TimeのSonny Clark Trioは絶品の音がする。 | 続・公爵備忘録

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ジャズ・オリジナル盤の音質追及とエリントンの研究。

Shure Type-4のキレ味が落ちてきたような気がする。針交換しようと思ったけど考え直して、長年使ったType-5MRに戻すことにした。

純正より格段に安いJICO製交換針をネット購入。


放置状態だったType-5のカートリッジを繋いで音を出してみると、アレっと驚くほど音が小さい。

壊れちゃったのか?という不安がよぎったけど、接点をクリーニングしてみたら見事に復活。シェルの接点が汚れていたか、サビていたかもしれない。とにかく直って良かった。


針が新品になったときに聴くレコードはいつも決まっている。


その中の1枚、TimeのSonny Clark Trio、モノラル・オリジナル盤


内容が素晴らしいのは言うまでもないですが、このレコードは音が凄い。音圧が非常に高く、力強くて迫力のある音がする。しかも深みがある音。

ピアノトリオのレコードは大好きで、数えたことないけど間違いなく1000枚以上聴いてきたと思う。しかしこんな音が聴けるレコードは他に知らない。

その意味で、唯一無二のピアノトリオ盤だと思っている。

 

残念ながら、YouTube動画でモノラルは見つからなかった。


ただ、このオリジナル盤には難しいところがあって、カッティングレベルが高すぎたせいか、ピークで音割れしちゃったように感じる部分がある。

所有盤ではほんの一瞬だけなんだけど、両面通して数カ所ある。他のオリジナル盤所有者によると、音割れはないという話もあるし、音割れするという話もある。

音割れの原因はプレス過多によるスタンパーの劣化か?あるいは傷んだ針で再生したことによる盤の傷みなのか?

いずれにしても発売から60年以上経った中古なので、個体差があるのは仕方のないこと。無傷の盤だといっても最良の状態とは限らない。ご自身の耳で確かめるしかない。オリジナルを入手しようと思っている方、ご注意ください。


セカンドになると、音の歪みを感じる部分は全くない。

ただ、オリジナルが持っていた音の凄み、深みもなくなっている。セカンドはキレ味が良くなって、少し明るい音がする。

所有盤はステレオだから、かもしれない。でもモノラルのセカンドは持っていないので判らない。持っているステレオ盤では、セカンドもそれなりに良い音だけど、オリジナルとはぜんぜん違う音がする。

昔は日本盤(ステレオ)も持っていて、セカンドと同じような音で、音割れもなかった。

あくまで筆者の主観では、オリジナル>セカンド=日本盤 という感じ。


もう一つのSonny Clark Trio、ブルーノート盤との比較もやっておきましょう。



RVG刻印あり、耳ありのオリジナル盤。耳に馴染んだスタンダード曲と、リズミックに躍動する演奏。世間一般には名盤と評価されているレコード。

聴きやすく、楽しめるレコードではあるけど、個人的にはTime盤に匹敵するほどの出来ではないと思っている。

内容はともかく、Timeのオリジナル盤が持っている音の凄み・深みは感じられない。世紀の大傑作・Cool Struttin'と同じ録音セッティングをして、管を抜いてピアノトリオの録音をしました、という感じ。

決して手抜きとか出来損ないという意味ではなく、録音で表現したかった音は何だったのか、焦点がボケたような音だと感じる。

 

全盛期のRVGは、管楽器の音が群を抜いて素晴らしかったのに対して、ピアノの録音では管の音に匹敵するくらいに素晴らしいと言えるレコードが思い浮かばない。個人的には皆無だと思っている。

他の例では、Duke Peasonのブルーノート盤も同じで、内容はともかく、音の魅力度ではPolydor(Jazzline)のAngel Eyesに及ばない。

以上をまとめると、2つのSonny Clark Trioの差は音の差。Timeのオリジナル盤は奇跡のような凄い音。RVGがエンジニアを務めたブルーノート盤とは比較にならない。

最後に筆者の入手価格について書いておくと、時期は2005年前後。Time盤が14万、Blue Note盤が8万、Timeのセカンドは2010年頃で40ドル。もちろん価格は盤質次第です。