今日はハロウィン。

例年なら、扮装した子供達と自宅から坂を上った、外人用マンションとおしゃれなブティックが立ち並び、土日はハイセンスな若者であふれ帰るエリアで行なわれるハロウィン・イベントに参加しているはずだった。


何十箇所ものスポットに用意されたお菓子。

地図を見ながら袋いっぱいにお菓子を集め終わるころにはとっぷりと日が暮れている。

親しい友人親子も連れて自宅に帰り、家で夕食を共にする。


ハロウィンと言えば、そんな1日だったから、こちらにきても、子供達はワクワク感を隠さなかった。


しかし私は仕事に追われていたし、家にあったハロウィン・キャンドルをはじめとするたくさんのハロウィングッズはすべて東京の自宅に置いてきてしまっている。


「ごめんね。今年はハロウィンできないわ。変装したってこの辺じゃ回る家もないし。」


代わりに少し早めに仕事を切り上げて、近くのスーパーにお菓子を買いに行くことにした。


野菜売り場をふと見ると、ハロウィンを意識したのか洋かぼちゃが丸ごと置いてある。


急遽、これを買って帰り、ジャック・オ・ランタンを作ることにした。


硬いままのかぼちゃをくりぬくのは大変なので、ホイルで二重まきにし、2時間近くオーブンレンジで加熱する。

中身はくりぬいてホイップクリームをかけて子供達のデザートに。


目と口を抜いて中にキャンドルをともすと、あっという間にジャック・オ・ランタンの出来上がり!

明かりを消すと子供達がシーツをかぶって「トリック・オア・トリート!」とはしゃぐ。


子供達が口々に、

「よそを回るハロウィンもいいけど、こんな風に家でやるのも楽しいね」

「ジャック・オ・ランタンの作り方って良く見るけど、実際に作った家はそんなにないと思うよ」

「来年もやろうね!」


と嬉しそうに言った。


こっちにきてから、休みやイベントが訪れるたびに東京の方がよかったって思われないように、と力を入れてしまっていたが、こんな手抜きでも子供はそれなりに楽しんでくれるんだ。

なんだかちょっとほっとした。