こんばんは、りおです
記事の公開時間を大体いつも0時にしていたのですが、23時ごろに変更しようと思います
思いの他、好評だったので調子に乗って完結篇を書いてみました
特に今回は、半分パロディですので、みんなの微妙な人間関係を楽しんでください
チェヨンしつこくね(?)っていうのは、気にしないでくださいね♪
ほらっ、ドラマでも根に持つって言ってたではないですか
チェヨンにならむしろ、私の事根に持って~

本日のテーマ写真:

イムジャはまた、
そのような余計な事を…

「あっ、ヨンァ、もういく時間?今日はちゃんと、外掛けを持って行ってよ」
「……」
「は~、冷えるわね。今日は、雪が降りそうなくらい寒そうよ」
ウンスは先に出仕する、夫チェヨンを見送るため、戸口の所まで出てきていた
今日こそはと、予め準備しておいた、外掛けを、はいと笑顔で差し出した
心の中で、チッと舌打ちをするチェヨン
イムジャはまた、
そのような余計な事を…
差し出された、それを憎らしく眺める。鬱陶しそうな顔をしてフンと見下げた
しかし、やましい気持ちも否めない
小さな抵抗で、嫌そうな顔を横に背けつつも、仕方あるまいと、しぶしぶ無言でそれを受け取った
「行ってまいります」
チェヨンが挨拶をすると、ウンスが行ってらっしゃいと、キュッと抱きしめる
いつもの二人の朝の日常
共に外まで出ていこうとするウンス
「イムジャ、外は寒い。今日はここで構わぬ。冷えぬよう、早よう部屋へ」
チェヨンはそういうと、手で軽くそれを制す。そして、ウンスに悟られないように、薄らと微笑みを作った
「あなた、いってらっしゃい」
ウンスはバイバイと、夫チェヨンの背に、小さく手を振った
何なのかしら
せっかく忘れないように、親切で言ってあげたのに
ウンスは外掛けを渡した際の、チェヨンの表情に不信感を抱く
何かあの人さっきも変だったわ…
小首を傾げて顔をしかめた

ヤダ…
嘘でしょ、何よこれ…
屋敷の門をくぐったウンス
目を疑う光景が、その目に入ってきた
チェヨン上掛けが、投げ捨てられたように、無造作に屋敷の門にかかっていたのだ
あっ、あの人!
もしかして、わざと忘れていってるの?
高麗一の鈍感女のウンスも、やっとその事に気づいたのだ…
馬鹿じゃないの!
信じられない、呆れちゃう…

いつもならあの人、二人名残惜しく門までの道を手をつないで歩く。そして、姿が見えなくなるまで、見送って欲しがるのに…
今日に限って、外に出ないでいいなんて言うなんて、何か変だと思ったのよ…
あ、もしかして、昨日怒っていたのって、私が早く持っていかなかったから?
ウンスはチュンソクの言葉を思いだす
「医仙殿、もう少し早い刻に…来て頂く事はできなかったのですか?」
あぁ…
やだ、そういう意味だったのね…
それでもって、あの人のふて腐れたあの顔…はぁん、そういう事だったわけね…
本当に信じられない
わざと忘れ物して、悪戯にママを待つ子供じゃないの
本当にガキなんだから
絶対、持って行って何てあげるものですか
夫の戯れごとに、呆れと苛立ちで、顔をぎゅっとしかめるウンス
唇をこれでもかと噛みしめる
ところが、ぎゅっと噛んだ自分の唇の感触から、それとは違った唇の感覚がふいに呼び起される
あ、でも昨日…
兵舎で…
昨日の出来事が急に思い起こされて、その恥ずかしさでウンスは思わず顔を赤らめる
あんなの、恥ずかしすぎる
いつ誰が来るかもわからない、あんなところであの人は…
よく平気な顔して出来るわよね
ギシギシきしむ机の音にすら、私はビクビクし、気になって仕方なかったのに
歯をくいしばって、懸命に声を押し殺した…そんな私を散々、嬉しそうに弄んで
本当にあの人は…
もし、ばれたら大護軍の体面丸つぶれじゃない、若い子達に示しがつかないじゃない
あの人ってば
サイコじゃなかったのよ
きっと露出狂の悪趣味があるのね
やんなっちゃう
そう、下手にあの人怒らせると、それはそれで大変な目に合うのよね…
はぁ…
どうしよう
でも、あり得ないわよ!
このまま素直に、持っていくのも絶対、絶対、悔しすぎる。
だけど、どうしよう…
下手な抵抗しても、
今度は、どこで何を致されるか…
色々な葛藤が入りまじる
えーん困ったと、ウンスは眉をさげて、怒りと泣きべそ混じりの顔を浮かべた

「あっ、トクマン君」
ウンスはトクマンを見つけて、あら、飛んで火にいる夏の虫ねっ、と心の中呟く
ラッキー逃してはならぬ、しめしめと思いつつ、愛想を振りまいた
可愛らしいウンスの笑顔に、トクマンからは、へらりと笑いがこぼれる
「医仙様おひさしぶりです。最近、あまりお会いできなくて、寂しく思っておりました」
あら、トクマン君ったら可愛い事を
「私もよ。今度また屋敷にも遊びにきてね。近いうちに、叔母様の誕生日パーティーをしようと思っているのよ」
「チェ尚宮様の、ご誕生をお祝いする、ぱぁてぃですか?ぜひ!」
先日の副将のぱぁてぃも、たいそう楽しかったと、トクマンは浮かれた
「あっ、そうそう、トクマン君、悪いんだけど、これあの人に渡しておいてくれる?きっと、すっごーーーく首を長くして待っていると思うの」
ウンスは少し顔をしかめて、トクマンにそれを差し出した
「大護軍にお渡しすれば良いのですね?喜んで!俺、持っていきます!!」
くすくす、張り切っちゃって可愛い
「ありがと、よろしくね。あと、ママは帰りますからって伝えてちょうだい」
「”まま”ですか?」
あの人、その意味は分からないわよね。でも私の小さな抵抗よ
フン!
ウンスはトクマンに外掛けを押し付けると、してやったりと、ルンルンと兵舎を後にした

