものですが、それが定着してしまうと、傷ついた時と関係のない状況や人間関係にもそれが影響して、生きづらさとなっていきます。自分を守るための対処行動が、逆に、自分を傷つけてしまったり、人間関係やキャリアの問題をつくりだしてしていきます。特に、身近な友人との関係やパートナーシップ、結婚生活、仕事上の人間関係などに、その影響が、いろいろなバリエーションで悩みや問題として立ち現れてきます。自分の能力を自分で否定することもその一つです。人は傷つくと、自分の能力を信じられなくなり、本来の能力よりも低い成績や立場に止まってしまうようになります。完璧主義とは逆です。完璧主義が、どこまでも成功や他者評価を求め続けても満足できず、フラストレーションに苛まれ時に燃えつきてしまうのとは逆に、自分の能力を自分で否定している人は、自分の感じていることや考え、意見には価値があるとは思えないので、自分で決めることができなかったり、発言できなかったり、発言しても抽象度が高くて相手に伝わりにくい表現になったりするので、その結果、他人を自分より優位な立場においてしまい、自分は望んでいないのに、他人に振り回されたり、利用されたり搾取されてフラストレーションに苛まれていきます。自分で決めることが出来なかったり、発言できないでいると、他者の中には「もっと自信をもっていいよ」とか「はっきり言葉にして」とか言ってくれる人もいます。しかし、決められない・発言できないという、その影には傷ついた自分がいるので、本人にとって、それはとても難しく、言おうとしても生理学的な反応で身体が固まり声がでなかったり、勇気を出して言葉にしても、それを受け取ってもらえなかったり、軽んじられたり否定されると、さらに傷ついてしまいます。こうした状態が定着してパターン化してしまうと、気が乗らないことや嫌なことでも断ることが出来なかったり、自信のなさから、他者の言う事を優先させるようになります。本人を尊重せずに自分の都合を優先する傾向のある他者は、上から目線になり、どんな事でも何でもやってくれる人として、いいように利用したり、搾取したりするようになり、それが関係性の問題や現実的な問題をつくりだしていきます。誘われると断れず、行くといつも嫌な思いや損をする人間関係や、身近な関係でお金を貸しても返してと言えず相手の要求に応じて貸付額が増えていく金銭問題の背景には、こうした自分の能力を自分で否定する人と、それをわかって利用したり搾取する人との不健全な関係性がよくあります。また、自分の能力を自分で否定する人が、会社等のシステムの中で、リーダーや管理職、会社の跡継ぎなどで経営者になると、部下に振り回される関係になるか、逆に、ポジションパワーがその人を守ってくれることから、部下の能力や結果を評価しない厳しいリーダーや管理職、経営者になってしまうこともあります。何か資格をとっても実際の仕事をする自信がなくて資格を使おうとせず、さらにいろいろな資格を取ることで安心しようとする人もいれば、人間関係や仕事上の関係を何とかしたいと思い、いろいろ学ぶけどうまくいかないという人もいらっしゃいます。いくら資格をとっても学んでも、その成果や能力そのものを自分で否定しまうのですから、安心することができないのです。自分の能力を自分で否定するパターンを変えていくには、まず、あなたを尊重して大切に関わってくれる人たちと過ごす時間を増やしていきます。そうすると、結果として、利用したり搾取する人たちとの時間が減っていきます。ただ、利用したり搾取する人たちとの時間が減っていくと、そういう人たちは、いろいろな言い分や理由で、あなたを誘ったり、頼みごとをしてくると思います。そこで、断る、NOを言うチャレンジをしていきます。利用される搾取される状態が長く続いていると、最初、断ったりNOを言うのは難しいものです。また、そもそも、自分を尊重して大切にしてくれる人たちと、利用したり搾取する人たちの区別がつかなかったりします。そういう自分に気づいていたり、本当に人生を変えたいのであれば、カウンセリングを受けて、具体的な悩みや問題を解決していくサポートを受けながら、その区別の仕方、コミュニケーションスキルや自分と他者を区別するバウンダリィ(境界)の概念もカウンセリングなかで身に付けていくことをお勧めします。その方が急がば回れで、早く区別の仕方やスキルを身に付けることができます。もちろん、それとともに、自分で出来ることや出来ていることを客観的に評価して、自分の能力について適切な自己評価基準を育み、自己効力感や自尊心を育んでいくことが大切です。この適切な自己評価基準を育むには、客観的に、そしてご本人を尊重してくれる安全で安心感を感じられる関係性を築ける人の適切なサポートが不可欠です。カウンセリングはその一つです。適切な他者のサポートが必要な理由は、長く自分で自分を否定することに慣れていると、自分で自分を評価する力より、自分を否定する力の方が強く、自分を評価する力がついてきても、何か傷つきそうな場面になると、傷ついている自分を守るために、自分を評価する力を否定しまうからです。なにより、自分の能力を自分で否定することで、傷ついている自分を守ろうとしてきたのですから、それに代わる自分を守る術を同時に身に付けていかないと、今まで自分を守ってきた方法を自動的に使ってしまういます。そのようにして、自分を守り生き抜いてきたのですから、それは自然なことだと思います。適切な自己評価基準を育み、自己効力感や自尊心が感じられるようになってくると、自分の能力を自分で否定することで生き抜いてきた傷ついた自分に優しく光をあてられるようになり、癒しのプロセスも進めやすくなっていきます。自分の能力を自分で否定するパターンのある人は、自分で否定していても、客観的にみていくと、実はたくさん出来ること出来ていることがあり、ご本人の能力は無くなっておらず、本人の自覚がないところで、自分の人生を助けてくれているのです。そして、必ず、その能力に気づいていて評価している人が存在します。自分の能力を自分で否定していると、自分の能力を認めて、自分を大切に思い尊重してくれる他者の存在にも気づいていなかったりします。癒しのプロセスがすすんでいくと、身近にとても良い関係性を築ける他者が存在することに気づくことは、よくある話です。プロカウンセラー池内秀行プロカウンセラー池内秀行公式HPプロカウンセラー池内秀行のエグゼクティブセッション