【X'masナイト】シークレットガーデン
(投稿者:ruriさん)





朝、ふと目を覚ましたら
隣にイケメン・・・しかも裸・・・
え?私も裸・・・ウェイ・・・何故???


「イムジャ、珍しく早起きだな」



・・・・・・・


イムジャって何?え?私?違いますよ、イケメンさん。
けど、声が出ない・・・
うそ・・・私の声が出ない!!
口をパクパクして指で口を指差してアピールしたら
何故か口付けてくる・・・
そ、そっか、裸の関係だからよね。けど、私は知らないのよぉ・・・
あぁぁぁ・・・。
さっぱり状況が把握できないまま、床の脇に置いてある
衣に手を掛けて羽織り、鏡台に気が付いたから覗いてみる。

私が私じゃない!!
だって、視界が違うのよ。私は150cmないから
こんなに高い視野を知らないもの!!
しかも、今気付いた。ここは何時代なの?

ひゃぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・参った。


私が余りにもこの現実が直視できずボォーっとしていると
イケメンさんも衣を羽織って私に近づいてきた。


「イムジャ、大丈夫か?昨夜が響いたか?」


おい、昨夜が響くとはなんですか?と私は心の中で
男口調になりながらイケメンさんを問う目で見ると


「とりあえず、着替えましょう」と慣れた手つきで私の着替えを手伝ってくれる。
この人(私)って、どうやら手の掛かる女(ひと)なのね。
ま、そこは普段の私と一緒だから構わないか!と割り切る!!


「イムジャ、今日は一言も喋らぬが、具合でも悪いのか?」
優しく額に手を乗せて熱を計ってくれる。
知らない男の人がそんなことするなんて。すっごくドキドキしちゃう。
私はもう一度ジェスチャーで喉を押さえて口をパクパクしたら
やっと声が出ないことに気が付いてくれた。
「今日は典医寺での仕事はお休みですね。あ、薬を貰わねば・・・」
ぶつぶつ言いながら着替えを済ませ、私の手をとり
「今日はここで大人しくしていて下さい。くれぐれも問題を起こさないように・・・」
あれ?どこかで聞いたセリフ・・・あはは、この人(私)、じっとしていられないんだ。
ふーん、そんなところは一緒じゃない!!もう、こうなったらここを楽しまなきゃね。
「イムジャ・・・その不気味な笑みは何だ?何かするであろう・・・」
あ、ばれた。けど、手をぶんぶん振って、何もしません!!ってアピールしてみる。
「朝餉の支度は私がしますゆえ、それまでここを動かないで下さい」というと
彼は部屋を出て行っちゃた・・・
うーん、なかなか手強そうな人だなぁ。けど、ぜーったいに遊びに行くもんね!!
とりあえず、彼の名前を知りたいんだけどなぁ・・・
「テジャン!!」
ん?誰か来た。いまテジャンって言ったわよね?けど、名前じゃなさそう。
声のする方へ行くとツンツン頭の男の子発見!
「い、いせん、お、おはようご、ございます」
ちょっと緊張してるの?この喋り方?けど、名前知らないし、声出ないからどうしようもなく
笑顔で手を振ってみた。そしたら、逃げていった・・・え?逃げるか?!
あぁ、誰か名前を教えてよぉ・・・


そしたら、あの人の声が聞こえた。
「イムジャ、早急な件でチョナに接見する。ワンビママがそなたに諸用があるそうだ。
仕方ないので、私はすぐに向かう。終わったら典医寺で落ち合いましょう」
え?場所知らないし、なんなのぉ・・・涙
と、とりあえず、外に出よう!はは、なんとかなるさ!!ははは・・・
能天気な私は外に出た。そしたらびっくり。何故か見たことある風景。
きっとこの人(女)と意識が摩り替っただけで、他は覚えてるってことなのね。
はぁ、良かった。んじゃ、早速ワンビママ?だかに会わなきゃね。


気が付けば私、王宮みたいなとこに足を運んでた。
「医仙」
今度は誰?
振り向いたら、ちょっと怖そうなおばさん発見。・・・逃げたい!けど無理よねぇ。
「医仙、今日は声が出ないとヨンから聞いたが・・・大丈夫か?」
お!きっとヨンってあの人の名前よね!!良かったぁ。やっと分かった!
私は喉を押さえてんんんん・・・と言って、手でダメダメポーズを示した。
そしたら、「ワンビママには私から医仙のことを伝えよう。今日は典医寺で
薬をもらい休まれよ」と優しい声を掛けてくれたわ。
あぁ、人を見た目で判断しちゃいけないわよね。反省・・・
けど、典医寺に行って帰るのはつまらないから、その後
外に出てみよっと!どんなかなぁ~


典医寺を後回しにして、外を見学。
だって、楽しそうだもの。寝てたって治らないと思うしね。


うわぁ、時代劇さながらっていうか、この時代ってこうだったんだ。
全てが質素。当たり前か。ここで暮らすって想像以上に大変なんだろうな・・・
私、このままってことないよね。ちょっと不安になってきた。

「よう、姉ちゃん、ひとりかい?」
あぁ、こんな時代にもいるんだ、ナンパ野朗が。
冷たくあしらうと、「このアマ」って手を握られたが、
次の瞬間、男が腹を抑えてうずくまっていた
「大丈夫か?」
振り返ったらヨンがいた。
「スリバンがひとりであなたが歩いていると連絡を受けました。
はぁ、何故大人しく出来ないのか、あなたというお方は。」
若干キレぎみのヨンだったが、私を見て安心した顔に見えた。
私じゃない、本当のこの人(女)に向けた顔よね・・・複雑だなぁ。


