教えてくれたのは 女の子と、病気だった。 | 楽しく行こうよ♪

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去年の冬に、
私は一人の女の子にインターネットで出会った。

 

その女の子は、
拡張型心筋症という病気にかかっていた。

 

私はもともと身体も丈夫だし、
大きな病気にかかったこともない。

 

それでも世界中には大きな病気を持つ人がいるとか、
臓器移植をしなきゃ生きていけない人が
いることくらい知ってた。知ってたつもりだったんだ。

 


重い病気にかかっていて、
募金活動などを行っている人もいっぱいいる。

 

それでもその女の子のことが気になったのは、
同い年だったから。ただそれだけ。

 

気になって気になって、
近くの駅で募金活動をするという情報を得たとき、
私は考えるよりも先に動いてた。

 

 


私はそこで、募金活動に参加させてもらった。

 

はじめてのことで、
中々声が出せなかった。寒くて足も震えた。

 

イヤホンで音楽を聴きながら
通りすぎていく人がなぜか怖かった。

 

小さい声で、
募金をお願いしますと呟いた。

 

通りがかった人が立ち止まって、
小銭を箱に入れてくれる。

 

そこで、
がんばってね、と声をかけてくれた。

 

私は自然と泣いていた。

首を思い切り縦に振ったことも覚えてる。

 

それから、
買い物帰りの主婦の方や、
大学生が、がんばれ、と声をかけてくれた。

 

嬉しくて嬉しくて、
分厚いコートの袖がびっしょりになるくらい泣いた。

 

なかなか声は大きくならなかったけど、
通り過ぎる人のあったかさに気づいた。

 

外国の方も、笑顔で小銭を入れてくれた。

 

寒そうにしていたことに気づいたのか、
あったかい缶のお茶をくれた人もいた。


ポスターを学校に貼る、
と言ってくれた女子高生にも出会った。

 

私はそれからも何度か
募金活動に参加させてもらった。

 

それだけでたくさんの人に出会った。

 

嬉しかった。
心と心が触れた。

 

 

女の子は渡米して、心臓移植をした。
今は元気になってリハビリに励んでいるそうだ。

 

彼女を知ったこと、きっと偶然だと思う。
でも偶然ってすごい大切なこと。

 

奇跡なんて起きないような平凡な人生だったけど、
偶然を大切にすれば良い人生になるんじゃないかな。

 

今は彼女にすごく感謝してる。

 

だって、もし同い年じゃなかったら、
私たちは出会ってなかったかもしれないから。

 

ひとってすごくあったかい。
はじめて知った。

 

教えてくれたのは
女の子と、病気だった。

 

 

ありがとうね。

 

<17歳 女性 学生>