国道40号線沿いの和寒町の入り口に、
「身土不二」と書かれた看板を見かける。
「身土不二」という言葉は「医食同源」「薬食一如」とともに、
最近よく聞かれるようになった。
そこで改めて、辞書にはどう書かれているのだろうかと
広辞苑を探してみたが載っていない。
これだけ「食」への関心が高まる中で、
「食」の信条とも言えるこれらの言葉が
辞書に扱われていないことに不思議さを覚える。
このことを、「身土不二」の原則を海外へ広めた
桜沢如一氏や石塚左玄氏といった食養界の先人たちは、
さぞ嘆いていることだろう。
「身土不二」とは、「身体(身)と環境(土)とは不可分(不二)である」という意味で、
簡単に言うと「人と土つまり環境は一体である」
「人の命と健康は食べ物で支えられ、その食べ物は土などの環境によって育まれているので、人の命と健康もその環境とともにある」という捉え方である。
明治時代より、「身土不二」の健康論が唱えられていながら、
なぜ今になって注目されているのか。
高度経済成長を背景に「食」のグローバル化が進み、
ほとんどの食物を外国に依存している現状。
農業の効率至上主義によって、
本来の健康や本当の幸福が分からなくなってしまった現代。
そして根本の食生活改善が治療に欠かせないアレルギーやアトピーが急増しているなど、
「食」そのものの在り方に危機感を抱いてきたことの表れだといえる。
そう考えると、昨今関心が寄せられ、本誌でも幾度か書かせていただいた、
地元で採れた食材は地元で消費しようという「地産地消」の考え方や、
質の高い食材を提供してくれる生産者を理解し、
ゆったりと食事を楽しむことを進める「スローフード」の意義と基本的に変わらず、
これらの言葉の根源ともいえる。
続く・・・