こんばんは
りおです

久しぶりにチュンソクテーマのお話を書いてみました。チュンソクのお話、意外に好評いただいていて嬉しいです
星から来たあなたが、まだ5話で止まってしまっています。今日こそ続きを見るぞ!という事で…早めに公開しちゃいます
コメ欄で主君の太陽が面白いよと教えて頂きました。あら、気になると思ったら、ギャァ、幽霊系なんですね…
幽霊系…怖くて見れない(笑)…
そういえば、昔見に行った映画、ブルース・ウィリスのシックスセンスが未だトラウマになっています…
平気な方がいたら、おすすめみたいです

本日のテーマ写真:
俺たちは、高麗王の近衛隊。ここ高麗を守る、重責を担っている、誇り高き于達赤(ウダルチ)
そして、元のかの地を奪還されたと名高き男。その俺らのウダルチの長は、チェ・ヨン大護軍
「おいチュモ。軍議を行う、皆に伝えろ」
「はっ。テジャン」
そして俺は、体たらくなあの方に立ち代り、このウダルチを、取り仕切っている実質的な長
「あぁ…。あの方がお待ちになっておる」
「では急ぎ皆に」
俺の名はチュンソク
「いつもの場所ですか?」
「あぁ…あの木だ」
俺は今や、ここウダルチの、名実共に、隊長(テジャン)となった

その、とある木の元。ウダルチの各部隊長が、一同に集結をしていた
これは、今や日常となった光景。ウダルチの中核メンバーだけが集まる、重要な定例軍議だった
「遅いではないか」
チェヨンが、定刻より少し遅れて、やってきたチュンソクに向け、強い口調でそう言い放つ
お待たせしたと焦り、急ぎ馳せ参じたところ、あの方が苛立ちを露わに、俺らを睨み付けてきた
俺はその斬りつけるような、強い視線に怯んで、たじろいだ
チュソクは、反射的に、姿勢を正し、頭を俯かせた
「はっ。大護軍。申し訳ありません。ここに向かう途中で、イ・ジェヒョン殿とお会いし…ご挨拶を…」
蛇に睨まれた蛙とは、まさに俺の事だ
若造のくせにその風格。この方の前にすると俺も、思わず、昔の俺に戻ってしまう
なんと情けない事だろうか…
そんな時チュンソクは、自分の不甲斐なさを、ひしひしと痛感させられる
只ならぬその存在感。この方は、生まれながらにして、大護軍その座に相応しい男だ。そうとまで思うのだ
チェヨンは思う
あの狸爺。学者風情だと侮っておったが、最近ではずいぶんとでかい顔をし、幅を利かせているようだ…
俺らが毎刻この場所で、軍議をしておるのを知った上での所業だ。くそったれ
喧嘩でも売っておるつもりだろう
「あの狸か?あんな奴、適当にかわせ。定刻は当に過ぎておるではないか。俺は待ちくたびれた」
チェヨンは苦い顔をして、お前は機転が利かぬ。と、頭を垂れるチュンソクを呆れたように見下したのだった
チェ・ヨンこの男
年下の癖に、いつまでも変わらぬ、その偉そうな態度
お前らは馬鹿か?まるでそうとでも言いたげに顔を歪め、見下した視線を俺らに突き付けてきた
誰をも恐れぬ男。この方が恐れるものと言えば…ふっ。そう、医仙殿、あの方ぐらいしかおらぬのだ
この国、高麗の王にさえ怯むことなく物申す。皆がさすが大護軍だと、羨望の眼差しで、敬意を払う
この偉そうな態度。まるで俺に、喧嘩でも売っておるのかと思うほどだ
だが、そう考えるのは、その辺の凡人の思う所。テホングンこの方は、喧嘩など売ってはおらぬ…
誰よりめんどくさがりのこの方は、喧嘩を売る、そんな厄介な事をわざわざしようとする方ではない
ただ単に、テホングンは、俺らを待っておった間、とても暇だったのだろう。何故ならきっと…
チェヨンの視線が向く先。典医寺の窓の中を覗き込むと、慌ただしく、典医寺の医員達が動き回っていた
急な患者でも運び込まれて来たのだろうか。医員達は脇目も振らずに、ばたばたと中を駆け回っていた
悲しい事に、俺には分かってしまう
きっとこの方は先ほどから、医仙殿が急な患者にお忙しくされ、見向きもしてもらえぬ。その事に苛立ちを募らせておるのだろう
チュンソクは、心の中でハァ…と大きくため息をついたのだった
四年の歳月を経て、医仙殿がこの方の元へとお戻りになった
この方の心痛な胸の内は、傍でずっとお支えしてきた、俺が誰より分かっておる
そう自負をしておるのだ
俺とて、医仙殿のお戻りを、まるで自分の事のように、嬉しく思いどれほど喜んだ事だろうか
テホングンと医仙殿。御二人の婚儀の時には、俺は涙が止まらず、皆が呆れるほど、泣き続けた
だが、俺はいつの日か…この方に、年長者として、苦言を呈したいことがある
浮かれおって
いつまで新婚気分でおるのだ…
ウダルチの厳格な、軍議の場を「典医寺前の木の下にて…」とするのは、いかがなものか!!
公私混同も甚だしい!!
そう言って退けることが出来れば、この俺の今までの苦労が報われる。どれほど気が休まるだろう
はぁ…
まぁ、誰も気付いておらぬのは、流石としか言いようがない
本当にこの方は、何事も自分の思うとおりに、うまく事を運ばれる
それは鬼神の名にふさわしいほど、誰もが思いもよらぬ、突拍子もない奇策をとる事にも一因がある
高麗の厳格なウダルチ軍議の場を、好いた女人が良く見える、典医寺前の木の下で
何処の誰が、そのような阿呆な事を思いつくと言うのだ
俺以外誰も気付いておらぬだろう
何故なら、そんな稚拙な事を思いつくのは、この方しかおらぬからだ
むしろ、この木の下で医仙殿を待っておる、この方に同情すら寄せられておるという
名を捨てて実を取る
その言葉は、名誉や名声などうわべの体裁よりも、実質的な利益を得ることを選ぶ事を意味する
しかし、テホングンこの方の場合は、捨てたはずの名誉や名声も、結局のところすぐに取り戻す
意図的に手放し、着実に取り戻す
結局は、一挙両得。両方を手にされる
やはり俺は一生この方には勝てないのだ…。チュンソクは、奥歯をぐっと噛みしめたのだった

