突然の災難になす術もなかった。

とにかく手術しなければ。

夏の暑い日、遠くで花火の音が聞こえていた。

遠のく意識の中で、幼少時代を思い出していた。



笑顔溢れる家族、ジョン(犬)。

楽しそうに遊んでいた。

そこには亡くなった母の姿もあった。



ある大雪が降る日、父にお使いをたのまれ、近くの店にいった。

夜遅く、凍った雪で滑ってしまい、300円を落としてしまった。

どれだけ探しても、見つからない。

帰ったら怒られるだろうなぁ。

父は厳格そのもので、小学2年生の私には怖くてしかたなかった。

1時間しても帰らないので、心配した母が探しにでた。

家に戻るのが怖くて、ジョンの犬小屋で一緒に寝ていたのだ。

母の前で泣いていた。








夢から覚めると病室にいた。

まだ暗く深夜かな。

意識が戻った瞬間、激痛に襲われた。

あぁ、手術したんだ。

どうなるんだろう。

痛みに耐えながら、涙が止まらなかった。