先日、祖父が87歳の誕生日を迎えました。


お誕生日会と称して当日のお昼、
祖父母の家に両親とわたしで行って、
魚屋さんのお寿司と
タルトをみんなで食べました。





(みんなはイチジクタルト、わたしはサツマイモとキャラメルのタルトコーヒー)




おじいちゃんもおばあちゃんも
終始ニコニコしていて嬉しそうで、
来て良かったなと思いました。




コロナ禍になってからは、
お正月やお盆の食事会も取りやめて
日頃のお茶の時間なども
一緒に過ごすのは控えていました。


両親は、祖父母宅の家事や
買い物の手伝いで
しょっちゅう顔を合わせていたし、
ついでにコーヒーを飲んだり
話をしたりする機会もありました。


わたしは、祖父母との食事は
2年くらいしていなかったので、
家に行く前は少し緊張しました。


行ってみたら
普段は寡黙な祖父が上機嫌で、
「これからも介護を受けなくていいように
がんばりますので、よろしく頼みます!」
などと明るく挨拶していて、
わたしも段々と楽しい気持ちになりました。


お誕生日会は2時間弱でしたが
時間が早く過ぎたように感じました。
ささやかなプレゼントの品と
手紙を渡して帰りました。






誕生日プレゼントを考えていたとき、
祖父母は物を沢山持っているので
なかなか品物を思い付きませんでした。


ふたりとも心臓への負担を減らすために
ダイエット中なので、食べ物も限られます。
(最終的にお寿司とタルトになったけれど、たまには良しということになりました。祖父は完食でした◎)


となると、消耗品や古くなってきた日用品を新しくするのが喜ばれるのですが、
それらも前倒しで両親がすでにしていたので、
わたしは長めの手紙を書くことにしました。


就労移行支援サービスを利用するようになって数ヶ月が経ち、
パソコンの使い方が少しずつ分かるようになってきました。
いつもの手書きではなくWordで書こうと思い付きました。


ざっと書いてみて、両親にもチェックしてもらい、
高齢者が読みやすいようにとのアドバイスで、
横書きだったのを縦書きに変えたり
漢数字と英数字の使い分けを検討したりしました。


数日寝かせたあとで、自分でまたチェックしました。


いい感じかなと思える仕上がりになったところで印刷して、
宛名と署名だけ手書きしました。


言葉遣いと字の美しさに厳しい母の最終チェックを通過して(緊張の瞬間)
無事に祖父の元へ手渡すことができました。




わたしたちが帰ってから
手紙を読んでくれたのですが、
感情表出の激しめな祖母の方から
先に感想がラインで送られてきました(笑)


祖母の感想を読んで、
そんな風に思ってくれていて嬉しいなぁ…と、心がじんわりと温まりました。


涙と鼻水がしばらく止まらなかったそうで、
せっかく化粧していたのに
ビショビショになった祖母の顔を想像して、少し可笑しかったです。


寡黙な祖父からは、
いつものことで、
まだお返事はありませんが、
きっと何かしらの、わたしの気持ちが
届いていることは分かります。
手紙を書いて渡せた時点で喜んでいたので、
任務完了の気分でした。






夕方になって、
台風が過ぎたあとの吹き返しが
涼しくて心地良かったので
散歩に出かけました。


風に当たって、いい気分で歩き、
見晴らしのいい場所から
町と空と雲を見ました。


しばらくそこで立ち止まって
体の動きたいように任せて体操をしたり、
誰もいなかったので
小さい声で最近気に入りの歌を歌ったりしていました。




雲の動きの変化と
肌に風が当たる感触で、
風向きが変わったのが分かりました。


一瞬一瞬、同じ景色はないのだなぁと
祖父が生きた87年間に思いを馳せました。




祖父の誕生から今年の誕生日までを
日数と時間に換算してみたところ、


日数にして 31,777日
時間にして 762,648時間でした。


同じ日までのわたしの日数と時間は、
12,169日 = 292,056時間 でした。





おじいちゃんの笑っている顔を
これからも沢山見たいなと思います。
(寝てる顔もオモロイけどな)


成長のゆっくりな孫も、
沢山笑って生きていくつもりですよ。


お互い、元気でいようね。


2021年9月