海が外泊できるようになり、1年前を思い出す
 
 
病院に行くきっかけは、首にできたシコリ
 
 
なんかすごく胸騒ぎしたのを覚えている
 
 
無理矢理、病院に行かせた
 
 
通院中は毎晩みんなが寝静まってから、病気の勉強をした
 
 
入院し1クール目が終わったころには寛解し、ケモで維持させるつもりだったので正直そこで気が抜けていた
 
 
が.....
 
 
寛解どころか3割しか減っていない
 
 
プロトコルが追加される度、3割ごとしか減らない芽球
 
 
恐かった
 
 
あのシコリができた日と同じ胸騒ぎがした
 
 
そしてまた移植のことを調べはじめた
 
 
それからしばらくして海が移植を決めた
 
 
その数時間前、海は私に聞いてきた
 
 
『どうしたら、いいと思う?』
 
 
いつも考えていたこと
 
 
この人の命が、私の答えによって決まる
 
 
今、その時が来たのだと
 
 
ある程度決めていたと思うが、この人は一押しが必要なんだと
 
 
絶対に正しい答えなんて見つけられない
 
 
もしかすると思い描いていた結果と掛け離れるかもしれない
 
 
でもこの人が一人で決断するには重た過ぎるなら、私がはんぶんこにしてあげたい
 
 
『移植した方がいいと思う』
 
 
私は海にそう伝えた
 
 
ま、今までの重要な事はどうしたい?って聞いてくるんやけどね
 
 
正直、今でもわからない
 
 
ただこの人を助けたい、失いたくない
 
 
それだけは今もずっとかわらない
 
 
それは、みんなが思っているということも含めてだと