「プジャン。何故、軍議が今までの軍議室から、あの木の下に変わったのですか?」
部隊長になったばかりの、ヒョジュンが、トクマンに問いかけた
トクマンは部隊長の頭部を、バシッと叩く
「お前はそのような事も分からぬのか。これはウダルチにとって重要な軍議。軍議室であれば、どこで敵の間者が、息を潜めておるか分からぬだろ」
「壁に耳あり障子に目あり。あの木の周りであれば、見通しもよく、間者も隠れる場所すらない」
チュモも、そう合いの手を打った
「軍議室は、敵が潜んでいても分からぬ。あの木の下であれば、周りは開けており、間者が潜む場もない
故にあの木の下は、重要な軍議の場に、最も適した場所である。
それに、かような場所で、国を揺るがすような軍議が行われておるとは思いもよらぬだろう。敵の目を掻い潜るのに相応しい」
チェヨンが、不思議に思うトクマンに告げた事だった
凡人が考えもしないその事に、ウダルチの兵たちは、さすがテホングンだと感嘆の声をあげた
その姿を横目で見ていた、チュンソクが呆れた視線を送る
トクマン、お前も偉くなったもんだ。だがお前はまだまだ甘い
そのような考えでは、あの方をお支えする事など敵わぬだろう
あの方は、みなの目を掻い潜っておるのだ
軍議があの木の元で行われる、真の理由
「医仙殿が良く見える」
ただその事だけだ
この寒空の下、あの方が、この風が吹き付ける野外などで、軍議をやろう、そう思うわけがないのだ
だが、名分は申し分ない
反対する名分すら俺は持ち合わせておらぬ
チュンソクは、目を瞑り、あの方はほんとうに流石だ…ぐうの音もでずに、ため息交じりに首を降ったのだった

