数学ガール/ゲーデルの不完全性定理 | cotameba
数学ガール/ゲーデルの不完全性定理/結城 浩





シリーズ3作目.テーマはロジック.
これまでの作品は,高校数学の延長というか,僕も馴染みのある内容でしたが,今回はほとんどが初めて聞く内容.それだけ新鮮でしたが,論理式はどうも慣れないなぁ.しかも意味は考えないっていうんだからややこしい.けどこれまで同様,説明はかなりわかりやすいので楽しく読むことが出来ました.


自然数の定義なんてのは,そんな発想したことすらなかったですが,まあそういうことかと納得できます.
「数学を数学する」,メタ数学.こんな話になってくると完全に発想外.そこまで厳密なのかぁと嘆息するばかり.


「論理的思考」というのはちょっとしたブームになっているようですね.企業の就職試験なんかでも試されるようです.友人から聞いた話ですが,いわば「風が吹けば桶屋が儲かる」的な話を,いかに「論理的」に説明できるかをみるのだとか.
この本を読むと,巷間で言われている「論理的思考」というやつがいかに薄っぺらいものかがわかります.単なるこじつけにどれほどの意味があるというのか.定義はどうなっているのだ.定義できない曖昧な事柄に論理を当てはめることなんてできないでしょう.


作中でテトラちゃんが,論理式は静かだ,みたいなことを言ってます.共感です.


困難にぶつかったとき,立ち止まったり引き返すのではなくて,概念を拡張することで乗り越える.
そこに崖があるなら,空を飛べばいい.
なるほどなぁと思いました.
物理や化学でも同様に言えることですね.


最後の章はこの本の核心部分.副題にもなってる,ゲーデルの不完全性定理.難解です.
中断したら絶対にわからなくなると思い,とりあえず一気に読んだんですが,さっぱりついていけませんでした・・・.本を読んでて頭が痛くなったのは久しぶりだ.
まあ一度で理解しようなんてのは無理な話なんで,しばらくしたらもう一度読み直してみようかと思っています.(4作目が出るようならその直前にでも)