
先日、夫婦で養豚業を営む方の元を訪ねたら、
「とにかくかわいかよ」といいながら、豚舎に案内してくれました。
(もちろん、消毒等々した上で案内してもらいました)
そこにいたのは、まるで長袖のTシャツを着ているようにも見える
オシャレな(?)豚の親子たち。
全国的にも希少な種類の「ハンプシャー種」と呼ばれる豚だそうで。
伊勢湾台風のときに、アメリカから見舞いとして日本に贈られた豚のひとつだと、
その方は教えてくれました。
子豚の兄弟たちは本当にかわいくて、人なつっこく、
おじさんが手を伸ばすとすぐに寄ってきます。
一時期は周囲でも多くの養豚家の方が育てていたのだけど、
今ではもう、うち一軒になってしまった。と。
全国でも40~80頭ぐらいしかいないんだよ。と話すおじさん。
自らが育てた芋をエサに加えたり、
山林から葉を集めて寝かせ、ふかふかの床を作ってあげたり。
豚の肉質にも、育て方にも、愛情と誇りを持っているのがうかがえました。
いろいろお話を聞いたのですが、
「昔は出荷の時に、孫も車に乗せていきよったんだけど、
あるとき、「じいちゃん、なんで豚は連れて帰らんと?」って言われてね。
これは教育上よくないなと思って、孫を乗せていくのをやめた」。
という、おじさんがふとつぶやいた言葉が頭に残って離れません。
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別の養豚家さんのところにお邪魔したときには、
もっと小さい子豚を見せてもらい、あまりの愛らしさにキュンとしました。

こちらも愛情を込めて育てていらっしゃるのがひしひしと。

親子でやっていらしたので、いつ継ぐことを決めたのかを息子さんに聞いてみたら、
小さい頃から、昼間は豚舎の横の休憩部屋で過ごしていたし…って、
本当に自然にそうなったようなことをおっしゃられ。
確かにそうだな、と思ってみたり。
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また別のところでは、お父さんから代を引き継ぐときに、
豚の種類を全部入れ替え、自分が本当に納得した種類のものを育てていると、
それはそれは熱く語る30代の方に会いました。
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どこの方も、愛情を持って豚と接していて。
その一方で、商品としての肉質にも絶大の自信を持っていて。
野菜を育てる農家さんも、それは同じだし、
魚をとる漁師さんや育てる漁師さんもそれは同じ。
みなさん「いのち」を育てていて、
「いのち」をつなぐために、それを生業としていて。
私たちも「いのち」をつなぐために、それをいただいていて。
その重さは同じことなんですよね。。。
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つい先日、息子が言った
「豚とか鳥と、人間とどっちが大切?」っていう言葉をふと思い出しました。
生き物としてはどちらも大切なことにかわりはなくて。
だけど、食べなきゃ生きられなくて。
しかも、しぶしぶじゃなく、
おいしいって思いながら食べたりもしていて。
「いのちを食べないと、いのちはつなげない」
っていうことは、説明するのが本当に難しい。
言葉だけで説明しようとすると、どんどんウソになってしまいそうだから。
これから長い日々のなかで、
そういうことを一緒に考えていけたらいいなと思います。