天の運、地の利、人の支援】
小林正観さんの心に響く言葉より…
人が何かことを成したとき、
そこには「天の運、地の利、
人の支援」の3つが必ず存在します。
自分の実力や才能、才覚、努力で到達できるのは、
自分がこれを成そうと決めたことの9割くらいまで。
あとの10%は、天運と地の利、
人の支援のいずれかが欠けても達成できない。
例えば、高校野球を例にとってみます。
本人には非凡な打撃の才能や
150㎞を超す剛速球を投げる肩があるとします。
しかし、甲子園に出て活躍するためには、
対戦の運、天候の運もあれば、
ゴロのちょっとしたイレギュラーバウンドもありますし、
また、自分がどんなに秀(すぐ)れていても
仲間が打って守って勝ってくれることが必要です。
自分の“実力”だけではどうにもならない。
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プロ野球のスカウトの人々は、
その選手の実力もさることながら、
持っている「運」にも注目しているようです。
こうした「運」、
つまり幸運とか強運とか呼ばれるものは、
3つのものから複合的に生み出されるような気がするのです。
その3つとは、
感謝する心、 明るい心、 そして誠実さ。
明るい心とは、
どんな苦境でも夢や希望や展望を失わない心のことで、
冗談やジョークが多くて楽しいというのとはちょっとちがいます。
「感謝の心」について言えば、
自分が何かを成すことができたのは
「天」や「地」や「人」が味方してくれたからであって、
全てが自分の力(実力や才能)でできたわけではない、
だからそうしたものに感謝する…。
そこを理解できている人は、
いつも「天」や「地」や「人」に感謝しているから、
決してうぬぼれることがない。
空海は「天才」と呼ばれる一人ですが、
この空海が座右の銘を持っていたというのです。
その言葉とは、「己の長を説くことなかれ
他人の短を言うなかれ」というものでした。
「自分の長所を、どうだすごいだろう、
と説明するな。他人の短所を口にするな」と言う意味です。
空海のようなすごい人であっても、
「おのれの長を説かない」(自慢しない、うぬぼれない)
と、常に自戒していたのでした。