The Hidden Fortress | cotameba
隠し砦の三悪人<普及版> [DVD]


純粋に面白いです.映画観たー,という感じになれます.
以下,絶賛します.

クロサワ映画はこれまでにも何本か観ていますが,この映画はその中でかなり面白い部類に入ります.
昔の映画なのでストーリーはたしかに古臭いところもありますが,プロットやキャラクターの設定が素晴らしいです.
ほとんど全てのシーンが後の伏線になっています.観ていて,うなりっぱなし.思わずニヤリの連続.うまいなー.
少ない登場人物で,これほど豊かな内容の映画を作れるのかと思うと驚きです.

やはりこれも昔の映画というところからきていることですが,「絶対にCGではない」という安心感があります.そこから生まれる迫力といったらもう,圧倒的です.

映画の中盤,騎馬武者に見つかってから槍の一騎打ちまでのシーンは特に素晴らしいです.そこだけでも観る価値は十分にあると思います.
馬のシーンはどうやって撮ってるんでしょう.CGじゃないどころか,おそらくスタントですらないと思います.今でも撮るのが難しいんじゃないでしょうか.
一騎打ちのシーンは,槍の殺陣としてはこれ以上のものは作れないと思います.ものすごい緊張感.
三船敏郎さんの存在感というか威圧感というか,あれは何なんでしょう.絵になるよなぁ.

槍のシーン以外でも,殺陣は見所のひとつです.僕は特に「発想」が素晴らしいと思いました.
例えば後半,足軽に見つかるシーン.
一行が足軽2人に見つかって,一瞬ピンチに陥ります.
そこで六郎太 (三船さん) がどうするかというと,相手が抜く前に間合いを詰めて,腰に差した刀を先にさっと抜いて捨ててしまうのです.戦っていないのに,六郎太がものすごく強い奴だということがわかります.
こういうのは殺陣の上手い下手というよりは,「発想」が優れていると感じます.

余計なBGMがないのもいいです.(最近の映画は感動を煽るためかなんか知らんが,とにかくうるさすぎる)
無音は緊迫感を生むんですね.


この映画は,「スターウォーズ」のモデルにもなった,などと紹介されることが多いと思いますが,観た後の僕としては,この紹介のされ方は心外というか,非常に残念でならない.そもそもスターウォーズ「程度」の映画と同列に扱って欲しくないですし,この紹介だとどうしても太平 (千秋実) と又七 (藤原釜足) の掛け合いに目がいってしまいます.この掛け合いは十分面白いんですが,観るべきところはそこだけじゃないだろ,という気もします.

ついでに言うと,最近「リメイク版」も制作されました.こんなに完成度が高くて面白い映画をリメイクする意味が分からない.それなら「オリジナル」を再上映するべきかと.
どれだけヘボくなったか観てみたい,という意味でこの「リメイク版」にも興味はあります.


昔の映画なのでちょっととっつきにくいですが (僕もそうでした.モノクロだしね),見始めたらどんどん引き込まれて,あっという間.文句なしに面白いです.一見の価値あり.