精神が擦り減る小説です.
同著者の「沈まぬ太陽」から続けて読み始めたので,混ざります.回想から始まるなど,形式もちょっと似たとこありますし.
太平洋戦争中,大本営作戦参謀だった主人公・壱岐正 (いき・ただし) は,終戦と同時にソ連軍の捕虜となり,過酷なシベリア抑留生活を送ることとなってしまいます.強制労働.
11年にわたる捕虜生活の後,帰国.近畿商事に入社し,商社マンとして第二の人生を歩み始めます.
物語はその近畿商事に入社するところから始まります.ただ,そこからひたすら,回想シーン.
1巻の2/3程は,シベリアにおける捕虜生活の話です.
これがまあ,過酷極まりない.
読んでて,神経の芯みたいなとこをゴリゴリ削られていくような感覚になります.人間性なんてもんはあったもんじゃない.
僕は行き帰りの電車で読書することが多いんですが,朝,行きに読むと,一日暗澹とした気分になってしまいました.
そんな重い回想はさっさと過ぎ去ってしまいたかったのでがんばって読みましたが,途中何度か挫けそうになりました・・・.
壱岐さんは戦中,超エリート軍人だったわけで,その作戦立案力や組織力なんかを買われて近畿商事に入社するんですが,慣れない仕事でなかなか本領を発揮できません.
せっかく生きて帰ってきたのに.はやくカッコイイとこみせてくれないかなぁ,というあたりで1巻は終わります.
小説としては面白い (まだ始まったばかりなんで,たぶん) んですが,ちょっと人にはお薦めしかねます.この重苦しさに耐えられる方じゃないとなぁ.
録画してためといたドラマも,そろそろいいかなという辺りで第一話だけ見てみましたが,あっさり抜かれてしまいました.シベリアパート,すっ飛ばし過ぎ.まあ,あの過酷なシーンを長々やられても困りますけどね.
細かいとこは多少変えてるものの,全体的に小説にかなり忠実です.セリフがそのまんまのとこもありますし.キャストも良いです.
視聴率はイマイチのようですね.僕は面白いと思いますけど,確かにあの重苦しい感じは今の時代流行らないだろうなぁ.