「チュンソクに理由を話し、今日はこのまま家で過ごせます。
マンボのクッパを食べてから帰りましょう」
そういうと私の手を引っ張りスタスタ歩き始める
その手の温もりも護る相手も私じゃない・・・
どんどん私が落ち込んでく。


「ヨンア、医仙様と一緒かい。こんな時間に珍しいね。
おや、医仙様は浮かばない顔してるけど大丈夫かい?
いつもより多めにクッパ盛ってあげるから元気だしな」
底抜けに明るい声で話し掛けてくれた



相当いまの私の顔は暗いんだわ。だって仕方ないじゃない・・・
もし、このままだったら・・・ヨンって人もそのうち気付くはずよ。
これだけ心配して仕事を放棄してまで来る人だもの。


目の前に座っていたヨンが身を乗り出して私の頬を指で撫でた
私、泣いてるの?知らず知らずの間に涙が溢れていた・・・


「イムジャ・・・何かあったのか?喋りたくても喋れぬもどかしさか?」


半分当たりで、半分違う。喋れなくて好都合。けど・・・はぁ・・・


「ほら、食べな!!」
またあの明るい声の人が笑ってクッパを差し出す
「ヨンア、医仙様を泣かすなよ」
一言いって忙しい店の中に消えていった。
ヨンは俯きながらクッパを食べる。私もその姿を見て食べ始めたわ


「またおいで!!」元気な声が見送る。いつもの私だったら同じくらい元気なのにな。
楽しまなきゃって思っていた心と裏腹に、凄く不安な気持ちが膨らんでいった。


さっきは引っ張るように歩いた道を、ゆっくりと私の手に指を絡ませ繋いで歩く。
あなたは今、どんな気持ちなの?


ふとヨンが立ち止まり、店先の小菓子を手に取った。
「これを1つ・・・」

私は甘いの苦手なんだよね。この人は顔に似合わず甘いの好きなんだ。
ふふ・・・面白い。あ、なんか笑ったら失礼だったかな・・・
ヨン、大丈夫よ。私のいる所は甘いもの大好きな男の人がいっぱいなんだから。


とぼとぼと歩いたら、私が最初にいた家に着いた。
まだ影を見る限り3時過ぎた頃なのかしら・・・


家に入って、ヨンがお茶を入れてくれた。
きっと普段はそんなことしそうにない人に見えるから
なんだか申し訳なくなってきた。

「イムジャ、小菓子は食べぬのか?」
そうヨンが言った。
申し訳ないけど、私は甘いの苦手なの。だから首を横に振った。

そしたら、
「イムジャ・・・そなたは本当にイムジャか?」
そう問いかけてきた。


・・・やっぱり分かるよね。分かっちゃったか。

きっと、あなたの人(女)は甘党なのかな?

けど、ごめんね。今はあなたの知っているイムジャの振りをさせてね。

だって、怖いんだもの。あなたのその優しさに向かう先の人(女)の中身が
実は違う女って分かった時、私、殺されちゃうんじゃないかなって・・・


そんなことを考えて、気がついた時には彼が目の前に立っていた。
まずい・・・この状況・・・絶対ヤバイよね・・・


ヨンは私を抱きしめて耳元でこう言ったわ
「閨に行ってもいいですか・・・」


・・・殺されるよりかましか?
けど、この状況下で私が頭で正直に思ったこと。
真昼間で恥ずかしくないのか?とやけに冷静に思った。


首を縦に振っちゃった。もう、どうにでもなれ状態よ。
そしたら姫抱っこして、寝室に連れ込まれた。
すっごいドキドキした・・・


はい。この後は致します。勿論致しますが、
この後は想像にお任せ致します。
え?時間一杯するの?さぁ、どうでしょう・・・


じゃぁ、一文、こんな感じで・・・


声が出ないのをいいことに、あなたは私を翻弄する。
こんなにされたら、忘れられなくなるじゃない・・・
どうせ夢だから、いいのかな・・・


書き始めたらこんな感じになっちゃいました。
あはは・・・         by ruri



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ruriさんのX'masナイト

イムジャの中に乗り移ってしまって、チェヨンと過ごす…

 その発想にりお、びっくりしております。でも、なんだか読んでてちょっと切なくなってしまった

ヨンはウンスだと思ってるのよね…ううう。24時間でサヨナラって思ったら、ウンスの中で過ごして、消えゆく方が幸せなのも…


こちらからどうぞ


*そんなに、直接的ではないですが、【R 18】です。不快に思う方は閲覧をお控えください


ruri様へのお礼のお話です
本当にありがとうございました


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*お名前が be mine さんの最後の e が抜けておりました。大切なお名前申し訳ございませんでした。


【X'masナイト】 嫌なら全力で抗え
(投稿者:be mineさん)





