カウンセリングサロン レモのブログをお読み頂きありがとうございます。
みなさんお元気ですか?
3月になってもまだ冬のコートが手放せません。><..
春が待ち遠しいです。
今月は、TCネットワーク(治療共同体ネットワーク)主催のエンパワメント・グループ研修に参加してきました。
(TC=Therapeutic Community)
依存症のためのエンパワメント・グループなのですが、依存症施設の職員だけではなく、介護、教師など様々な方の参加がありました。対面は50名ほど、オンライン参加の方もいらっしゃいました。
薬物、アルコール、ギャンブルなどのアディクションからの回復を目指す施設で使っているグループセッションの勉強会です。
私がこのエンパワメント・グループに出会ったのは1年半ほど前になります。
依存症の自助グループミーティングでは、「言いっぱなし、聞きっぱなし」の方法が広く活用されています。
ですが、欧米の治療共同体ではグループの中で発言者に対して質問をしたり、フィードバックをすることで、発言者をサポートするといった手法がつかわれているのです。
【治療共同体モデルは「仲間を助けることによって回復する」というセルフヘルプの力を、より効果的に引き出す仕掛けとなります】とテキストには書かれています。
最初のころはどんな質問をしたら良いのか分からなかったのですが、他の方の質問をよく聞いているとみなさんが、仲間の回復を支えるような質問をしていました。
決して相手を責めたり、「なんでできなかったんですか?」など問い詰めるような質問はしません。
「なにがあれば出来ると思いますか?」「それをどんな風にして乗り越えましたか?」
こんな感じで、発言者(悩みのテーマを出してくれた人)に対して共感したり、あたたかいまなざしを持ちながら質問していきます。
エンパワメント・グループでは誰も主導権を持ちません。ものごとの解決ではなく、ものごとを取り巻く感情の解決をしています。
最後にフィードバックを一人一人言うのですが、ここでも批判することなくただ感じたことや伝わってきたことを素直に発言者に伝えます。提案はしません。
この新しい手法に戸惑いました。
なぜかと言うと、私のやっているカウンセリングは一対一で、セラピストは自分が感じたことを言うことがないからです。
私自身、こういったグループ内でしかも知らない人の中で苦しみが変化するとは思えませんでした。
でも何回かエンパワメント・グループに参加しているうちに、みなさんの表情が変わってきたり、質問している私にも変化が起こり始めたのです。「このグループは何かがある」と感じました。
私が発言者の回復を助けているつもりだったのに、いつの間にか私自身の方が助けられているという現象が起きたのです。
私の感情が動きなにかが起きて、そのうち心にかかっていた雲が消えるような感じがして晴れ晴れとした体験をしました。
本当に雲ひとつない青空のようなすっきりした気持ちになりました。
今回は研修で参加した人たちでグループに分かれ実際にエンパワメント・グループをしてみました。
私たちのグループは、援助職が3名一般の仕事をされている方が3名、ファシリテーター&副ファシリテーターの全員で8名でした。
テーマを出してくれた人に、それぞれ質問してその答えを聞く。
発言者の方の感情もそれなりに感じることができました。
(エンパワメント・グループでは話した内容は外に持ち出さないルールです)
最後にみんなでフィードバックをして、発言者の感想を聞きました。
最初は怒りや悲しみや色々な感情が混じっていたようですが、だんだんと落ち着いてきて表情が変化していっているように見えました。
ご本人も心がすっきりして、気持ちが変化したことを教えてくれました。
私がこのグループセッションを見て思ったのは、安全な場所で話せることがまず大事。
そして信頼できる人たちがいること、
自分のことを思ってくれていると感じること、質問やフィードバックに愛があること。
これらがあると、傷ついた人の心は癒されていくのかもしれないと思いました。
グループの力、効果を強く感じています。
一対一のカウンセリングにこだわらず、なにか別のアプローチでも
それが癒しにつながるのなら、取り入れていこうかなと考えています。
【このようなお悩みをお持ちの方へ】
発達性トラウマ、愛着障害、心身の不調、依存症、アダルトチルドレン
人間関係全般のお悩み
カウンセリング、サイコセラピーを通して回復をサポートしています。
セラピーはIFS(内的家族システム療法)をベースに行っています。
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今日も最後までお読みいただきありがとうございました。