必要以上に紫外線を恐れないこと。普段の紫外線防御は、おしろいで十分です。


一番いけないのが、化粧をしないでUVカット剤だけは塗るというパターン。肌に負担がかかるのは、UVカット剤のほうだということを忘れずに。


そしてより効果的な方法が、実はスキンケアとは無縁に思えるサングラス。眼は言うまでもなく精密な光センサーですが、紫外線の量をチェックするセンサーでもあるのです。


高紫外線環境に身をおくと、眼から脳に「紫外線が強いぞ」という情報が伝達されます。すると脳は「非常事態である。全身の紫外線防衛システムを作動せよ!」の命令を出し、全身でメラニンを増産して身を守ろうとします。


すばらしい人体の自動防衛システムですが、せっかく肌をおしろいや服でカバーしていても、目が防御されていなければ脳からの指令は止まらないので、当然しみやそばかすなどが濃くなってしまいます。


こういう事実を知らないと、肌に一生懸命UVカット剤を塗りたくっても効き目がなくてホワイトニングにどっぷり・・・なんていう悪循環を起こすのです。


心配なときは、サングラスで目を保護する習慣をつけましょう。普段はおしろいで、ハードな紫外線環境のときは軽いUVカット剤とサングラスで紫外線をブロック。


これであなたの肌は、健康な状態のまま日焼けを防ぐことができます。

真っ赤になるほど焼けてしまったらそれは、ヤケドと同じこと。


日常生活の中でちょっと紫外線を浴びる程度であれば、通常のお手入れで十分ですが、もしもヒリヒリするほど日焼けしてしまった場合は、ヤケドと同じ治療が大切です。まずは冷却。ほてった肌をさますことです。


冷却がなぜ日焼けに効くのでしょう? ダメージを与えられた皮膚細胞からダメージ情報が伝わって被害が拡大するのを防止するとともに、過剰なダメージ回復反応=炎症を抑えるためです。


ただ、重症の場合は皮膚科医に相談したほうがいいでしょう。安易なセルフケアはいけません。


顔につける方は少ないかもしれませんが、一般の薬局で販売している日焼け後のヒリヒリ改善スプレーなどで非ステロイドの消炎剤を含むものは有害です。


そもそも非ステロイドくらいじや効きません(中学校の相撲部員がプロの幕内力士と対戦するのに等しい)。そして100人中2~3人くらいの確率でカブレやすいのです。


痛いほどの日焼けには、皮膚科の診断では、短期間ステロイドを塗ります。


これはヤケドの治療と同じです。

メラニンの生成(と排出)は健康的な肌のメカニズム。これがわかってもらえたとしても、ここでまた出てくる問題が、「健康ではない」肌の状態の人が多いという事実です。


現代は、通りを歩く女性の肌は本来の状態より黒い人=メラニン増産中、が多いのです。


そこで人気なのが、「美白」りホワイトニングですね。これ、昔はなかった造語だと思います。女性のハートに響く、いい言葉です。そしてその説明にも心奪われる言葉が並んでいます。


○○の働きでメラニンの生成をブロック。○○の働きでメラニンの排出を促進。こう聞くと、今勉強したばかりのあなたも、「肌の自然なメカニズムを助けてくれるのかしら」と勘違いしそうになったはずです。


ひっかかってはいけません。


そういえば、ひと昔前あたりに、9月になると必ず売られていたコーヒーフレッシュみたいな容器に人った黄白商品がありましたね。粉を液体で溶いて塗る商品。なぜ9月か? 


それは、夏の日焼けが「自然の経過で」薄くなる時期に合わせて使わせることで効果があると誤解させるため。夏の肌の疲れをクリスマスまでにスッキリ?


ほうっておいても同じなんです。


逆に、ダメージを受けないようにメラニン色素を生成しようとしている肌に、それをブロックする作用を加えるとどうなるでしょう?必要な反応を妨害されると、肌はより一層強力に色素をつくります。


つまり、逆効果です。色素をつくりたい肌機能をジャマすると、かえって黒くなる可能性があるのです。


「色の白いは七難隠す」と言いますが、白い肌は無理やりつくるものではありません。トラブルのない肌が結果的に白いのです。もしあなたの肌が顔よりも首から下のほうが白いなら、間違ったお手入れの結果だということです。


医師のイメージでいえば、発熱したとき、解熱剤のみで解決しようとするのが間違った美白、熱が出た原因を探り治療するのが正しい美白です。身体の自然の防衛能力として、炎症反応と発熱という生理作用があるのです。


解熱剤を乱発して妨害すると病気が治りにくくなるだけです。当たり前ですよね。原因をやっつけましょう。防衛のための生理反応を邪魔せずに。


百歩譲って、きちんと効果のあるホワイトニング剤があったとして、使うタイミングを判定するには、優れた皮膚科医の判断が不可欠です。


優れたという意味は、病気のように「発症⇒治療」という大きな変化ではない、「メカニズム」という生理変化の方向までを見抜ける臨床能力を持つまでに成長した、という意味です。