ずっと憧れていた、ウダルチ テジャン チェ・ヨン。

私の様にあの方を恋慕う女人はたくさんいる。

皆美しく、才のある女人ばかりだ。なかでも、あの方に似合いだと言われている女人がいる。

あの方の隣に並ぶのにふさわしい女人だ。

ある日、その女人があの方の隣で幸せそうにほほえんでいるのを見た。

あの方も、それに答えるかのように、目を細めてその方を見ていた。私の心を冷たい風が吹き抜けた。

ふと、あの方と目が合った。私は目をそらし、その場を立ち去った。

幾日か過ぎて、私が一人歩いていると、前方にあの方がいるのに気づいた。思わず後ずさり、身を翻した。

「待て」

私に気付いたあの方が、声をかけてきた。

私はその言葉を無視して走り続けた。あの方が追いかけて来た。

あの方はウダルチ テジャン。簡単に追いつかれてしまい、手を掴まれ、強引に引きとめられた。

あの方は手を掴んだまま、近くの壁に 私を押し付けた。

「待てというのに、何故逃げる!何故、そなたはいつも俺から目をそらすのだ!」

答えられなかった。何を言えばいいと言うのか。あんな綺麗な方が側にいて、あなたに思いを寄せている。

それを知っているのに、こんな私が好きだなどと言えるわけがない。

何も答えない私から、あの方は身を離し、手を引き歩き出した。

そして近くの小部屋に私を押し込んだ。

鬼剣を置き、わけが分からない私を、静かに追いつめてくる。

「もう一度問う。何故逃げた。何故、俺を避けるのだ!」

少しずつ後ずさる。

「そんなに俺がキライか?」

(違う!そんなわけない!好きで好きでたまらない。でも、私のよう何も持たぬ者が、思いを打ち明けるなど…)

涙がこみあげてくる。

壁にはばかれ、逃げ場を失う。

あの方が、私を囲うように壁に手を付き、片手で私の顎をつかみ、上を向かせる。あの方の、顔が間近に迫った。

「俺がキライか?」

涙が止まらなかった。言葉も…出てこなかった。

「答えぬか……ならば……」

そう言うと、私は唇を奪われた。深く深く…息も出来ない。抵抗する事も許されない。

「嫌なら全力で抗え。」

あの方の手が、私の衣の紐をとく。

そして一枚一枚、衣を落としていく。あの方の手が唇が、私に触れる。

(出来ない!出来るわけがない!あんなにも思っていたあの方が、私に触れてくれてるのに…抗うなんて…)

「抗わぬのだな。ならば、そなたはこのまま俺の物だ」

「……」

「ふ………強情な女子だ。」

そう言うと、あの方が、私の中に入ってきた。

強く、時に優しく、私をゆさぶる。脳裏に浮かぶは、あの女人。

(一度だけ…この瞬間だけでいい。夢を見させて……)

その行為はどんどん激しさを増す。もう何も考えられなかった。

「好きだ!好きだ!そなたを好いておる!」

薄れゆく意識の中、低くうめくような声と共に、あの方の声が聞こえた。

もう何もいらない。もう何も望まない。そう思いながら、私は意識を手離した。


be mineさんのX'masナイト

いつもとっても、可愛らしいbe mineさん。be mineさんらしく、陰ながらヨンを見守る姿がとっても胸がキュンキュンしてしまいました

っが、後半やりましたね。っていうか、ヤラセましたね

私のイメージは、王宮内で、be mineさんはそこで働いている、下働きの娘。尚宮でもいいけど、尚宮だと結婚できませんよね

あれ、王宮に入ったら全員ダメかしら、まぁその辺はお話ってことで、知らなかった事にしましょう

で、どっちにしても、陰ながら自分を見つめ、恋をする女子を、強引に致すと…

悪魔のようなテジャンも、be mineさんの、ドS台詞にリオはくらくら翻弄されて

アリでしょ!!


