そして、部屋の総面積が限られてくると、

ダイニングルームと台所は共有され、台所で作られたものは、

すぐ横のテーブルへと運ぶことが簡単になり、これも効率的になったといえる。

さらに、ダイニングキッチンの食卓テーブルには

一人一人の皿を置くスペースが制限されたことや、

効率化時代の流れを受けて、一人一人の器へ盛り分けて出す形が薄れ、

大皿より各自取り分けるスタイルが普及していった。

そのことは自己管理がしっかりできていないと、

食べ過ぎたり、好きなものは食べるけれど嫌いなものは食べないといった、

栄養摂取に偏りが出ることにつながっていく。

ダイニングキッチンは家族がくつろぐリビングルームの役割も果たし、

そこにはテレビが入ってくる。

テレビを見ながらの食生活が一般化していくことになった。

そうなると当然、テレビと向き合い会話はなくなっていく。

こうした背景を改めて考えると、

食そのものではなくて住環境が食事のスタイルを

すこしづつ偏ったものに影響していった一面もあると感じざる得ない。


外食は楽しいものだと流行りだした背景にも、

当時のウサギ小屋のような集合住宅から開放されて、

広く明るい空間で好きなものを食べたいという

欲求の高まりとちょうど上手く時代が合わさったのかもしれない。


 最近、若者向けの家具の売り場に、簡単なちゃぶ台を見かける。

1DKあるいは1Kといった狭い住宅に一人暮らしをするには、

折りたたみ式のちゃぶ台は効率的で、おそらく居住空間の中心を占めているだろう。

ただ、そこで見られる光景が、食卓としての役割は愚か、

誰かと食事をしたとしてもちゃぶ台を挟んでケイタイとにらめっこでは、

あまりに嘆かわしい。楽しい食事のために用意された食卓として、

元々のちゃぶ台のある風景を思い描いてもらいたい。






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