私は思う。倒れるべくして倒れたし、
ちょうどいいタイミングで倒れたんだと思う。

まだ体力もあるし、ひどく辛い経験ではあるけれど、まだまだ気力もある。
断薬の失敗は、それはもうとても言葉に表せないほどの経験だった。
麻薬をやめる人の苦しみがわかるけど、向精神薬を抜くことはそれ以上に大変だという意見も多い。

私はがんばりすぎたのだ。
いったい一日睡眠薬を4錠も飲んで体の調子を悪くして、何のために働いていたのだろう。
どうして、そんな無理をしている危険性にも、体の警告にも気が付かずに働いてきたのだろう。
でも、私はラッキーなのだ。なぜなら生きているから。そして励ましてくれる両親も居る。友人も居る。そしてやり直せるチャンスがあるのだ。

倒れてよかったと思う。

自分にも、人にも厳しかった。というより、自分を犠牲にするのが美徳だと考えていたのかもしれない。
離婚以来いい子であるために、自分の意見を本当は我慢していたと思うし、本当の気持ちややりたいことにウソをついてきたんだと思う。

私は思う。今はただ自分色の綺麗な花を咲かせたい。
ある人は、その昔、私を高原に咲く、めずらしい小さな花、と言ってくれた。

でもそんなことも今はどうでもいい。それは他人から見た私のイメージに過ぎないから。

私が癒されるのにはすごく時間がかかるだろう。
そしてそれでいいと思っている。それでいいのだ。
標準的なスピードで癒される必要も、急激に癒される必要もない。

私は、45才くらいを目標に、本当の大人の女性になれればいいな、と思っている。
そして、本当の大人の女性になろうと決意している。
そして、自分なりの美しさでそのときは大きな花を咲かせたいと思っている。
白い花がいい。できれば大きな花びらがいい。派手でなくていい。穢れがなくて純粋ではあるけれど、はっとするような微かなかぐわしい香りと、大人のさりげない女らしさと、優しさがただにじみ出るような、そんな人になろう。