と叫んでしまいました。まぁ、ヨンなら、ぶっちゃけ何でもアリなんだけど…ぷぷぷ



テジャンの御心

床に横たわる私を引き寄せて、額に口づけを落とす…

それは、激しかったその事からは、想像もできないような、優しい口づけだった

いつも俺を見つめている女

しかし、目が合うと必ず視線を逸らし、逃げるように慌てて立ち去る

いつしか俺は…その女の事が、気にかかっていた

良家に生まれた事を鼻にかけ、見てくれだけ着飾って美しいと勘違いし、欲のために知略を働かせる。

ある意味「才ある」と言える、女どもが俺に言い寄る

うわべだけの会話、チェ家と姻戚になろうと、親たちの思惑が絡む

愛だ、恋だ、女なんて下らない。そんなのどうでもいい

娘を無下に扱い、重臣たちのやり玉にあげられぬよう、隙を見せぬよう丁重に扱い、うまく話を合わせて…

女なんて、取り繕うように笑顔を作り上げ、適当にあしらえば良い

そうあの女子(おなご)に会うまでは…

そんな風に思っていたのだ

それから俺は、宮内でその女子を見つけ、会うたびに、気になって目で追ってしまう

俺に言い寄る女たちとは違う

屈託のない笑顔で笑い、はしゃいで、見ているだけで、心が穏やかになっていく

そして何よりも普通の女とは違った

あの女子はとにかく、そそっかしいのだ

しょっちゅう上の者に怒られて、ひとり、落ち込んでいる姿を目にした

転んだり、物を落としたり、失態の連発…何度飛び出して、助けようかと思った事か

今日もまた怒られたのか…

荒んでいる俺の心が、それだけで不思議なほど、落ち着きを取り戻す

くすりと笑いまでこぼれてしまう

あの女子を見ているだけで、気持ちが和らいでいく

そう…

たぶんきっと…

いつの日からだったのか

俺はこの女子に

恋に落ちてしまった

それを今日はっきりと、自覚してしまう

今日庭で、俺と鉢合わせになると、その女子は俺と目が合った途端、後ずさりをして逃げようとした

俺は胸がチクンと痛んだ

思わず「待て」と、声をかけてしまう

何故呼び止めたのか、何がしたかったのか、その時は考えてもいなかった

ただ、俺から逃げようとしたことに、言いようもない不安を感じて、焦りが生じた

俺は国のために、守るべき人たちのために、この手に剣を握り、人を斬らねばならぬ

あなたを見ているだけで、俺の震える冬の心が、春風が舞い込んだように、温かに花が咲き乱れていく

そんなあなたを捕まえたんだ

俺のそばから逃げないでくれ。俺を避けるな、そして、どうか俺の事を、嫌いだと言わないでくれ…

あなたの口から、そのような言葉など聞きたくなどない

「俺がキライか?答えぬか…」と問いながら、その答えを恐れていた

俺はその言葉を聞くのか怖くて、あなたの言葉を唇で塞いだ

逃したくなかった、俺は今すぐ確実に自分の物にしたかった

ちょっと、強引過ぎただろうか?

しかし、あなたは、そんな俺を抗うことなく、受け入れて下さった

今、胸に温かなこの人を、抱きしめている喜びを、ひしひしと感じる

俺の身も心も、温められていく

これからは、俺だけの女(ひと)に…

「そばに…」

チェヨンが小さな声でつぶやく

「今、なんと仰せに?」

突然発せられた、テジャンその方の、声が震えている事に私は驚いた

その方の顔を、凛と見上げる

あの方は言って下さったの

「一生守るから、
俺のそばにいてくれないか?」

私は、テジャンからの、思いもよらぬ言葉に、驚きと喜びで、両手を口許に添え、考える事さえせずに、こくこくと頷いた

そして、私の頬を一筋の涙が伝ったのだ




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【X'masナイト】 抱きしめて、見つめて
(投稿者:haruさん)





出典:haruさん
http://ameblo.jp/haruiro123

もしも一晩 聖なる夜に
チェヨンが自分のものになるならば
わたしが ずっと抱きしめていてあげる
わたしの胸で眠ってね
つらい戦いなど忘れてしまえばいいのよ
会えない人のことも今宵は思い出さないで

ただあなたの髪をなで
ただあなたの顔を指でなぞり
いい子 いい子ってしながら
一晩中あなたを見つめているわ
ずーっと ずーっと 見つめていたい

               haru


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haruさんのX'masナイト

haruさん、皆さん、楽しいクリスマスをお過ごしですか 我が家は、クリスマスムードはすっかりと去り、普通の夜を送っています。

ある方からメッセージを頂いたのですが、シンイのおかげで、こうやって皆さんでイベントをしているおかげで、とっても楽しいクリスマスを今年は送れたと

haruさんをはじめとした、皆さんのご協力のおかげです。だから、少しでも楽しんでくれていたら嬉しいなぁと思うのです

haruさん、いつも素敵なメッセージを、送って頂いてありがとうございます。とっても温かい気持ちになる、素敵なメッセージでした

haruさんをはじめ、今年のクリスマスが皆さんにとって、幸せな時となっていれば嬉しいです



チェヨンの独り言


もしも一晩、聖なる夜に
あなたが俺のものになるならば
どうか ずっと抱きしめてくれ

あなたの胸に寄りかかっても、
許してもらえるだろうか?

あなたと居る時だけは、
すべてを忘れさせてくれ

何もかも考えずに、
あなたの温もりを感じたい

ただ俺の髪にふれ
ただ俺の顔をあなたの指がなぞり

幼子のように、無邪気に笑うあなたの姿を
一晩中ずっと見つめていたい

このまま、ずーっと ずーっと
俺のそばにいてくれないか?



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【X'masナイト】 サンタからのプレゼント
(投稿者:ゆこまさん)




私は薬房へ買い出しに来ていた。

明日遠征からヨンが帰ってくる。

(けがをしてるかもしれないわ、足りないものを補充しておかなきゃ。)

薬房を出ると柄の悪い男たちに取り囲まれた。

怖くて身動きがとれない。

(ヨン、助けて!)と目をつぶる。

バタッバタッと音がする。

軽やかに身を躍らせヨンが次々を敵をなぎ倒してゆく。

私の手首をぐっと掴むと自分の方に引き寄せてくる。

「チグンと言ったら走ります。いいですね。・・・チグン!」

ヨンの拳が相手の腹にめり込んだ瞬間思い切り走る。

町はずれまで来ていた。

「全くあなたという人は・・大人しくしておれないのですか。」

「だって明日帰ってくるというから薬を買い足しに来たのよ。でも何故?帰るのは明日のはずじゃ?」

「思ったより早く片付いたので・・飛んで帰って参りました。一刻でも早く顔が見たく・・典医寺にも屋敷にもいないので。探しました。俺がいなければどうなっていたか・・」

「ごめんなさい」

謝る私の頭をポンポンとなでてギュッと抱きしめられる。

「そなたは俺の大事な人です。そのことをお忘れなきよう。典医寺までお送りします。王様に謁見しますので終わり次第迎えに参ります。」

私はヨンの香りに包まれうっとりと眼を閉じた。

「さあ、饅頭でも買って帰りましょう。」

手を取り合って歩き出す。

(あ、足くじいたかも・・)

