こんにちは、現役ママの育児×心理ノートを運営するかおりです。

 

「感情コントロールができない子」に、コントロールを教えようとするほど、逆効果になる——発達心理学はそう示しています。

 

子どもが怒る、泣く、癇癪を起こす。

 

そのたびに「落ち着きなさい」「泣かないで」と声をかけていませんか?

 

実は、この対応が【感情調節能力】の発達を妨げる可能性があることが、心理学の研究から明らかになっているんです

。

今回は、子どもの感情との正しい向き合い方を、発達心理学の視点で解説します。

【発達心理学】感情は「抑える」のではなく「通す」もの

心理学では、感情には流れていく性質があると考えられています。

 

感情が生まれたとき、それを無視したり押し込んだりすると——感情はなくなるのではなく、別の形で出てきます。

  • 身体の緊張や頭痛
  • 突発的な暴力や破壊行動
  • 大人になってからの感情麻痺や抑うつ

これは【感情調節】の研究が繰り返し示してきた知見です。

 

特に幼児期において、感情を適切に「通す」経験の積み重ねが、将来の情動的な安定につながると言われています。

 

【重要ポイント】感情コントロール=「感情を消す」ではない。

 

感情を感じながら、行動を選べるようになることが、子どもの成長において最も大切なこと。

なぜ「落ち着いて」が逆効果になるのか

これは我が家の例ですが、ある日のおやつの時間、息子がお気に入りのカップを姉に先に取られ、床に寝転んで「ぼくのーー!!」と騒ぎながら大泣きしたことがありました。

 

「ありました」と言いましたが、しょっちゅうです笑

 

以前の私だったら「お姉ちゃんが先に取ったんだから別のカップを使って」と言うようなシーン。

 

でもその日、私は少し立ち止まりました。

 

しゃがんで隣にいて、泣き声が落ち着いてきたころに「カップ、取られちゃったね。悔しかったね」とだけ言った。

 

すると、息子の体から力が抜けていくのが見えまたんです。

 

 

【なぜこれが効くのか?】感情のラベリング効果

 

心理学者ジョン・ゴットマンの研究によれば、感情が出たとき「落ち着いて」と言うよりも、感情に名前をつけてあげること(ラベリング)の方が、子どもの感情処理を助けると言われています。

 

「悔しかったね」

「怖かったんだね」

「びっくりしたね」——

 

こういった一言が、子どもに「自分が感じていることは正しい」と伝え、感情が「通り過ぎていく」のを助けます。

 

通り過ぎていく、とは、感情を途中で抑え込まずに、最後まで感じ切ること。

 

神経科学の観点からも、感情に言葉のラベルを貼ることが、脳の感情処理を和らげる効果があることが示されています。

NG例 vs OK例|感情コーチングの実践

❌ NG:感情を止めようとする声かけ

「落ち着いて」 

「泣かないで」

「そんなことで怒らないの」

「もう!いい加減にして」

 

→ 子どもは「この感情は悪いものだ」と学び、感情を隠すようになります。

✅ OK:感情に寄り添う声かけ(感情コーチング)

「悔しかったね」 

「それは嫌だったね」 

「びっくりしたんだね」 

(感情が少し落ち着いてから)「どうしたかったか、教えてくれる?」

 

→ 子どもは感情を「正しく感じていいもの」と学び、次第に自分で言語化できるようになります。

【ゴットマンの感情コーチング】4つのステップ

ステップ1:子どもの感情に気づく 

まず親自身が「今、この子は何を感じているか」に意識を向ける。

 

ステップ2:感情を共感的に受け止める 

「悔しかったね」「嫌だったんだね」と、ジャッジなく受け取る。

 

ステップ3:感情に名前をつける手伝いをする 

「それって、悔しいっていう気持ちかな?」と言語化を助ける。

 

ステップ4:問題解決を一緒に考える(感情が落ち着いてから)

「次はどうしたい?」

「どうすればよかったと思う?」

親が「感情コーチ」になるために手放すこと

手放すのは、「子どもの感情は早く鎮めなければならない」という前提です。

 

子どもが泣いているとき、私たちが焦るのは——子どもへの心配だけでなく、自分自身が揺さぶられる不快感から逃げたいから、というケースも少なくありません。

 

この「揺さぶられる感覚」に気づいて、少し立ち止まること。

 

それが感情コーチングの、静かな出発点です。

チェックリスト|今日からできる感情コーチング

✅ 子どもが泣いても、すぐに「泣かないで」と言わない 

✅ 「悔しかったね」「嫌だったんだね」と感情に名前をつける 

✅ 感情が落ち着くまで、隣でそっとそこにいる 

✅ 解決策の話は、感情が落ち着いてから 

✅ 「感情を出すこと」と「問題行動」は切り分けて考える

 

子どもの感情は、嵐のようにやってきて、通り過ぎていきます。

 

その嵐のスペースを用意できる親でいること——それが、感情コントロールを「育てる」本当の意味だと思っています。

 

今日も、子どもの感情の前に立ち止まれたなら、子どもの心は、確実に、一歩ずつ育っています🌱

 


今回の「感情コントロールと感情コーチング」について、癇癪が止まらない子どもの心理と脳の仕組みをさらに詳しく解説した動画を公開しています。「ママきらい!」という言葉が実は愛のサインである理由、ぜひ動画でも確認してみてください。

 

📺 【動画】「ママきらい!」は愛のサインだった|癇癪の真実

 

 

また、「感情は抑えるのではなく通すもの」というテーマを、もっと深く読み物として味わいたい方はこちら。子どもの怒りと心の発達を心理学で丁寧に紐解いています。

 

🧠 【解説】現役ママの育児×心理ノート|note 

https://note.com/genekimama/n/n7459b606c73a

 

科学よりも温かい物語を、一緒に大切に守っていきましょう。