日本人の英語(6)で、英語を話すのはピンキリ、簡単な意思疎通は難しくないってお話をしましたが、ピンの方を見ると, speaking はとっても難しいです。

 

 英語の4技能は、

      

      Reading  Listening

      Writing   Speaking

 

 ですが、この Reading , Listening は「受け身」の技能です。目から耳から入ってくる英語の情報を頭で処理する活動ですが、

 

  Writing  Speaking  

 

 は、自分で英語を選んで、組み立てて、自分で発信するのですから、ずっと難しい「技能」です。

 

 第2言語習得でも、母国語と同じように、まず大量の英語のinput  が必要というのは定説になっています。

 

 さらに writing は書いたことが相手に伝わるまでに見直しや訂正もできますが、speakingはいったん口から出た言葉は相手に直接伝わります。「取り消し!」って言っても手遅れ。

 

 その上、何より speaking は生きた、感情を持ち性質もさまざまな生身の人間を相手に communicate するのですから、その時その時で相手の状態も考えながら言葉や表現も選ぶ必要があります。

 

 英語は「いいたいことをストレートに表現する言葉」と言われますが、論理の組み立ては確かに主張を前に出して論理展開していきますが、相手に対する「丁寧さ」の使い分けは、表現でも時制でもはっきりとあります。

 

 私も外国人の先生と話すときに、「いいにくい」こと言わなきゃいけないときには、たちまち「アワアワアワおーっ!!」ってなっちゃいます。

 

歴代のアメリカの駐日大使で、日本で生まれ、日本人と結婚し日本人以上といっていいほどきちんとした日本語を話せた、Ediwin Reischaer 博士も、正式な外交交渉では必ず通訳を介したそうです。

 

 これだけの条件をクリアーして、相手を論理的に説得したり納得させたりするのが「ピン」のspeaking ですから、究極の skill と言えるんじゃないでしょうか。