ヨンは足を引きずる私に気付くと「全く手間のかかるお人だ」と笑うと私を抱き上げた。

「恥ずかしいから・・歩けるわ。」

「俺がこうしたいのです。大人しくなさってください。」

蕩けそうな眸で見つめられ、私はヨンの胸に頭を預けた。

すると空からひらひらと白いものが降ってきた。

「わあ、初雪よ。一緒に見られたわね。」

二人は嬉しそうに微笑みあった。

夕方、典医寺でウダルチのみんなの診察をしていた。

元気な姿にほっとしてついはしゃいでしまった。

バン!とものすごい勢いで扉が開くと不機嫌な様子でヨンが立っていた。

ウダルチをじろりと睨むとみんなはこそこそ逃げ出した。

ヨンがじわじわと間合いを詰めてくる。

「・・なによ、診察してただけじゃない・・」

逃げられない・・壁まで追い込まれた。

「そなたは俺の気持など何もわかっていない。大事な人だと先ほども申したはず。もう我慢できませぬ。」

ヨンは私の顎に手をかけると優しく口づけた。

だんだん息もつかせぬほどに深くなる・・私は耐え切れず溶けそうになる。

「・・そなたを思い切り抱きたい。早く屋敷へ帰りましょう。」

耳元に舌を這わせながら囁かれる。

屋敷へ戻るとヨンは「よろしいですね。」と熱い眸で見つめてくる。

抱き上げると荒々しく閨の扉を蹴り開けた。

翌朝ヨンの腕の中で目が覚める。

額、眉、筋の通った鼻、ふっくらと厚い唇。

そして私の好きな長い睫毛にそっと触れる。

(ああ、幸せだな)

ふと窓の外をみるとキラキラ光っている。

何かしら、とそっと布団から抜け出し外を見る。

(わあ、いつの間にこんなに)

外は一面の銀世界だった。

(確かこのキラキラしたの・・ダイヤモンドダストよね。きれい・・)

「何を見ておられるのですか」

後ろから愛しい人に抱きしめられた。

「ダイヤモンドダストよ、ヨン!」

「だいや・・何です?」

「ん~、小さな氷の結晶よ。きれいでしょ。」

「俺にはそなたのほうがよほどきれいです。」

そういうと首筋に口づけた。


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ゆこまさんのX'masナイト

素晴らしい
この文才…

見事に1つのお話になっているように見えて、15個以上 というよくばりオーダーをふんだんに盛り込んでおります

ほんわかムードに、欲張りなゆこまさんの注文を見逃してしまうほどの、素敵なお話でした

いいなぁ、私も、ゆこまさんが書いてくれた、このお話のストーリー、ぜひ体験したいです

悪党に助けられる
チグン使う
手を引かれ逃げる
頭ポンポンされる
街中で抱きしめられる
饅頭もらう
手をつなぐ
お姫様抱っこ
共に雪を見る
嫉妬
壁に追い込まれる
顎くい
深い口づけ
耳元で囁かれる
閨の扉蹴り上げ
ヨン顔パーツチェック
しっかりラブラブで致す


でも、どれも、これも、
すごくイイです

やってほしい(涙目)

これでもかと、乙女のくすぐりポイントを詰め込んだ素敵なお話でした



  チェヨンの帰京

チェヨンは逸る思いで、遠征先から馬を飛ばし開京へと向かっていた

此度の任務は危険が伴うものであった

ゆこまは、何も俺に告げる事はなかったが、おそらくその事を、分かっていたのだろう

出立ちの日ゆこまが俺に向けた、その目が…心配と不安で、張り裂けそうな胸の内を、語りかけていた

無理をしていないだろうか、笑顔を忘れていないだろうか

ゆこまの笑顔がとにかく早く見たくて、屋敷へと向かった俺に、下働きのミンスが、ゆこまの不在を告げた

聞けば俺の手当てのためにと、街に出たというではないか

まったく、大人しく屋敷で待っておれば良いものを…あの方はじっとしておるという簡単な事が、何故出来ぬのだと笑いが漏れる

街に出れば、ゆこまがたちの悪い男どもに取り囲まれていた

はっ…

あなたはどこに行ってもそのように、悪目立ちして…

まったく、男の目を引く美貌だという事を、あなた自身が、もっと自覚して欲しい

ゆこまがそこに居るだけで、周りの者たちは目を離せなくなってしまう、気になり近寄ろうと付け狙う

俺の気をどこまで、ハラハラさせれば気が済むのだ

恐怖で目をつぶる、ゆこまの前に立ちはだかり、狼藉を働く男どもを、なぎ押していく

この方はお前たちなどに、相手が出来るような女じゃない、俺ですら手を焼いておるのだ

この程度なら、剣など使うまでもない、さっさと消え失せろ!

