(以下、統合失調症を投薬なしで回復できた一番のきっかけは沖縄の稲福薫先生のサイトです。私が感じていることが見事に言語化されていて、私は無我夢中で読み、必ず回復できることを確信して家族のカウンセリングに向き合いました。必要な方にこの情報が届きますよう願っています。)

 


自身の心と向き合うのも大変ですが、家族など身近な人が不安定になったときに向き合うのも、かなり大変だと思います。
また、最近はそういった境遇におられる方も多いのではないかと思います。
そんな方々の少しでも参考になれば・・・と思い、長くなりますが自身の体験を書かせてもらいます。




 

私も10年ほど前、大切な家族が深刻な状態に陥ったことがありました。
突然、にわかに信じられないようなことを言い始め、顔の表情もまるで別人のようにぼ~っとしていて食欲もなく、身体は痩せて小さくなっていました。このまま放っておくと死に向かうような形相でした。
自分は精神的なことに興味があり、カウンセリングの仕事をさせてもらっていますが、
 この時は、これまで感じたことのない恐怖と身近でそれを目の当たりにする側の切実な想いを経験しました。
(以下「Oちゃん」と呼びます)



 

ある日突然Oちゃんが、
 「自分が監視されている、追われている、狙われている」と言い始めました。
初めは何か事件にでも巻き込まれたのかと驚きましたが、よくよく話を聞いていると、現実にはあり得ないことが多く、もしかして幻聴や幻覚なのではないかと感じるようになりました。
 
Oちゃんは、基本的に四六時中自分のことを監視されていると言っていました。
家に盗聴器が仕掛けられていると言って聞かないとき、家族で何万円もする探知機を買ってきてみんなで家中を調べました。探知機は反応しなかったので、Oちゃんに大丈夫なことをわかってもらおうとしましたが、本人は目に見える世界と、そうでない世界とを感じているため、不安が消えることはありませんでした。
たとえ現実として盗聴器がないことがわかっても、自分の耳には四六時中、自分の言動を実況してくる声が聞こえるらしく、”やっぱり監視されている!”となるようでした。

 


 
症状は次第に悪化し、家に居ても”今から殺しに行くからな!”という声とともに、玄関の鍵をガチャガチャ開けるような音が聞こえたり、外出すればすぐ後から追ってくる気配を感じている様子でした。
そのときも、すぐに業者さんに頼んで玄関の鍵を変えてもらいました。
 私たちも、これでOちゃんが楽になるわけではないとわかり始めていましたが、少しでも、ほんの少しでも安心して欲しい一心でした。

細かく書くときりがありませんが、
Oちゃんはその声に言われるまま外出することもありました。
”いつ、どこで待ち合わせ”というように指示してくることもあったそうです。
もちろん、その場所に相手が来ることはありません。

 



 突然起こったOちゃんの異変に、家族は力を合わせ、心を合わせて、出来る限りのことをしました。
今から思っても何より凄かったのは、元々精神力の強いOちゃんが、そんな異常事態の最中でもなんとか自分で自分に起こっていることを解明し、回復しようと必死だったことです。
実際は私たちが気付く数カ月前から症状が始まっており、Oちゃんは一人でその幻聴と戦っていたそうです。幻聴が聞こえた時間と、何を言ってきたかを、こと細かくメモしていたのだと見せてくれました。


 

私は自分の人生をかけてOちゃんと向き合う決意をしました。
「10年捧げる!」と決めました。
それは、何事も10年真剣に向き合えば必ず成果が出ると信じているからです。

私はその間もずっとインターネットで幻聴・幻覚について調べていました。
すると、ある方のブログでOちゃんと全く同じ症状で苦しんだ記録が書いてあるのを見つけました。
そこで初めて、どうやらOちゃんは 「統合失調症」 という病気なのだと知りました。
さらに調べてみると、一般的には ”薬は絶対に必要” ”一生治らない” という認識であることがわかりました。

しかし

私の直感はこう叫びました。

「絶対に薬なしで治る!!」

確信でした。


つづく