私は読売新聞を取っている。

年が明けてからしばらくして、読売で『男ごごろ-「らしさ」を超えて』という連載が始まった。

(この連載には、「離婚裁判」の荘司先生も登場する)


http://www.yomiuri.co.jp/feature/otokogokoro/


この6回目で、「仮想的有能感」という概念を扱っている。

内容は、最近の若者が、就職できない理由を「ばかな会社ばかり」と会社のせいにしたり、自分の周りはみんな「バカばっか」といいい、自分よりも「だめな人」を探し出して、見下すことで安心感を得る若者の話だ。

さらに、こうした無意識に他人を見下すことで、「自分はエライ、有能だ」と思い込むことを「仮想的有能感」という、と説明する。

これって、モラじゃん。


うちの夫は、高校は都内の3流高だったらしいが、2年浪人して頑張って国立大に行き、院まで出て、大手メーカーに就職した。学校も出してもらい、ずっと親元から会社に通っていたのに、こうしたことも全部自分の努力の成果だと思い、会社に入ってからは結構浮き足だっていたらしい。上司に注文をつけたりしたことから、出世がままならなくなった。

当時の私は同じ会社にいながらよく分かっていなかったが、冷や飯を食わされていたらしい。私と結婚してからも、こういい続けていた。「会社のやつはバカばっか」


そうした自信のなさを、私を思うように操り、思うようにならないと蔑み、馬鹿にし、無視することで解消していたのかもしれない。


そう思うと、そこに甘んじていた自分自身に腹が立ってくる。


モラ・マーカーみたいなリトマス試験紙があって、会社が人を雇ったり、誰かと付き合ったり、結婚するときに相手がモラかどうか、すぐに分かればいいのに。


でも、夫と知り合った当時の23歳の私は、モラや自己愛型人格について知らないばかりか、人は年齢とともに成長するという性善説にバリバリ満ち溢れていたんだから気付かなくてもしようがないか。。。


愚かだったなあ。。。