ここは街中だ
俺の身分が知れれば、厄介だ

ゆこまの手首を掴み上げ、俺の方に引き寄せ、耳元で囁く

「チグンと言ったら走ります。いいですね。・・・チグン!」

逃げようと身を翻した瞬間、大きな男が殴りかかってきた。この者たちの頭(かしら)だろうか…太り体格の良いそいつの腹に、思い切り拳を突き付ける

そいつらがひるんだ瞬間、俺は、ゆこまの手を引いて、そのまま、街の中を颯爽と走り抜けた

「ハァ…ハァ…ハァ…」

ゆこまがあがった息を整える

「全くあなたという人は・・大人しくしておれないのですか。」

本当にどこまで心配させれば気が済むのだ…これでは、安心して遠征など行けるものか

俺にとっては、戦いに行く恐怖より、ゆこまを一人残して行くことが、どんなに気が重い事か…

「だって明日帰ってくるというから薬を買い足しに来たのよ。でも何故?帰るのは明日のはずじゃ?」

薬など買いに出るくらいなら、屋敷で大人しく待っていてくれる、それのがよほど俺の薬になる

「思ったより早く片付いたので・・飛んで帰って参りました。一刻でも早く顔が見たく・・典医寺にも屋敷にもいないので。探しました。俺がいなければどうなっていたか・・」

「ごめんなさい」

俺は胸が心配で痛み、あなたのせいで病んでしまいそうだ…薬なんかより、もっと良薬があるだろう…

そう心の中でチェヨンは呟いて

謝るゆこまの頭をポンポンとなでて、ギュッと抱きしめた

ゆこまをこの腕に抱きしめれる、その事だけで、十分俺の心は癒されるのだから…

ゆこま、あなたが
俺の最高の良薬なのです

腕の中の愛しい妻、ゆこまの温かさを感じて、チェヨンは腕に力を入れ強く抱き寄せた


ゆこまさんへのお礼のお話です
本当にありがとうございました


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【X'masナイト】 時間
(投稿者:柚子様)



24時間ヨンと過ごせるなら…前半12時間を1351年の高麗で、後半12時間を2014年の日本で一緒に過ごしたいです。


【2014年・日本】前夜

明日は1日ヨンとデート。
待ち合わせは早朝だから夜のうちに頑張ってお弁当を作ります。
鮭のお握りと卵焼きに唐揚げ。
ポットには冷たいお茶と温かいスープを。
果物も何か持っていこうかな?
あ、そうそう、おしぼり忘れたらダメよね。


【1351年・高麗】24時間スタート

夜明け前、私はヨンの待つ高麗へ。
天門を抜けると、背の高いシルエットが見えた。

「お待ちしておりました」
「おはよう、ヨン。今日は1日よろしくね」
「一緒に楽しみましょう」

2人でチュホンに跨り向かった先は湖のほとりでした。

釣り糸を垂らすヨンの隣に座り、段々と明るい色彩に染まってゆく高麗の空を目に焼き付ける私。
朝まずめの成果かヨンは次々と銀色の魚を釣り上げていきます。

4匹目の魚を釣り上げた後、ちら、と私の顔を見たヨンが
「やってみますか?」
と言った。

「教えてくれる?」
「もちろんです」

太陽はすっかり昇ってしまい、お互いの表情がよく見えるようになっても、私はまだ1匹も釣れなかった。

でも、ヨンの隣で2人きりでヨンが楽しそうにしているのを見ているだけで嬉しかった。

ぐぅ。
やだ、お腹が鳴っちゃった。
くっくっとヨンが笑った。

「腹がすきましたね。焼きましょう」

ヨンが慣れた様子で火をおこし、串に刺した魚を焼いていく。

「あのね、お弁当作ってきたの。食べる?」
「大きな荷物は弁当でしたか。いただきます」
嬉しそうに目を細めて言った。

ヨンにおしぼりを渡してお弁当を広げ、ポットのスープを注ぎながら
「冷たいお茶もあるのよ」
と言ったら
「せっかくあなたが用意してくれたのだ。両方いただきます」
と答えてくれた。

お握りと、卵焼き。
ヨンの釣ってくれた魚と唐揚げ。
大きな口を開けてお握りを頬張るヨンをじっと見つめていたら
「美味い」
一言、そう言ってくれた。

「魚は、いかがか」
焼けた魚を手渡してくれながら。
「食べるわ」
受け取って、一口かじった。
焼きたての魚は熱かったけれど、身がふっくらとして美味しい。
「美味しいわ、とても」
ヨンの目がまた細くなった。

それからずっと並んで釣り糸を垂らしていた。
相変わらず私はボウズのままだった。
それでも、心は満たされていた。

太陽が真上を過ぎ、2人の影が長くなり始めた頃
「そろそろ戻りましょう」
「そうね」
またチュホンに跨り、天門に向かった。

天門に入る前、私は振り返って高麗の夕日を見つめた。
ヨンは私の気の済むのを待つように、天門の前で私を見ていた。

私がヨンのいる天門の方に顔を向けるとヨンが私に左手を差し出した。
私はその手にぎゅっと掴まって、一緒に天門に飛び込んだ。


【2014年・日本】夜はこれから

ヨンと手を繋いだまま、眩しい光の海を抜けると、私の住む街に立っていた。

「ここがあなたの世界なのですね」
「そう。ここが私の生きてる場所」
「夕焼けは、同じ色だ」

…そうね。
私は泣きそうになった。
目に力を入れて口を結んで…それから口角を上げて…言った。
「ヨン、何したい?」
笑顔で言えたかしら?

「あなたの生きる場所を見せてくれますか」
「もちろんいいわよ~」

駐車場に停めてある私の青い車。
「どうぞ」
助手席のドアを開けてヨンを促す。
彼には少し狭いかしら?

