大学受験のTOEFL導入について | Black Swan - 国際人養成所

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お手伝いの予定だったWellingtonプロジェクトが本番稼働してサポートに忙殺されてるためブログの更新もままならないんですが、いつの間にか次のフェーズの開発要員に組み込まれていてこのままズルズルとあと2ヶ月くらい平日出張が続きそうな感じです。。。でも、今は必要とされていることが嬉しいので、あまり先の事は考えずにキウィ流の仕事のやり方に慣れることを優先してます。働き始めて3ヶ月近く経とうとしてますが、英語のブレイクスルーは起きてないですね~(泣)。早く嬉々としたご報告をできるようになりたいものです。


さて、今日はいいめえるさんがFBでシェアされていた興味深いニュースを取り上げてみたいと思います。

英語できない議員がTOEFL推進 池田教授あきれる

実は「英語で授業は成功するか?」という少し前の記事の中で提言した「英語スピーキングの受験での採用」と方向性は同じなので「TOEFLを大学入試に取り入れる」という突拍子もないアイデアには個人的には賛成です(卒業資格にする必要はないと思いますが)。もうずっと昔から問題視されていて結局今でも何も変わっていない日本の英語教育を改革するためには、痛みを伴うであろう大胆な案が必要です。なので、高校英語をTOEIC 650程度の英語教師が何の準備もなく英語で教えるというアホな改革案よりも、TOEFL導入の方がよっぽど根本的な環境の変化を高校だけでなく初等教育、大学、ひいては日本社会全体に起こせる可能性があると思うんです。

でも、このニュースを読んでがっかりするのは自民党が行ったこの提言に対して週間朝日いわく「英語がうまい」部類に入るはずのTOEIC反対派の大学教授達から何の対案も出ていない点です。相手の批判だけしておいて代わりの提案ができないということは現状を肯定していることに他なりませんが、英語教育を考えるべきこれらの大学教授達は今の日本の英語教育に問題がないと思ってるんでしょうか?もし思ってるんならこいつらただの給料泥棒です。自分本来の仕事を放棄してるに等しいでしょう。

挙げ句の果てに「学校教育だけで英語が話せるようになると思うのは幻想」なんて詭弁で議論をすり替えようとしているところも許せません。この部分を読んで「そうだ、そうだ!」と思われた方は人に騙されやすい傾向があると思われるので気を付けてください。

今問題になっているのは「他の非英語圏の国と比較して日本人の英語レベルが低すぎる」というマクロの問題で、これに対して国の教育や制度をどうすべきか?という日本人全体の英語力の底上げを課題として取り上げているのです。昔から英語が好きな人は学校教育以外に英語に触れる機会を見つけて、独自の工夫をしながら上達してきました。今だって個人レベルでその点は同じです。
じゃー十分な英語を話せる日本人が昔に比べて増えたかというと、他の国(特にアジア)の世界への進出が増加していることもあり、日本人の相対的な英語力は低下する一方だと感じます。英語を話す国民の分母を一気に増やすためには国として教育への介入が不可欠であり、「本人達の努力次第」云々という反論は完全にポイントを外しています。

さらに、これは週間朝日のバイアスかかった見方だと思いますが、「英語を話せる教育を学校現場に導入しようという議論に賛成の人は、総じて英語が苦手で、反対の人は総じて英語が上手い」って煽り方、提案者である遠藤議員が英語が苦手な人であることって提案内容に何の関係もないですよね?っていうか、英語ができる人が今まで英語教育を指揮していたからこの体たらくなのでは?という気もしてきました。
考えてみるとこの「英語が上手な人」達って、圧倒的に英語が苦手な日本人の中においては既得権益なわけです。だとすると、現状を正当化して改革を拒否する姿勢も少し納得できます。だって、みんなが英語を話すようになると自分達の価値が薄れちゃいますもんね。
┐( ̄ヘ ̄)┌

TOEFL導入が最善策かどうかわかりませんが、もっと他に良い案が出せないのであれば単に批判して潰そうとするのではなく、このTOEFL導入を効果的にするために何をどう解決していく必要があるのか専門的立場から考えるというのが英語教育に携わる大学教授達の取るべき態度ではないでしょうか?僕が素人目に見ても以下のような課題と解決策があると思います。

1教えることができる人材の確保
国内の英語教師でTOEFLを教えることができる人材は残念ながらほとんどいないでしょうから、国外の教育期間と提携して外国人英語教師を大量に採用できるようビザの要件を大幅に緩和することが必要だと思います。高校ではTOEFLが中心になりますが、その前段階の中学校や小学校でも外国人教師による英語での授業を増やす必然やニーズが出てくるはずです。別にTOEFLだけでなくても構わないので、似たようなフォーマットのIELTSも加えればイギリス英語圏の国との提携も広がってくるでしょう。
現在の英語教師は慣れない英語での授業などで無駄に神経をすり減らすのではなく、英語授業についていけない生徒達のサポートに徹すれば全体の底上げに貢献できると思います。また、英語に関しては教職の資格要件を見直して、帰国子女や海外在住経験がある人など生きた英語を話せる人材を採用できるようにすれば人材不足解消の一助になるはずです。

2ETSとのルール決め
TOEFLの受験料は日本だとUS $225みたいなので何度も何度も受けれる程安くはないですよね。裕福な家庭の子だと試験慣れして良いスコアが取れるまで何度も受けることができる、といった不公平があるのも問題ですが、本気でスコアを上げたい子が受験する機会を制限するのも逆の意味でフェアではありません。各大学の定める期限が同じ時期になるとその直前に受験者が一気に増加するはずなので、採点者の体制を整えてもらっておく必要もあります。国レベルの入学試験でTOEFLを採用するケースは初めてになるはずなので、様々な事項をETS(TOEFL運営機関)側と調整して特別なスキームを構築していく議論が必要になります。

3大学の授業・研究の質向上
大学入学時点で多くの受験生がTOEFCやIELTSで日本の大学に入学できる程度のスコアを取れるようになっているということは、その子達にとって選択肢は日本の大学だけでなくTOEICやIELTSのスコアを要件にしている世界中の大学に広がることになります。既存の大学は優秀な学生を確保するためにカリキュラムをいかに魅力的なものにするか、血眼になって質向上に努めるようになるでしょう。それでも、多くの学生は自分の力を試すために海を渡り、かなりの大学が淘汰されてしまうと思います。
でも、それはそれでいいんです。英語教育の改革は子供達の可能性を世界に向けて広げるための第一ステップであり、彼らが本当に日本を飛び出して様々な価値観に触れ、最終的には世界で活躍するようになることが目指すべきところだからです。


前回もそうでしたが、英語教育の話になるとついつい熱くなってしまいます。本当は英語教育の現場にいる人や指針を作る人達が、人の揚げ足取りばっかしてるんじゃなくて僕なんかより熱く前向きな議論をしてなきゃなんないはずなんですが。。。
日本の英語教育、マジやばし!( ̄Д ̄;;


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