『花のように、生きる。』
二人の若い禅僧の話がある。
あるとき、
二人の禅僧が川を渡ろうと岸に来た時、
一人の若い女性が向う岸に渡れなくて困っていた。
すると見かねた一人の禅僧が、さっさと女性を背負い、
向う岸に渡って下ろし、
何事もなかったようにまた歩き始めた。
その一部始終を見ていたもう一人の禅僧が、
「お前は修業中の身として、
女性を背負ったりして恥ずかしくないのか」となじった。
すると、女性を助けた禅僧は、
「お前はまだあの女性を背負っているのか」と答えたという。
「放下著(ほうげしゃく)」という禅語がある。
こだわりを捨ててしまえ、放り投げろということだ。
我々は、色々なものを後生大事に抱え込んでしまう。
「こだわり」「しがらみ」「嫉妬(しっと)」
「妬(ねた)み」「恨(うら)み」「怒り」「憎しみ」…。
「今泣いたカラスがもう笑う」という言葉がある。
子どもは、
泣いていても、面白いことがあれば、
すぐに機嫌を直して笑う。
子どもはこだわりがないから、
大人のようにうじうじと前の感情を引きずらない。
子どものようなしなやかな感性を取り戻したい。