外からドアを閉めて運転席側に回る。
隣に座り、キーを刺す。
静かにかかったエンジンに、ヨンは驚いたようにこちらを見た。

「大丈夫、馬車より速いのよ」
シートベルトを締めてあげたら窮屈そうな表情をした。
首都高から湾岸線に乗る頃には窮屈そうな表情は好奇心旺盛な子供の表情に変わっていた。

ベイブリッヂを渡り、大黒PAに車を停めた。
車を降りたヨンは
「海の匂いがしますね」
と言った。

「さっき大きな橋を渡ったでしょう? あれは海の上の橋なのよ」

ジャンボ機が雲に線を描いて飛んでいくのが見えた。
「同じ世なのか…600年以上明日の世界なのですね、あなたの生きる場所は」
「そう。同じ世界よ。明日の明日の、そのずっと先」

「あなたの家に帰りましょう」
「ええ」

私の青い車で来た道を戻った。
観覧車を見たヨンが
「大きな花のようですね」
と言った。

私の部屋のドアを開けて、ヨンを招き入れた。
「早起きしたから疲れたでしょう? お風呂に入るといいわ、疲れが取れるから」
シャワーの使い方を教えて、ヨンを浴室に押し込んだ。

バスタオルと着替えを出してから、急いでお米を研いで炊飯器にセットする。
冷蔵庫を開けて、早く作れそうなメニューを考える。
あのひと、お酒飲むかしら…?
日本酒か焼酎かしらね?

「いいお湯でした」
浴室の扉を開けてバスタオルを腰に巻いたヨンが出て来た。
ちょっと目のやり場に困ったけれど、用意しておいた浴衣を着せて
「髪を乾かしてあげる」
と椅子に座らせた。
ドライヤーのスイッチを入れ、ヨンの濡れた髪に指を差し入れるとヨンは気持ち良さそうに目を閉じた。

2人でささやかな食卓を囲んで、少しお酒も飲んだ。
とりとめのないお喋りをして、たくさん笑った。
ヨンはお酒が強かった。

お酒も回り、早起きしたせいもあって、私は眠くなってきた。
でも、この夜が終わればヨンとバイバイしなくちゃいけない。
そう思ったら寝ちゃうなんて…駄目。

「ヨン」
「はい」
「今日凄く楽しかったね」
「はい」
「ずっとヨンと一緒に居られて、私幸せだったの」
「はい」
「今日バイバイしたらもう会えないね」
「…はい」

涙が零れた。
止めなきゃ、笑ってバイバイしてヨンには笑顔を覚えててもらうんだ。
そう思っても、涙は後から後から溢れてきた。

「ヨン…」
「はい」
「…帰ら…ないで」

ヨンが立ち上がって私の前に来た。

「顔を…上げてください」

そう言われても泣き顔を見せたくなくて上を向けなかった。
するとヨンは私の前に跪くと、私の頬を両手で包んだ。

包んだ両手の親指で、私の涙を拭うと
「あなたを残して帰るなど…しとうないのです」

ヨンの顔が近付いてきて、唇が私の唇に触れた。

私はヨンの首に腕を回した。

触れるだけの口付けは角度を変えて回数を増やした。

泣き止んだ私を認めると、そっと口付けを止め、私の目を見て
「私も今日1日楽しくて幸せでした。あなたとこのまま離れたくありません」

「じゃあ私も連れてって。ひとりで行かないで」

「どちらの世界に2人でおっても、1日経てば消える定めでしょう…?」

「……」

「あなたには笑顔で生きていて欲しいのです」

「ヨン…」

「あなたが眠るまで傍におります」

「いなくなっちゃイヤ」

「私の心の中にあなたは永遠に。私もあなたの中に永遠におります」

「ヨン…」

「あなたも疲れたでしょう。もうお休みください」

私を抱き上げるとベッドに運んだ。

「一緒に寝て」
「はい」

ヨンと向かい合って横になると、ヨンの腕が私を包んだ。
ヨンの胸に顔を埋めて泣いた。

「ヨン、愛してる…」
私の髪を撫でながら、優しい口付けをくれた。

「眠って」
ヨンのその声を聞いて、私は眠りに堕ちた…。


腕の中で眠る涙の跡の残る愛しい顔を見て、ヨンは目を閉じた。
もうすぐ待ち合わせてから丸1日経つ頃だろうか…。
笑顔にしてさしあげたかったのに、最後はやはり泣かせてしまった。
私も離れたくはないのです。

あなたと過ごした今日のことを私は一生忘れませぬ。
眠る額に口付けた後、起こさぬよう柔らかく抱き締めた。

泣き顔で眠るひとを残して、抱き締めた腕から…ヨンの身体は消えていった。



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柚子様のX'masナイト

はぁぁん、切ないよ…

愛し合っている二人なのに、互いにどちらの世界にもとどまる事は許されぬのです…

何故かって?それは、憎き、鬼りおが、24時間でバイバイよというルールを作ったからです ( ̄^ ̄)>イバリ

愛し合う二人を引き裂く鬼りお。そんな鬼も、この柚子様のお話には涙が…つまりは鬼の目に涙を浮かべちゃうほど素敵なお話でした

この二人はまた来年のクリスマスに会えるでしょうか?それとも会えないのかな?りお次第?

