暗闇を彷徨っていた私に光をくれた。その光はたった10文字で紡がれた言葉。こっちにおいで!と言わんばかりに、優しく微笑んでくれた。
そして私はその道を選んだ。ここにいるのは、確かに私。
過去には様々な分岐点があった。右に?左に?まっすぐに?
私は常に「まっすぐ」を選んだ。右に行けば険しい山を越えずに済んだかもしれない。左を選べば美しい桜を見られたかもしれない。だけど私に選択肢はいらなかった。『一度決めたことは貫き通す』。
道中岩盤があった。貫いた。
道中ライオンの群れに遭遇した。貫いた。
何もかもが、レールガンで撃ち抜かれた如く貫かれていった…。だが一つだけ貫けないものがあった。落とし穴だ。全てが上手くいくと思い込んでいた。己の慢心がそれを隠す。
悲しいかな、その落とし穴は私が自分で仕掛けたものであった。いらない積荷を捨てるためのゴミ箱──。私は底なしの闇に転落した。捨てたはずの積荷と一緒になってどこまでも、光が見えなくなるまで。。。
明かりがない世界。どちらが上なのか下なのか分からない。今まで貫き通してきた岩やライオンの群れ、それらの怨念が私の耳元で囁く。『進むべき道を見失ったお前に、俺たちを再び倒せるかな?』と。
怖い。この時初めて悟った気持ちである。誰か松明を…誰でもいい、返事をしてくれ…。声は伝わらなかった。いつしか私は、恐怖から逃れるために膝を抱えて深い眠りに就いた。
あれから2年半経っただろうか。ふと、辺りが眩しくなったので目を覚ました。そこには私の大切な人が立っていた。だけど、その大切な人も苦しそうだった。『ねぇ…一緒に行こうよ』
それが、2月3日の出来事。今こそ立ち上がろう!そして、天に向けて光り輝くレールガンを撃ち放とう!