駐車場で猫が鳴いている。

野良生活ですっかりみすぼらしくなってはいるが、猫種はスコティッシュフォールドと思われる。

結構お高い子である。

多くはそこそこの家庭で大切に飼われているだろうに。この子は捨てられたのだろう。

腹でも減っているのだろうか、不憫な奴だ。

たまたま、スーパーに行った帰りだったので、バッグの中には刺身が入っている。

半分やる。

恐る恐る近づいて来て、刺身をさらうように咥えて行く。

満足したのだろうか、すっかり鳴き止んだ。

じゃぁな、達者で暮らせよ。

そう声をかけて、俺はその場から立ち去った。