「テホングン、本日の軍議ですが、後程、またあの木の場所で」
トクマンがチェヨンにそう声をかける
チェヨンは、トクマンをハンッと、引きつり笑いを浮かべて睨み付ける
お前は何もわかっておらぬと、後頭部バシッと張り倒した
「イテッ…」
トクマンが叩かれた頭を押さえ、何で叩かれる?とチェヨンを見上げる
「トクマン、お前は馬鹿か。この寒空に、この強風だ。そんな中でまともに軍議など行えるものか」
強風?だったか…?とトクマンが思う
「風向きを読め、風向きを。軍議は定刻通り、ウダルチ兵舎内で行う」
チェヨンは、トクマンの背をばしばしと叩きながら、その場を立ち去った
「風向き…??」
トクマンは、狐につままれたようで困惑する。何故俺が叩かれるのだと、その場で不満げな顔で立ち尽くした
チュンソクはその光景を見て、思うのだ
トクマン、そのような事も分からぬのか…やはりお前には、まだまだあの方の副将の座は譲れぬようだ
風向きなどそれは表向きの事
テホングン、あの方の、言葉の裏を読まねばならぬ
敵の行動を見ずに、その真意を読む。そしてその裏をかく
おそらく本日は医仙殿はご不在なのだ
つまり早い話が、医仙殿の出勤台帳を読めという事だ…
チュンソクは、やはりあの方には、俺しかおらぬ…と、じーんと胸が、熱くなる思いを感じたのだった
テジャンそれは表向きの事
なぜなら俺は…
一生チェ・ヨン将軍、あの方の、副将(プジャン)チュンソクなのだから

「ほら、医仙様。大護軍があの木の下で、軍議をされてますよ」
「きゃぁ…素敵ね。かように真剣なお顔をされて、軍議をされているお姿。素敵な旦那様で羨ましいです」
「あら、そう?」
ウンスは照れくさそうに答える
騒ぎ立てる女の医員達の黄色い声に、まんざらでもない様子で、ウンスが窓の外に目をやった
「ウダルチの隊員たちって、逞しくって素敵な殿方が多いけれど、大護軍がいらっしゃると…ねえ?」
「えぇ。あの方が御一人いらっしゃるだけで、みんな、あの方の引き立て役になってしまうわね」
あら、ヨンァ。ウダルチのみんなと難しそうな話をしているのね…
「あの悩ましげなお姿、素敵ね…」
「医仙様、本当にお羨ましいです」
ふふっ。仕事をする男の人の姿って、素敵よね。恰好よすぎて、我が夫ながら、惚れ惚れしちゃう…
あんな素敵な姿を見たら、やだ。惚れ直しちゃうじゃない…
ウンスは、厳しい顔をし軍議を行う、愛する夫チェヨンを覗き見て、改めて胸をトクンと高鳴らせていた
みんなにそんなにカッコいいって言われるのも、何だか照れくさい。早くあの人の所に行きたくなっちゃったなぁ
うふふ。今日は、いっぱい、くっついちゃおう~っと。あんな素敵なチェ・ヨン大護軍…そんな人が私の夫なんだもの
あの人は、私だけのヨンァなの

ここに、もう一人騙されている者がいた
鬼神の奇策。一挙両得どころか、その策に潜んだもう1つの目的
チュンソクすら気づいてない、その真意は、チェ・ヨン、当の本人以外は、誰も知る由はなかった…
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他のウダルチを引き立て役に使っているかどうかは、ご想像にお任せします(笑)…