化粧品に関して消費者の興味をてきめんに引き出すことのできる言葉は“ナチュラル”です。
これはもうずっと前から消費者に浸透し、メディアによって認識されているかはさておき、天然成分が合成成分より肌に良いというのは全くの作り話で、証明資料や科学的正当性を何一つ持っていません。実はナチュラルという言葉の定義もはっきりしておらず、その言葉についての明確な規定もありません。結局、化粧品会社は何にでもナチュラルという単語をつけて販売することが出来るようになりました。
“ある化粧品会社が自社の製品にナチュラルという名前をつけたいのであれば、問題なく出来ます。どういう成分で作られているのかは全く関係ありません。そこで、FDAはナチュラルのような用語の使用に公式的な意味付けをする為、色々と努力し、裁判にまで持ち込みましたが、結局負けました。それから化粧品業界はこの言葉を何にでも付けられるようになったのです。”(Source: FDA Consumer Magazine, August 2000)

スキンケアやメイクアップ製品に「100%ナチュラル製品」という言葉をつけるのは、その製品に非ナチュラルな成分が含まれているか、製品の中に含まれているナチュラル成分が肌に問題を起こす可能性があり、その事実を隠すために、このような過大広告をしているのです。
自然から生まれて育てられたものだから肌に良いという物だと言うことを意味するのではありません。逆にナチュラル成分ではないからといって肌に悪いという意味でもありません。
肌に良いナチュラル成分もたくさんありますが、消費者自身が、どの成分が肌に良いか、悪いかがわからずに混乱しています。

果物、野菜、又は純粋食品成分が必ず肌のための最高の成分だとは言えません。スキンケアで考えてみると、植物のほんの少しの成分だけ肌に良い作用をします。しかも植物からこのような成分を抽出するには必ず合成抽出過程が必要です。そして、このような抽出物は植物自体全てを使ったときよりもっと安定的に効果を発揮します。それではこのように考えて見ましょう:スキンケアにおいて純粋植物は、特にスキンケアにおいては持続性を発揮しません。
冷蔵庫の中のレタスがどれ位もつかについて考えてみてください。このような植物をあなたの浴室に置くとどうなるのでしょうか。残念ですが、ナチュラル又は植物性防腐剤は極端に弱い殺菌剤と抗菌性の属性を含んでいます。汚染された製品による肌の合併症を見てみると、製品の保存方法がとても重要な要因だということがわかります。

ナチュラルだと主張するたくさんの企業がありますが、成分ラベルに専門的に見える成分名を書き、( )の中にナチュラル成分を記入することで、この製品をナチュラルのように見せています。これが消費者には役に立つ情報のように見えるかもしれませんが、一方では、消費者を誤解させています。例えば洗浄成分のラウリル硫酸アンモニウムはアヴェダ(Aveda)の成分表にココナッツオイルから抽出したと記入されています。
このような成分表示は製品をよりナチュラルなものに見せますが、このラベルにはココナッツオイルがラウリル硫酸アンモニウムになるためにはどういう過程を通ってそうなるかについては全然書いていません。ラウリル硫酸アンモニウムは硫酸複合物でトリエタノールアミンのような成分と一緒になることで中和されます。この過程の中では、良い成分を悪い成分に変えず、ラウリル硫酸アンモニウムを使わないようにとは言いませんが、天然的な物でないと確証できる成分になります。このようなことを除いたとしても、合成成分を含んでいる製品がナチュラルだと主張する製造会社はたくさんあります。

幾多の天然成分がアレルギー、刺激、又は敏感肌にしてしまう可能性があるということは指摘されるべき事がらです。どれだけの人々が花粉症かに対して考えなければならないし、どれだけの種類の植物が化粧品に使われているのかも考えて見てください。ミカンはよくスキンケア製品に使われますが、多くの人が料理をするときでさえも、レモンやライムを絞るときに、肌の刺激を感じた経験があります。キャンパー(特定の木で蒸留するもの) 、ペパーミント、メントールとユーカリは刺激的で敏感に反応します。このすべての天然成分は肌刺激、アレルギー反応と敏感肌、そして紫外線アレルギーを誘発させます。

