◆ 「不倫を疑う照会」相手の住所漏らした銀行に慰謝料命令 | 不倫で慰謝料請求されてます

◆ 「不倫を疑う照会」相手の住所漏らした銀行に慰謝料命令

「不倫を疑う照会」相手の住所漏らした銀行に慰謝料命令
(「asahi.com」掲載記事原文バックアップ)

 南都銀行(奈良市)の女性行員に個人情報を漏らされて精神的苦痛を受けたなどとして、奈良県橿原市の女性が同行に330万円の損害賠償を求めた訴訟で、奈良地裁(東畑良雄裁判官=1日付で大阪高裁に異動)が情報漏洩(ろうえい)を認定し、慰謝料など55万円の支払いを命じる判決を出していたことが5日、わかった。行員は、夫の不倫を疑う元同僚から原告女性について照会され、住所と電話番号を教えていた。

 判決によると、元同僚の女性は03年5月、夫の持ち物から原告名義の南都銀行のキャッシュカードを発見。口座番号を書き写したメモを持って同行御所支店を訪れ、女性行員に「夫が浮気している。カード名義人の住所を知らせて欲しい」と依頼。原告女性の住所と電話番号を聞き出したうえで、電話で「夫と離れて欲しい。口座番号から家族構成や資産内容も分かっている」と伝えた。

 原告の女性は同年6月、南都銀行本店に調査を要請。しかし同行は3カ月後、「情報漏洩(ろうえい)の事実はなかったものと理解しており、調査内容についてはお答えできない」と回答した。

 訴訟で同行は「元同僚は、問い合わせの時点でカード名義人が原告女性だと見当をつけており、その確認に応じるために住所を知らせただけ」などと主張し、請求棄却を求めた。

 判決は「行員は、不倫疑惑の調査に協力する目的で法的に保護された原告の個人情報を知らせた」と指摘。銀行が調査内容を明らかにしなかったことについても、「原告の不安感を取り除くために、その結果を説明する義務があった」とした。そのうえで、一連の銀行の行為は不法行為に当たると結論づけた。

 南都銀行総合企画部は「判決には到底承服しかねる。控訴を予定している」とコメントした。

4月6日掲載