「トクマン、なんだそれは」

チェヨンは目にしたその光景に、わが目を疑い小さく見張った
「大護軍、先ほど、医仙様からこれを預かりました」
トクマンは、大護軍が首をながーくして待っているという外掛けを、張りきり勇んで持って行ったのだ
「……」
「たいそう、これをお待ちだったとか」
チェヨンは目にした外掛けに、一瞬にして頭に血がカッと上る

腹いせにパシッとトクマンの頭部を叩いた
「イテッ」
何するんですか!そう叫びたくなる気持ちをトクマンはグッと堪える
「馬鹿かお前は、なぜ先が読めぬのだ。俺にこうされる事が何故分からなかった」
「えっ??」
「おい、ちょっと顔を貸せ、部屋に来い」
「ハッ…かしこまりました」

「あぁ、大護軍、何するのですか」
チェヨンは受け取った、外掛けの袖を力任せにびりっと引きちぎった
「トクマン、いいからよく聞け」
チェヨンはトクマンの首根っこを掴みあげると、左右を見て、念のため人目がないかを確認した
間違いなく、二人きりであることをしっかり確かめるチェヨン
「医仙の元に、いますぐこれを持ち帰れ。そして、誤って、お前が袖をやぶいてしまったと。医仙に縫って頂くように頼み込むのだ」

「えっ?どういう意味ですか」
本当に場が読めぬ奴だ
いつまでも成長せぬ
「あぁ、意味など聞くな」
「イテッ」
チェヨンはまた、トクマンの頭をカツをいれるかのようにバシッと叩く
「黙ってそのようにすればよい」
眉間にシワを寄せ睨み付ける
「良いかお前が誤って破いたというのだぞ。もし、俺がやったと医仙に露見すれば…どうなるか分かっておるなトクマン…」
「はっ、はい」
「そうだ、お前、医仙にそれを戻した後、すぐに家に帰れ。チュモが今宵は夜番だが、それと代わるように。医仙には、そのため自分で持ってくるようにつたえよ」
「ハッ!」
「あ、あと、大護軍の怒りをかうと怯えたように振る舞え。そして、とにかく早く仕上げさせ、医仙に持ってこさせるよう上手く手筈をつけろ」
「しかと、承りました」
トクマンは深々と礼をとった


「すまぬな、呼び出して。副将(プジャン)、此度お前のありがたみが、身に染みてよくわかった」
トクマン彼奴に比べれば、チュンソク、こいつのが幾分ましだ
「は…?」
大護軍が突然発した、意味の分からぬ発言。俺は驚き目を丸く見開いた
「俺の副将は、お前でないと務まらぬ」
「はぁ…」
ここで意味を問うなど、愚かな部下のする事。トクマン程度の格の者なら、どういう意味かなど稚拙に問いかけかねぬ
俺ほどになれば、意を問いただすなどせぬものだ。この方はそういう事を嫌われる
その程度の事も分からずして、この方の副将の役目は務まらぬ
しかし、俺とて突然どうしたのかと思いはする。だが、誉められて悪い気はしない
俺は、気恥ずかしさを、俯きごまかした
「チュンソクお前がおるから、俺は、”事”が、安心し運べるのだ。すべては、お前のおかげだ」
俺はその方の突然のお言葉に、悦びが腹の底から込み上げた
「この後も頼む」
じっくりイムジャとあんな事や、こんな事が致せるよう。昨日のアレ、楽しかったなぁ。むふふ by チェヨン
あの方はそう言って、俺の肩に期待を籠めるよう力強く手をおいた
あの方の手の重みが、俺に対する、あの方の御心を表しているように思うのだ
この方はずるい
そんな言葉や、俺に向けられたそんな仕草ひとつで…俺の憤ってた筈の胸が、簡単にくすぐられ踊らされてしまう
でも、仕方ない事
俺は分かっておるのだ…
抗えぬのだ
何故ならそう俺は…
副妻チュンソクなのだから…

「あぁ、もうどうしたらいいのよ」
このまま素直に持っていって、こんな事が癖になるのも困る
だけど、このまま抵抗して持って行かなくて、あんな事が癖になるのはもっと困る
俺を凍えさせた仕置きです
そう言って、不敵に笑うチェヨンの姿が、ウンスには安易に想像がつくのだ
あの人はズルイ
何なのよこれ
どっちに転んでも、これじゃ、あの人の思うツボじゃない
私に退路はないわけ?
ウンスは、これでもかと、赤い髪の毛を掻きむしり…その髪を取り乱していた
そして、悩ましげに…
はぁ~と大きくため息をついたのだった

「何で俺が、突然夜番をせねばならぬのだ。首を長くして待っておるというから、せっかく急ぎ持って行って差し上げただけなのに」
そこには、むっすりと膨れた…
高麗一の、空気が読めぬ男
トクマンの姿があった
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