前回は extinguish ex-外に tinguish 突き出す → 消滅させる
を取り上げましたが、もう一つ 「つっつく」sting があるのが
distinguish  dis-離す sting で「つっついて区別すること」

distinguish a fox from a dog  (犬ときつねを区別する)
「つつき分ける」んですね。

で、他の人から「つつき分けられた」人は「ずば抜けてる人」
a distinguished engineer 「ずば抜けて優秀なエンジニア」

この「つっつく」のsting かなりの意味の広がりをもつ語ですが、日本語のイメージにも近く「イモズル式」でどんどんおぼえられます。

まず、sting 「刺す」は

A wasp stung his head. (スズメバチが彼の頭を刺した。)
「刺す」は日本語でも人の心を「刺す」「刺し貫く」といいますが、
be badly stung by the criticism (批判にひどく傷つく。)
と心をsting されるのは英語も同じ。

sting は「刺す」stickの基本は「つく」ですが、この2つはほとんど兄弟みたいなもの。
まず名詞は stick 棒、a drum-stick (太鼓のばち)、ついでに車のマニュアル車は stick shift 。ギヤのstickを操作するからですね。

で、stick(棒)は「つつく」もの。そこから動詞は

He stuck his arm out of the window.( 彼は窓の外に腕をつき出していた。)
○突き→出す.
stick a stamp on (to) the envelope (封筒に切手を貼る.)

○つく→つける
stick の糊って「棒」だからstick? 「くっつく」からstick?これはまだ謎。どっちもかけてるんでしょうか?
Be careful not to stick your finger with [on] the needle.( 針で指を刺さないように。)

○つく→突きさす
これはもう sting とほぼ同じ。入れ換え可能です。

そして「くっつく」から、

Chewing gum stuck to the bottom of my shoe. (チューインガムが靴の底にくっつく。)
さらに比喩的な意味にも使われて、

He still sticks to his ideas.(彼はまだ自分の考えにこだわっている。)

そして、「つつかれて、追いつめられる」と「動きがとれなくなり」「困ってしまいます」

The car was stuck in the snow.( 自動車は雪の中で立往生した.)
I was stuck by her question. (彼女の質問には手こずった.)

sting されて困る感じも stickは共通。stingの方が「心にグサリ」の感じがあります。

ということで、
         くっついてこだわる
                          ↑
stick 棒→つつく→つついてくっつける→つついて突きさす→
                         ↓
        くっつけられて立ち往生

sting 刺す→  心を刺して苦しめる

と、イメージをつなげてマスターしましょう。