これは香水瓶の収集を始めて
何年目かの,
まだ妻が私のコレクションに大反対で
収集品についても疑っていた頃の話である。
町田のデパートの
「なんでも鑑定団」の鑑定士○○氏が鑑定!
と載っている広告を差し出し
「ここであなたの物、見てもらってよ!」
と妻が言いだした。
「あのナー、俺の物はそんなのに
見てもらわなくてもだいじょうーぶなの!」
「その人よりずーっと信頼できる人から買ってるんだから」
私は反対だったが、物はガラスである
怒って叩きつけられても困るので
ここは引き下がり、
妻の言い分に従った方が無難と判断し、
妻の運転でデパートのアンティークフェアにでかけた。
デパートの催し会場は人でごったがえしていた。
目的の○○氏は数人の主婦を相手に談笑していた。
私は○○氏に名刺を差し出し見て欲しい物がある旨伝えた。
「あちらで整理券を貰ってください、順番に受け付けてますので」
「今ちょっとお写真を見て貰えばいいですから」と言うと
差し出した写真を見てくれた
写真は私の持ってる物の中でも重要な3点を
1点づつ撮った3枚
まず「ガイヤ―ルのトンボ」を見せた
ニューヨークのMoMAではこれの複製を ショップで売っている
「これは蓋が違ってるんじゃないかな」
さもわかってるふうに装って言っていたが
私にはあてずっぽで言ってるのがすぐにわかった。
「この人、何も知らないな」と
「香水瓶展に出てた物を譲ってもらったんです」
「作品を売るために展覧会に出す業者もいますからね」
私がやっとこさ手に入れた物をぬけぬけと
最後のシレーヌは見せるまでもないと思い見せなかった。
彼はこの後何カ月後かに鑑定団をクビになったが
その後もあちこちで引っ張りだこの様である。





