いつもサボテンのように、針を全身に張り巡らせ | 楽しく行こうよ♪

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「病気が教えてくれたこと」エッセイコンテスト

アステラス製薬より。

 

 

 自分に異変が起きていることに、
気づいていたような気がしますが、

 
このときの私は、自分がそうであることを、
認めたくない気持ちがありました。

 
初めてウツと診断されたとき、
私は「ウツなんかじゃない」と思い、
治療を受けませんでした。

 

自分がウツと認めることが、
恥ずかしいという思いと、

 
カウンセリングを受けることに、
不安もあったからです。病院に行ったのは、
どうすることもできなくなってからでした。

 
 

 私をウツという深海から、
救い上げてくれたのは家族ですが、

 
社会との繋がりを失くさず、
戻れる勇気を持てたのは、
友人の言葉でした。

 

「今が一番、辛くて苦しいときだと思う、でも人生、
一度きりだし誰も代わってくれないから
自分で乗り越えるしかない。
できる。私、待っているからね」の、待っている。

の言葉が、私に勇気をくれました。

 

実際、社会に戻るまでは、
とてつもない恐怖と戦う毎日でした。

 

それは、自分自身との戦いでした。
自分との戦いは、生き地獄のように感じました。

 

訳もなく恐怖心が沸き起こり、
泣く日々が続きました。

 

その度に、友人の言葉を呟きました。

 

 
 家族の支えがあったからこそ、
社会との架け橋になってくれた友人の言葉が、
私に一歩踏み出す、勇気を与えてくれたのだと思います。



 私をウツという病気にしたのは、今になって、
私自身だと思います。

 

 

いつもサボテンのように、針を全身に張り巡らせ、
自分を防護することで、
自分自身という者を保っていたように思います。

 

 

それが、
人との繋がりを無くすことになったのだと思います。

 

 人が信じられなくなったと思っていたことは、
心に鍵をしていたから、
相手が見えなくなったと気づかされました。

 

 

 サボテンの針が抜け落ち、
心の鍵を開けることができた私は、
闇の自分から開放され、元の自分に戻れたと思いました。

 

 

 自分を見失うのも、
人との繋がりを失くしてしまうのも、

 
原点は、自分自身にあると、
改めて思います。

 

そして、
病気になった人に必要なのは、
家族であり、社会との架け橋となる友人。

 

人なのだということを新に感じました。