来年は3日くらい時間をくれと、変態乙女たちからのこわーい目線をひしひしと感じておりますが…

そうしてしまうと、ここぞとばかりに”はらむ”者たちが増えても、困ります故…やっぱり24時間くらいがちょうどよいのです

柚子様、本当に素敵なお話どうもありがとうございました



高麗へと舞い戻る…

「テジャン!テジャン!」

薄れた意識を何とか、張り巡らせ、耳を澄ますと、遠くからテマンの叫び声が聞こえてくる

重く閉じた瞼をそっと開けていくと、完全に開ききる前に、頭にずきんと酷い痛みが走った

うっ…

何だこの頭痛は…

堪えられぬような痛みが、今俺が置かれた状況を、考えさせる事をさせてくれなかった

頭が割れそうなくらい痛み、ぐらぐらと揺れるようで、気をうまく保つことが出来ない

何とか、意識を保とうと、懸命に自分の気を整えるも…俺はそのまま、また意識を失ってしまった


数日後

俺は典医寺の寝台の上で、その目を覚ました

目を開けた時、薄らぼけた目で辺りを見回すと、テマンやチュンソクやら、ウダルチの面々に囲まれていた

意識を取り戻した俺の顔を見て、泣いている奴すらいる始末だった

余程、俺はひどい状況だったのだろうか

みなの喜ぶ顔を見て、気持ちが少し楽になり、俺は小さく息を吐いた

少しして、テマンから聞いた話に、俺は驚きを隠すことが出来なかった

一昨日、突然、俺が誰にも、何も告げずに、忽然と姿を消したのだと

姿を消していた時間は、ほぼ24時間に渡るようだ

テマンが俺の姿を見失ってから、ちょうど24時間後に、俺を湖のほとりで発見したという

そして、戻ってきたかと思えば、そのまま倒れて、1週間もの間、そのまま眠り続けていたという話だ

俺は、身体じゅうが怠くて、目をつむりながらその話を聞いた

「すまない、少し一人にしてくれ」

自分の置かれた、この理解に苦しむ状況を整理しようと、ウダルチの奴らを部屋から追い出した

俺は「テマンお前は残れ」と視線で合図した

部屋に二人きりになると、相変わらずテマンは、眉間にしわを寄せ、心配そうに俺を見下ろしてくる

「テマン状況を説明してくれ」

「テジャン…その…見つけた時、この服をお召しになっていました」

テマンは薄っぺらい藍色の衣を、恐る恐る差し出す

「その…おいらが、見たことないような、そんな不思議な衣をテジャンは着て倒れていて…」

差し出されたその衣を見た瞬間、途切れていた記憶がフラッシュバックのように、チェヨンの脳裏で結びついていった

「あの方は!あの方はどこだ!!」

チェヨンは慌てたように起き上がると、とり乱した様子で、顔を強張らせ部屋を出て行こうとする

しかし、体がうまく動かずに、がくんと倒れかかってしまう

「てっ、テジャン駄目です。まだ寝ていないと」

テマンが半泣きになりながら、俺の体を支えて、出て行かぬように、血相を変えて食い止めてくる

「てっテジャン…おっ、おいら、よく分からないですが、柚子って、柚子って呟いてました。その人の事ですか?」

「俺が、柚子と呟いていただと?」

「テジャンが、湖でまた意識を失う前に、柚子…って、苦しそうに、そっ、それを言ってました」

柚子…だと…?

俺の心は、その女を知っていた

すべてが夢を見ていたようだった、何処からが夢で、どこからが現実なのか定かではない

しかし、夢だと言うならば、この薄い高麗にはない衣が、何で俺の手元にあるというのだ

つまりは全ては夢などではない

この衣は…俺と柚子が、共にいたという確かな証

ここ高麗の地であなたと出会い、そして、あなたの生きている世界を俺は目にした

何故、俺とあなたが出会ったかも、分からない

ただ、俺は天に導かれるように、夜明けと共にあなたと出会い、二人幸せな時を過ごしたのだ

そして、俺はあなたと恋に落ちた

いや、違う

俺は始めからあなた事を、慕っていた…愛しい人柚子に会いたくて、俺はそこに行ったんだ

こんな馬鹿げた話、誰が信じると言うのだろうか

過去の記憶もない女に、俺が懸想していたなどと…

だが、確かに俺の心の中に、柚子、あなたが息づいている


俺はここ高麗であなたと時を過ごした。そして、柚子と共に釣りをし、柚子が作った飯を共に取った

太陽が沈みかけたころに、チュホンに二人跨って…柚子が住む世界へと、俺は足を踏み入れた


柚子が住む世界の、夕焼けを見た

ここ高麗も、柚子が住む世界も、陽の光は同じ色をしていた

二人の世界は本来は決して結びつく事を、天は許してはくれぬ。しかし沈む陽は、どちらの世界も変わらず同じ色映し出していた

永遠に共にいたいと俺は願った

あの方もきっと同じ思いだったに違いない…

しかし、俺の住むこの地と、あの方の住むこの世界は、たった24時間その間だけ、行き来する道が開かれた

俺と柚子は、決して相容れない星の元に生まれたのだ

しかし天が俺たち二人が愛し合う事を、1日だけ許してくれた

「やり切れぬ…」

チェヨンは大きなため息と、たった一つ、その言葉だけを漏らして、手に持つ衣を強く握りしめた


柚子様へのお礼のお話です
本当にありがとうございました


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