ただ今後精神科ソーシャルワーカーを目指す人にとって私から言えることは、
「今年発売の(2013年度版)過去問題集を買ってみる」
に尽きます。解かなくて構いません。詮ずる所、私たちが学んでいることはその解説書に集約されます。サラッとめくって頭の片隅に問題形式を入れておくだけでも、おそらく今学校に行っている私の知識よりも豊富なものを得られると思います(ただし経験は別ですが…)。
ちなみにオススメ書籍は久美(Kumi)出版の社会福祉士・精神保健福祉士国家試験 問題分析と受験対策 過去問題集【共通科目編】 です。
さて。ノートを載せるのは枚数の都合で不可能となってしまったので、せめてもの思いで実習でよく用いられている事例(ケース)をもとに、PSWがどのように援助していけばよいかを考えるグループワークの題材をご用意しました。
【S実習生の苦悩】
将来PSWを目指すS実習生は、実習先の病院にてある苦悩を持っていた。実習指導者にあたっていたP精神保健福祉士は、S実習生の異変にいち早く気付き、お昼休みにどんな悩みを抱えているか聴いてみた。
S実習生は精神科デイケア(※)に毎日来所するMさんのことについて話し始めた。Mさんはデイケアがある日には必ず足を運びプログラムに積極的に参加する真面目な方だ。
「Mさんはデイケアに来ているにもかかわらず、私がいる間は一日中寝て過ごしているんです。私はMさんにプログラムに参加するよう呼びかけましたが、話をまともに聞いてもらえず、ずっと一人でいるMさんに苛立ちを覚え始めました。私はなにもしないMさんに対し、あってはならぬ感情を抱いてしまったのと同時に、私はMさんに嫌われていると思うと悔しく思います」と、ポツリと語った。
P精神保健福祉士は他のスタッフと話しているうちに、S実習生の立振る舞いに問題があることを突き止めた。
「S実習生は、Mさんに優しくし過ぎたのよ。Mさんの身辺整理を全てS実習生が引き受けてしまったものだから、Mさんはやり場を無くしてしまったのね」と、スタッフは淡々と語った。
設問:P精神保健福祉士になったつもりで、S実習生への指導とMさんのプログラム参加をどう援助すればよいか、検討しなさい。
(※)精神科デイケアとは、昼間何もすることがなく暇を持て余している等の方々を対象に、スポーツ・レクレーション・料理・手工芸・話し合いなどの様々なプログラムをグループ活動を中心として行っていく施設のことです。
こういう事例を検討する授業はたくさんあります。しかし1点集中で『これが正しい』という解答はありません。上の事例の場合、S実習生の善意が悪意になってしまっていることに着目すると、P精神保健福祉士の行動すべき点が見つかるかもしれません。