カウンセリングでは、なぜ人が立ち直っていくのか。
その理由としてよく「吐き出せるから」というものがあります。
辛い話を吐き出すから、気持ちが楽になる。
確かにそれは間違いではありません。
でも、吐き出すというのはあくまでも吐き出すだけ。
そこにはあまり未来はない。
私はカウンセリングで、辛い話を毎日のようにお聞きします。
でもそれは決して「吐き出している」という感じではありません。
自分のことについて、自分の言葉で語っている、そういう姿です。
自分のことや自分の経験したこと、自分の気持ちや考え。
それらを自分の言葉で語っているのです。
自分は辛い、悲しい、寂しい、許せない。
何が悲しく、どう悲しく、なぜ悲しいのか。
それを自分の言葉で話しているんです。
それを「吐き出す」などと乱暴には捉えないことです。
また、ただ「吐き出す」につながるような
そんな聞き方をしないことです。
どれもが貴重な話、貴重な体験談です。
中には吐き出すことで楽になるから
「吐き出させよう」などと言う人もいます。
これも大いなる勘違い。
そんな発想で話を聞こうとすれば
クライエントは深く傷つきます。
吐き出すと語るの違い。
吐き出させると受け止めるの違い。
しっかりと心得て頂きたいことです。
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