成分ラベルにナチュラルだと表示されていてもアレルギー反応を引き起こす可能性のある刺激的な製品になることがあります。単純に製品が天然だといってその製品成分の効能まで書かれてあるのではありません。ですので、毒のあるツタも天然だというのを憶えてください。私は、マイルドな合成成分の代わりに100%天然製品を使うことに必死になっている人々を見ると、非常に切ない気分になります。

悲しいことに天然成分が合成成分より優れているということは正解だとは言えません。野菜や植物性油が肌により良いという事はよく耳にしますが、形を変えたケイ素(つまりシロキ酸、ジメティコン、サイクロメティコン)も非常に良い成分で、肌に良いことがいくつかあります。しかし、“合成物 ”を広告することはとても困難です。ケイ素は80%以上のスキンケア、メイクアップ、そしてヘアケア製品に入っていますが、化学物質が植物又は酸素用法、そして細胞作業および肌に実際行っている役割とは関係ない様々な広告のように、このような製品を見て興味をそそる消費者はほとんどいないため、ケイ素に付いての広告はほとんど聞くことが出来ません。

もちろん肌によい天然成分も数多くあります。しかし、ナチュラル成分だからといって肌に最高の選択になるのではないということを申し上げたいです。もし肌に良い成分で、かつ刺激的ではない成分を含んでいる製品を使いたければ一体何をチェックしなければならないでしょうか?下に書いてある天然成分(天然の状態からの成分の機能は化粧品として使われるための製造過程で成分が変わる可能性があるということをいつも念頭に置いておいてください)はドライ肌の方には、抗酸化剤機能があるので適しています。

Botanicals
スキンケア製品が自然抽出成分を含んでいるとこは、それほど価値のあることでしょうか?
肌を健康にする素晴らしい植物と植物抽出物は色々あります。そして肌に問題を起こす植物抽出物もたくさんあります。

天然や植物成分が消毒剤のように効果的に作用するとしてみましょう。それでも人によって作られた消毒剤の性能を超えるものはありません。ナチュラル消毒剤はただの代案ということです。
化粧品業界が言おうとしないスキンケア製品の天然成分の短所は、各天然成分が広範囲にわたる問題をかかえているということです。これは製品に入る前の精製過程の結果で、これから何が起こるか、ということも含んでいます。
植物のどれがよくて、どれが悪いか、植物に除草剤を使ってはいないか、濃縮液が入っているかなどが含まれます。いろんな面で人造成分が肌により良い作用をすることもあります。

自然からの成分だから肌に良いものだという事を意味するのではありません。
たくさんの植物は毒を持っていて、それをつけると肌に刺激を与える物も多いです。

天然成分に注意しなければならない理由は(“天然”という言葉がちゃんと定義されていないことを除いて)、メーカーが化粧品成分レビュー(CIR)、化粧品、化粧品類、香水協会(CTFA)のために研究資料を作らないからです。

この協会は化粧品協会の自己コントロールのために存在しています。化粧品協会がいつも同じグループではありませんが、この団体の調査はとても興味深いです。
製薬&化粧品産業(Drug & Cosmetic Industry)マガジン(June 1997, page 89)の記事によると、CIRのメンバーは“安全性(又はベネフィット)を決めることにおいて、ある意味で特別(天然)成分として分けられることに、専門的な情報がかなり足りない事に驚いた”と話しました。そしてCIRのメンバーは“植物性薬品が、季節と種類による多様さと、抽出過程の多様さのせいで十分考慮することなしに定義されることが多い”とも話しました。特に植物性成分の安定性と使用上の深刻な問題(構成)、肌に対する効能、汚染物質に変わる可能性に関わる情報が欠けています。

植物は純自然物質で素晴らしい物のように思えて、ごま油、カンゾウエキスなどがカプリン酸トリグリセリド、グリシルレチン酸よりずっと素晴らしい成分のように聞こえるのですが、それは良くも、悪くもありません。長所と短所を併せ持っており、絶対にそうではないと仮定するのは間違っているのかもしれません。


コラムURL:http://www.cosmeticscop.jp/