北投石 石物語・伝説・言いつたえ
北投石の歴史は、1898年(明治31年)に、
理学士である櫻井廣三郎が、秋田の鹿の湯、
渋黒温泉(現玉川温泉)にて不明な鉱石を発見したことから始まります。
その当時は、
鉛の硫酸塩ということしかわかっていなかったのですが、
その後1905年(明治38年)に、地質学者である岡本要八郎が、
台湾の北投温泉の河床にて比重の大きな沈殿物を発見。
この鉱物が鉛を含有する硫酸鉛鉱であること、
さらに火山性の温泉が放射能を持ち、
ラジウム原子が崩壊することにより鉛原子が生成されることが分かりました。
その後の調査、研究を経て、1911年(明治44年)には、
同じく地質学者である神保小虎によって、台湾で発見された鉱物と、
秋田県で発見されていた鉱物とが同様のものであることが確認されました。
1913年(大正2年)には、
この鉱物が発見地より北投石(西洋名Hokutolite)と名付けられました。
なお、玉川温泉の北投石は1922年(大正11年)に、
天然記念物に指定されました。
その後、1952年(昭和27年)には、
特別天然記念物として指定されています。
北投温泉の北投石は1933年(昭和8年)に、
天然記念物に指定されました。2000年(平成12年)には、
自然文化景観に指定されています。