さて、ようやく夫婦の愚痴を離れまして、
日本とアメリカのエンタメの違い、
つまり
エンターテインメントの違い、ということですが、
ここではあくまでも
Performing Art と呼ばれる 舞台芸術
の違い、ということで書いていこうと思います。
今回の一時帰国、前半の目玉はこちら、
太鼓のコンサートに行くことでした。
我が街の隣町は江戸時代から老舗の太鼓メーカーがある地であり、
毎年太鼓の(それなりに)コンサートが行われています。
息子ちゃんが太鼓好きであることは以前こちらに書きましたが、
これはもう、ぜひ本場の音を聞かせてあげたいと、
母に早くから予約を頼んでおいたのでした。
公演時間が2時間50分もあり、
6歳になりたての息子ちゃんには長すぎるかと心配しましたが、
問題なく最後まで楽しめました。
今回はいろいろなグループが入れ替わり立ち代わり演奏をしたので、
演奏の合間に、
今度はどんな太鼓が出てくるだろう、
と胸を躍らせたり、少し息抜きができたり、
と新6歳児にはちょうどよい展開でした。
そして、思うに、太鼓は単なる「音楽」を超えた、
多分に「舞台的要素」を備えた芸術ですので、
息子ちゃんも飽きなかったのであろうと。
一人の演者なら、ピリッとしまった空気に、
天にバチを突きさすかのかのような激しくも美しい姿態。
複数であれば、その一糸乱れぬバチさばきに圧倒され、
複数の太鼓が織り成すリズムに心乱されたり踊らされたり。
太鼓、という実に単純に見える楽器の秘める表現の広さに改めて驚かされました。
ヒューストンの「雷太鼓」さんたちもとても素晴らしいのですが、
やはり本場は本場。
そして、お祭りの催し物の一つとしてではなく、
純粋なコンサート、というしつらえで聞く太鼓は別物です。
今回の太鼓は、女性の存在感がすごくて、
もう太鼓も女性の時代だな、
もう男の領域なんてないな、
なんて一人感じ入っておりました。
さて、で、
一体何がアメリカとの違いなのかというと、
実に
お値段でしょうか。
今回のコンサートも前売り券がA席で3500円、B席が3000円
アメリカの感覚ですと、激安です。
アメリカって、もちろん何を見るかにもよりますが、
40ドル以下で何かを見れることってほとんどないように思えます。
どんな遠い席でも。
サイト上では安く見えても、何かと手数料を取られて、一番安い席でも50~60ドルくらいかかるのが普通な気がします。
まあ日本は総じて物価が安い、という印象も置いておいて
だから、日本がいい、ということではなくて、
エンターテインメントというか「芸術」というものへのお金のかけ方が、
日本は少ないな、と思うのです。
もっと、芸術にお金を払う、という感覚があってもいいかなあ、と。
正直いうと、もっと高いチケットでもいいので、
この若きパフォーマーたちにいい暮らしをしてほしいな、と思いました。
(してるかもしれませんが、、でも多分してない??)
だから、トップパフォーマーはみーんなアメリカなどに行ってしまうと思うのですよね。
その才能に対して正当な対価が支払われるから。
(アメリカの舞台芸術に関連する人たちが日本のそれらの人たちより稼いでいるかは知りませんが、おそらく稼いでいるでしょう)
言ってしまえば、日本人は
ケチ!
裏を返せば、
貧乏
ということなのかもしれません。
一般庶民には芸術を支え発展させるだけの財力がないということなのでしょうか、
(それでも高レベルだとは思いますが)
実に悲しい事です。
消費税も上がるし、
財布の紐を締めたい気持ちもわかりますが、
日本全体で
このような演者たちへも含めて、
どんどんお金を回していかないと
みんなで落ちていくだけじゃないか、
と本当に日本のことが心配になりました。
ということで、
太鼓についてはもう少し書きたいことがあるので、
(次はポジティブなこと)
それはまた次回。